2026年F1カナダGPの決勝レースを終えて、ニコ・ヒュルケンベルグ(アウディ)に対し、今季初の戒告と併せて、「執行猶予付きのストップ・アンド・ゴー・ペナルティ」という極めて異例の処分が下された。

追加フォーメーションラップで発生した入れ替わり

アーヴィッド・リンブラッド(レーシング・ブルズ)がグリッドから発進できなくなったことを受け、本大会では2度にわたって追加のフォーメーションラップが行われる異例の事態となった。

ヒュルケンベルグの違反は、この最後のフォーメーションラップ時に発生した。

ラップ開始時、11番グリッドのヒュルケンベルグは発進が遅れた。スチュワードは「合理的に期待されるより遅かった」と指摘する。一方で、後方12番グリッドのリアム・ローソン(レーシング・ブルズ)は逆に「合理的に期待されるより早く」発進した。

その結果、第1セーフティカーラインに到達した時点で、2台の順序が入れ替わってしまっていた。

F1競技規則では、SC1までに本来の順位を取り戻せなかったドライバーは、ピットレーンからレースをスタートしなければならないと定めている。だがヒュルケンベルグは、グリッド上でレースを開始した。

ヒュルケンベルグは聴聞で、SC1までにローソンを安全に追い越すことはできなかったと釈明した。

「釣り合わない」情状酌量で執行猶予付きに

この違反に対する規定上のペナルティは、ストップ・アンド・ゴーという競技的処分としては最も重い部類に入る。

だがスチュワードは、SC1通過時に順序が異なっていたものの、スタートを遅らせる必要やグリッド上の混乱はなく、競技そのものへの影響はなかったと判断した。

そのうえで、こうした情状酌量の余地を鑑み、規定通りにストップ・アンド・ゴーを科すことは「極めて過酷であり、軽微な違反に対して釣り合わない」とし、ISC第12条4項6号に基づくスチュワード権限を活用し、2026年シーズンの最終戦終了時を期限とする執行猶予とした。

つまり、最終アブダビGPまでに同様の違反を再び犯さない限り、ヒュルケンベルグにこのペナルティが適用されることはない。

また、ローソンにも今季初となる戒告処分が下された。スチュワードはローソンについて、ヒュルケンベルグが発進するまで「もう少し待つべきだった」と指摘した。

2026年F1第5戦カナダGPでは、アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)がトップチェッカーを受けて4連勝を飾った。2位はルイス・ハミルトン(フェラーリ)。3位表彰台にはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が滑り込んだ。

モンテカルロ市街地コースを舞台とする次戦モナコGPは、6月5日(金)のフリー走行1で幕を開ける。

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