(左)愛河莉音(右)堀木さな

グラビアDVDの撮影で愛河莉音さん、堀木さなさんをモデルに沖縄へ。長年のキャリアの中で自発的にDVDロケを組む理由、4泊5日を振り返りながら山岸流ロケの仕方などをお聞きしました。(聞き手・文:近井沙妃)

ロケの基本

2月末、久々にグラビアDVDの撮影で4泊5日の沖縄ロケに行ってきた。モデルは同事務所に所属する愛河莉音さんと堀木さなさん。この時期の沖縄は晴れると温かいが雨や風があると東京と大して変わらない。

過去に何度か話してきたが、私はロケ場所を大きくは変えない。宿泊先、乗る飛行機、食事をとる場所、余程のことがない限りほとんど毎回同じところでロケをしている。昔から海外でも国内でもそう。昔「先生はいつも同じところで撮影するからおもしろくない」とアシスタントに言われたこともある。しかし、環境を大きく変化させない、天候がだいだい読める、いつの間にかその場所で人間関係ができる。撮影で1番大事なことは絶対安全。それは写真がどう撮れるかという安全性だ。

みんなで仕事ができるということ

この時期2人のモデルを連れてロケをすると言ったら出版社の会長をしている友人から「先生若いですね、大変ですね、無理していますね~」とメールが届いた。そうじゃない、ロケの仕方を忘れては困る。アシスタントの近井にも写真を撮ることをしてもらわなければいけない。OBの稲田君にも仕事をしてもらいたい、もちろんギャラを払う。こうしてみんなで仕事が出来るということがまず1つ。私の経験と私のスタッフのためにロケを組んだ。

1日目

10時20分、那覇空港着。沖縄には私を温かく迎えてくれる人たちが若干名いる。琉球大学教授の瀬名波先生は偶然にも私が沖縄に到着する頃に名古屋へ向かうということで、私が出てくるのを待ってくれていた。

那覇空港にて瀬名波先生と。今度はゆっくり時間を作りましょう

最初に向かうのは空港から車で1時間半くらいの伊計島。途中、スーパーで4日分の飲食料品や備品を爆買い。もちろん外食などもするが、主にあまり時間の無い朝や間食、何かあったときのため。ちょっと多かったかもしれないが皆が楽しくできればいいかなと爆買いをお手伝い。

買い物の一部

沖縄に行っても私はスペースを借りて撮影する。スタジオだけでは勿体ないので最近はホテルに泊まらず撮影もできるコンドミニアムやヴィラに宿泊。事前にアーリーチェックインが出来るように話してあり、何故それが出来るかというと前回も使用しているから。こうして少しずつ信用と信頼関係が生まれ撮影に余裕ができる。伊計島のコンドミニアムのオーナーと私のマネージャーは電話のやり取りのみだが親しくなって、今回は雨の中行ったということもあり突然値引きをしてくれた。ありがたいね。

私は雨が降ろうが槍が降ろうが全然気にしない。雨は雨なり、雪は雪なり、被写体の女の子が許す限り撮影する。

伊計島のコンドミニアムにて。前回泊った部屋と少し違う部屋に変え、真下には綺麗な海が見えた

まずはそれぞれメイクをして少し撮影。OBの稲田君に動画を回してもらい、2人のモデルを交互に撮る。稲田くんと近井が愛河さんを撮影している間、私は翌日から本格的に撮影する堀木さんと少し話をした。あまり撮影前に被写体の方と話したりしないが、彼女はグラビアが初めてということで写真を撮られる気持ち、どう撮られるか、目の動き、私のカメラにどういう風に向き合えるかなど、シャッターを押しながら1時間ほど話した。

堀木さんと話しながらシャッターを押した有意義な時間2日目

朝、私と稲田君は早く起きてちょっとロケハン。ハウススタジオに行く途中で車を停め、まずは1枚。移動中の画になるところを見逃さない。

移動の道中、軽く外歩きのシーンを撮影

宿泊しているコンドミニアムからスタジオまでは10分もかからない。到着するとオーナーの島根さんが入り口の掃除をしていて気持ちよく迎えてくれた。ここはかなり前から使わせてもらっている場所だが徐々に人気が出てきてこちらの都合と合わないこともあるほど。先日も『宝島』という大きな映画が撮影されていた。たくさん使用されることは個人的に少し淋しいがどんどん使用いただいて撮影環境が整っていくことがすごく嬉しい。

伊計島のハウススタジオ、オーナーの島根さんが掃除をしながら迎えてくれた

メイクが先に済んでいる愛河さんからスタート。ここ数年、スマホでどういう風に写るか軽く確認した後にカメラで撮影している。そして私の撮影には黒傘と白傘が必須。私はファインダーを覗かないので明るい場所では背面モニターが非常に見づらく、黒い傘で陽を切って見やすいようにしている。白傘はモデルさんに当たる直射日光を遮るように使うことが多い。

(上)最初にスマホでどう写るかを軽く確認(下)確認後、本格的に撮影していく

ここで手伝ってくれているのは島根さん。本当は自分の後ろで身内以外の人が私の撮影を見ているのはあまり好きではないが、彼は自分のスタジオでどこが綺麗に写るか、時間帯でどう変わるかなど非常に気にしている。きっと私がここを使用する最年長のカメラマン。山岸さんならここでこう撮ると頭に入れながら、お客さんで来た人たちに軽いアドバイスなどをしているんじゃないかな。一生懸命どうしたら良く写るのかと私に問いかけてくる。半分以上は軽く「被写体に対する愛情だよ~」と済ましているが、それだけでは写真は上手く写らない。

オーナーの島根さんは手伝いながら自分のスタジオでどうすれば写真が良く写るか問いかけてくる

伊計島にコンビニは無く、20分程かけて平安座に行けばあるが時間が勿体ないので事前に島根さんに頼んで島の共同売店に人数分のお弁当を注文している。

お昼は事前に伊計島共同売店に注文

女の子たちに空いた時間には自撮りやTikTokなどの撮影を積極的にすすめている。暇で仮眠を取るより自分を撮っていた方が遥かにいいと思うし、ロケの様子を彼女たちから発信してもらえる可能性もある。

空き時間に自撮りをする愛河さん

空港で出迎えてくれた瀬名波先生に加え、沖縄でたった1人の知り合いの写真家、昆虫・動物写真家の湊和雄さん。この世界では大御所。彼のFacebookを見ていたら新型のジムニーを購入したということで、「見たいな~」と送ったら新型のジムニーで差し入れと共に伊計島まで来てくれた。今度はジムニーで湊先生の撮影エリア、やんばるに自然を撮りに行ってみたい。

湊和雄さんと。高速道路が事故渋滞で普段1時間の道を2時間ぐらいかけてわざわざ来てくれた。タンカンの差し入れに加えカレンダーのプレゼントまで

今、沖縄ではビーチ等での撮影がなかなか難しくなりつつある。公園であろうがどこであろうが撮影許可を取ることが大前提。伊計島はとても小さな島でこのスタジオから歩いて5分も歩けば綺麗なビーチがあり、島根さんが傍についてくれて私たちも機材をコンパクトにし散歩がてら撮影してすぐに戻れる。

伊計島のビーチにて

この島は本当にいい島。いつまでも我々職業カメラマンが撮りに行ったら迎え入れてくれる島であってほしい。

また、模索中

仕事も無事に終わり、いつも利用するゴーヤレンタカーに車を返して東京へ。上空から宿泊していた伊計島がよく見える。「ここにいたんだな、また来るね」と心の中で伊計島の皆さんに挨拶して沖縄を去っていく。

私はカメラを必ずカバンに入れているが、こうしてスマホで写真を撮っている。手を抜いているわけではなくその方がどうも私に向いているような気がする。この一瞬、飛行機が島の上を通過する一瞬が撮れる。スマホは私にとってポラロイドの代わりと瞬間を残す道具。

昨年からそういうつもりでキヤノンのパワーショットを新しく購入したり、先日再会した俳優の斎藤工さんに影響を受けてPEN-Fをまた使えるようにした。小型化することで出来る事をまた少し考えたりしている。

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