ギャンブル依存「頭ごなしに怒ると逆効果」 富山で家族の会セミナー 治療方法や体験談を語る

依存症の治療法を説明する森川恵一院長=富山市湊入船町のサンフォルテで

 全国ギャンブル依存症家族の会・富山は2日、富山市湊入船町のサンフォルテで、北陸3県合同のセミナーと当事者会を開いた。県内外の181人が、家族の体験談や専門家の見解に耳を傾けた。

 セミナーは金沢市の精神科病院「松原病院」の森川恵一院長が講師を務めた。森川院長は依存症は脳の病気だと念押し、治療法を紹介。認知行動療法では「次は勝てる」「神社にお参りすれば勝てる」など認知の偏りを修正するのが大切だと話し「頭ごなしにダメと言うと、余計したくなる心理現象が働いて逆効果。朝ごはんを食べているか、夜は寝ているかを聞くところから始めて」と助言した。

 家族の会東京の伊藤茉莉子さんは、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)事業について、依存症対策の成功例とされるシンガポールと比較して問題点を指摘。同国のギャンブル売り上げが2兆3845億円なのに対し、日本は20兆8839億円と10倍近くに上り、違法オンラインカジノの1兆2400億円(推計)も加わるという。

 一方で、シンガポールが対策に44億円を費やすのに対し、日本は依存症の啓発予算が5千万円にとどまる。伊藤さんは「犯罪や家庭崩壊など負の社会的コストの試算は一切されていない」と強調した。(篠崎美香)

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