今年1月、国賓として北京を訪問し、習近平主席と握手する韓国の李在明大統領。この時、中韓関係は急速に改善する兆しをみせていたが(写真:ロイター/アフロ)
中国との関係の復元を前面に掲げた韓国の李在明(イ・ジェミョン)政権の構想とは裏腹に、最近、韓国と中国の両国間には微細な亀裂が入っている。目立った表面的な衝突はないが、外交日程や後続の協議が相次いで停滞しており、両国関係が複合的な変数のなかで再調整の局面に入ったという分析が提起されている。
「China(Taiwan)」の表記が問題に
李在明大統領は今年初め、中国との首脳会談を「第1号外交」に選び、前政権下で冷え込んでいた関係の回復に乗り出した。国賓訪問の際、北京で確認された友好的な雰囲気と破格の儀典は、関係改善の青信号と受け止められた。しかし、その後の流れはこうした楽観論に徐々に亀裂を生じさせている。
1月の首脳会談の後続措置を議論する王毅外相の訪韓が明確な理由なく先延ばしにされるなか、最近では李鍾奭(イ・ジョンソク)国家情報院長の訪中までもが中国側によって保留されたという報道まで出ており、異常な気流はますます鮮明になっている。韓国メディアは、こうした韓中関係の異常気流の根底に、中国の核心的利益である台湾問題が潜んでいると見ている。
発端は2025年2月に導入された韓国の電子入国申告書(E-Arrival Card)であった。新しい書式で台湾が「China(Taiwan)」と表記されたことを台湾政府が公式に問題視したことで韓国と台湾との摩擦が始まった。
新しく導入された電子申告書には、従来の紙の申告書にはなかった「直前の出発地」と「次の目的地」の項目が追加されたが、ここで台湾を「China(Taiwan)」と分類したことに対し、台湾政府は韓国政府に対し、持続的に不満を表明してきた。
特に、日本の高市首相が国会で台湾有事の際の自衛隊の役割の可能性を示唆する発言を行い、日中関係が険悪になった2025年11月以降、台湾の抗議は一層激しくなった。
