2026年6月2日 16:24

専門家会議座長 大阪大学 猪俣敦夫教授
今年4月、奈良市の市立奈良病院でシステム障害が発生し、一時、外来などを休診する事態となったことを受け、市は再発防止策などを協議する「医療情報セキュリティ専門家会議」を立ち上げ、2日、第一回の会合を開きました。会の冒頭、仲川げん奈良市長は「今回の原因の究明と市側の対応の是非について専門家に的確なご助言をいただきたい」と話しました。
市立奈良病院では、4月21日午後10時ごろ、病院のネットワーク監視装置が異常な通信を検知し、電子カルテシステムにも大規模な障害が発生したことで、患者の電子カルテが全て閲覧できなくなりました。市はサイバー攻撃を受けた疑いもあるとしていました。
この影響で、病院は2日間にわたって救急と外来診療を休診した上、入院患者についても、手術を予定していた患者は緊急性の低いものや手術後のケアが必要なものは延期するなどの対応に追われました。その後、通常診療は再開されましたが、電子カルテシステムが完全復旧したのは5月13日で、個人情報漏洩やデータ破損、ウイルス感染といった被害は確認されていないとした一方、詳しい障害の原因については「調査中」としていました。
2日の委員会では、専門家らが病院内のシステムや今回の一連の対応について改めて確認したほか、再発防止に向けた議論がなされたということです。会議後、会見を開いた座長を務める大阪大学の猪俣敦夫教授は「病院でこういうことが起きるとハッカーの仕業か、などと混乱してつい悪い方向に考えてしまうが、今回は比較的早く障害の発生から2日間で再開までこぎつけている。病院の情報システム担当者がネットワークなどの技術的な知識があったことも大きく、病院としての初動が早かったことは評価できる」としたうえで、「次にまたこうしたことが起きる可能性はある。次なる被害を防げるように、また、同様の事案がほかの病院で起きた時にも生かせるような内容にしていきたい」としました。
市は来月をめどに調査報告書を作成するとしています。
最終更新日:2026年6月2日 16:41
