ここ数年の世界的な人工知能(AI)コンピューティング需要の爆発的な増加は、変圧器産業に新たな成長の余地をもたらしている。「電力の心臓」と呼ばれる変圧器は、送電網建設の脇役から、世界のAIコンピューティング能力の拡張を左右する主役に変わりつつある。

中国変圧器産業の上場企業の動向をみると、特変電工や中国西電電気、海南金盤智能科技などのメーカーの海外受注はいずれも大きく増え、受注先は東南アジアや中東、欧米、アフリカなどに及んでいる。

業界関係者は、世界の老朽化した送電網の改修、新エネルギーへの転換・高度化、AIコンピューティングセンターの建設などを受け、変圧器産業は好景気にあり、中でも海外事業は業績をけん引する推進力になっているとの見方を示した。

中国のAIバブルが生む“建設特需”⋯データセンターで荒稼ぐ人々

江西変圧器科技の総経理助理であり、海外マーケティングセンターの総経理も務める陳逸芳氏によると、2023年以前に同社が海外へ納品した設備は全体の20%~30%だったが、継続的に増加し、26年の手持ち受注のうち、海外に納品する設備は金額にして6億元(約140億円)を超えるという。

寧波三星医療電気は23年以降、ギリシャ、メキシコ、ブラジル、ハンガリー、オランダなど、海外から多くの受注を得ている。中国西電電気の手持ち受注は非常に多く、納品量も着実に増加しており、26年第1四半期(1~3月)はパラグアイ、カナダ、プエルトリコなどから受注を得て、海外市場をさらに広げている。

受注の爆発的な増加は、世界各地で需要要因が同時に重なった結果。財信証券は報告書で、世界の電力建設支出が大幅に増加し、変圧器は送電網設備の中核として、海外需要が旺盛であるとまとめた。特変電工は、欧米市場の老朽化した送電網の改修、新興市場の新エネ送電事業での旺盛な需要、世界の送電網投資の拡大を受け、送電・変電事業が引き続き成長の好機にあるとした。

AIインフラの「心臓」握る中国 変圧器輸出36%増、世界供給シェア6割に

中国税関総署のデータによると、中国の25年の変圧器輸出額は前年比36%近く増の646億元(約1兆5000億円)以上となり、輸出変圧器の1台当たり価格は20万5000元(約470万円)で、前年比で約3分の1上昇した。【新華社北京】

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