「飛鳥・藤原の宮都」(奈良県橿原市、桜井市、明日香村)が6日、世界文化遺産に登録される見通しとなり、関係者の間に喜びと
安堵(あんど)
の思いが広がった。「吉報」を受け、構成資産となった古墳などの遺跡には、県内外から多くの観光客が訪れていた。(吉田清均、小松夕夏)
世界文化遺産に登録される見通しとなった高松塚古墳。多くの観光客でにぎわった(奈良県明日香村で)県内外から多くの人
構成資産19件のうち15件がある明日香村にはこの日午前中から多くの人が訪れ、石舞台古墳周辺では駐車場の空きを待つ車列ができていた。
ニュースを見て初めて石舞台古墳(明日香村)を訪れたという愛知県豊田市の男性(42)は「日本という国がどう造られたのかを知るきっかけになった。世界遺産にふさわしい」と話した。
「飛鳥美人」の壁画で知られる「高松塚古墳」(明日香村)近くの住民(77)は「ようやく登録してもらえると思うとうれしい。地元の人々が残そうと努力した、日本の政治や文化の原点と言える場所を世界の人に知ってほしい」と祝福した。
「率直にうれしく、ホッとした」
この日未明に世界遺産「登録」が勧告されたことを受け、山下真知事と地元3市村長が午前7時から県庁で記者会見を開いた。
世界遺産「飛鳥・藤原」登録推進協議会長の山下知事は「資産の普遍的価値が国際的に認められた。登録に向けて大きく前進した」という協議会のコメントを読み上げ、「7月末の登録に向けて勧告の内容を分析し、必要なことを進めていく」と意気込んだ。
構成資産の一つ・山田寺跡がある桜井市の松井正剛市長は「まだ8合目くらい。改めて資産の保存と活用にしっかり取り組まなければならない」と気を引き締め、藤原宮跡などがある橿原市の亀田忠彦市長は「率直にうれしく、ホッとした。知事や他の市村長と力を合わせ、ゴールテープを切れるように頑張りたい」と力を込めた。
明日香村の森川裕一村長は「(世界遺産候補の)暫定リスト入りからの19年は、古都の景観を維持する価値を住民の心に醸成するのに必要な期間だった」と受け止めた。
「大きなハードルをクリアした」
地元では歓迎ムードが広がった。
明日香を題材にした作品を手がける村在住の日本画家、
烏頭尾(うとお)
精・京都教育大名誉教授(94)は「『飛鳥・藤原』の歴史的価値が評価されたということ。日本最初の都が脚光を浴びる日が近づき、感慨深い。登録が実現し、自然の中にある美しい都ぶりを、世界中の人に見てほしい」と喜んだ。
橿原市のホテル「グランドメルキュール奈良橿原」の北口祐介・総支配人(40)は「登録されれば地域の歴史的・文化的価値が国内外に広く発信できる。日帰りではなく滞在して、奈良の魅力を深く、ゆっくりと楽しんでもらえる仕組み作りにつなげたい」と話す。
古都飛鳥保存財団の石井一良事務局長は「地域の皆さまと風土・景観の保全活動に取り組み、世界遺産登録の一端を担えたことは大きな喜び」と話し、明日香村教育委員会の元職員で、四天王寺大講師の辰巳俊輔さん(36)は「長かったが、念願の世界遺産登録への大きなハードルをクリアした」と喜んだ。
勧告を受けて喜びを語る(左から)森川・明日香村長、山下知事、亀田・橿原市長、松井・桜井市長(奈良市で)
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