梅の最大産地・和歌山が、3年連続の不作に揺れている。

 JAわかやまが4月20日に公表した2026年産梅の着果調査によると、暖冬や降雹の影響により、紀南産地では全品種で着果が前年・平年を下回った。

主力の南高梅も着果率は前年比74%、平年比61%と低水準にとどまり、3年連続の不作傾向が鮮明となった。さらに、24日付の地元紙報道では、主産地のみなべ町、印南町の着果が過去10年平均比の45%程度にとどまるとの見方も示されており、供給の不安定化は一段と強まっている。

 梅干は収穫した果実を塩蔵し、加工業者が半製品在庫として保管したうえで製品に加工するため、単年の作柄が直ちに供給に反映されにくい。塩蔵梅は一定期間の保管が可能だが、実務的には2~3年程度が中心とされる。和歌山の梅干メーカーはこれまで在庫取り崩しで対応してきたが、平年作を前提とした回復シナリオは崩れつつある。

 産地では、「2年平年作でようやく在庫が戻る」とされてきたが、3年連続の不作見通しにより、在庫回復の道筋は遠のく。収穫量は天候に左右される部分が大きく、産地側も有効打開策を見いだしにくい状況だ。

 また、着果減により果実の肥大は進み大玉傾向にあることも、メーカー側からすると好ましい状況とは言えないようだ。量販の主力は中粒のL~2Lであり、大玉化により主力サイズの確保が難しくなる可能性がある。

 影響は流通にも及んでいる。紀州梅干はお中元の定番であるが、百貨店ギフトは安定供給が前提となるため、数量が確保できない商品は扱いづらい。一度カタログから外れた商品は復帰が難しく、供給の不安定化は販売機会の喪失につながる可能性がある。

 量販では、紀州産の価格高騰を受けて値上げや量目変更が進むほか、中国産で国産の不足を補うなど商品構成の見直しが進んでおり、売場維持が重要課題となっている。

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 こうした中、売場を維持する対応の一つとして中国産の位置づけにも変化が見られる。量販向けではこれまで「価格」や「粒サイズ」が主な訴求だったが、足元では「果肉のやわらかさ」や「甘み」といった食味面を前面に出す商品が増えている。南高梅に近い品質を意識した設計であり、従来の低価格代替とは異なる役割を担い始めている。

 一部では規格外品や傷梅の活用も模索されているが、供給不安を補う決定打にはなりにくい。近年は猛暑や熱中症対策の広がりを背景にニーズは底堅いものの、供給面の不安定化により、その取り込みが制約される状況が続いている。

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