公開日時 2026年05月15日 05:00更新日時 2026年05月15日 07:45

豊永浩平さん三島由紀夫賞 「はくしむるち」沖縄県出身で初 暴力の連鎖に立ち向かう
三島由紀夫賞に選ばれた豊永浩平さん=14日、都内(謝花史哲撮影)

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赤嶺 玲子

 第39回三島由紀夫賞・山本周五郎賞(新潮文芸振興会主催)の選考会が14日、東京都内で開かれ、三島賞に那覇市出身の豊永浩平さん(23)=東京都在住=の小説「はくしむるち」(講談社)が選ばれた。同賞の県内出身者の受賞は初めて。

 琉球大在学中の2024年に発表したデビュー作「月ぬ走いや、馬ぬ走い(ちちぬはいや、うんまぬはい)」で群像新人文学賞、野間文芸新人賞を受賞した。

 「はくしむるち」は、現代を生きる「オタク」の少年・行生と、元鉄血勤皇隊員で大叔父の修仁の人生が交差しながら展開する。時代を超えて沖縄の若者たちをのみ込む暴力のありようと、その連鎖に立ち向かう姿を、音楽やアートなどを交えながら疾走感ある筆致で書き上げた。

三島由紀夫賞に選ばれた豊永浩平さん(右)と山本周五郎賞に選ばれた蝉谷めぐ実さん=14日、東京都

 選考委員の多和田葉子氏は「カーレーサーのように突っ走るエンジン力が群を抜いていた」と高く評価した。他の委員から「大江健三郎を継ぐ者ではないか」との声もあったという。

 豊永さんは「1作目に負けない小説を書かなければという姿勢で挑んだ作品だった。大きな賞を受賞でき、頑張ってよかったと感じている」と率直に喜びを語った。

(赤嶺玲子)

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