2026年4月18日、2025/26 WEリーグ クラシエカップは準決勝第2戦を迎えました。第1戦を2-3で落とした日テレ・東京ヴェルディベレーザは味の素フィールド西が丘でサンフレッチェ広島レジーナと対戦。3-1で勝利し決勝進出を決めました。クラシエカップ準決勝はホーム&アウェイ方式のため、単なる「3-1の勝利」以上の緊迫感がありました。

今西和男さんの訃報に接して喪章を着用して試合に臨んだサンフレッチェ広島レジーナ

前半の連続得点で勝利を引き寄せた日テレ・東京ヴェルディベレーザ

日テレ・東京ヴェルディベレーザは抜け目なく試合を運びました。

隙を見逃さず練習の成果が現れたセットプレー

サンフレッチェ広島レジーナにとって悔やまれるのは2点目の場面。コーナーキックとなったジャッジに不満を隠せず、すぐに準備をできませんでした。その隙を村松智子選手は見逃さず、ヘディングシュートを決められてしまいます。塩越柚歩選手が、サンフレッチェ広島レジーナの選手を競り合いに参加できないよう蓋したのは練習通りの動きです。先手を打たれてしまいました。

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大一番に派手な得点

これで逆転(2試合トータル)。さらに追い打ちをかける6分後の37分。樋渡百花選手がロングシュートを突き刺しました。それでも、ゴール裏スタンド全体を紫に染めたファン・サポーターは気落ちしません。声援を送り続け43分にサンフレッチェ広島レジーナは神谷千菜選手が滞空時間の長いダイビングボレーシュートを決めトータル1点差に詰め寄ります。

樋渡百花選手

押し込んだサンフレッチェ広島レジーナだがシュートをなかなか打てなかった

しかし、ゴールネットが揺れたのは前半だけでした。サンフレッチェ広島レジーナは攻勢をかけましたが、後半に放ったシュートはわずかに2本でした。

読み切った岩清水梓選手

岩清水梓選手は76分に交代出場。攻撃を跳ね返すタスクを実行しました。そして、相手の攻撃を読み切り、得点機を凌ぎました。

「最後の(早間美空選手の)フリーキックのところは、自分で『絶対に直接狙ってこない』と勘が働いたのでピッチにいて良かったと思える。壁の枚数を減らして『こっちに入れ』と(チームメイトに)言った」

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天の声のごとく振る舞った宇津木瑠美選手

宇津木瑠美選手はフル出場でした。

「課題はたくさんありましたけれどチームが勝利をすることへの気持ちはまとまっていたので、そういった意味では良かったと思います」

宇津木瑠美選手の声が最後尾からスタジアム全体に響きました。

宇津木瑠美選手

「追い込まれる試合では精神的な支えが必要です。もちろん、どの試合でも必要ですけれども、この1点がどれだけ大切か、どれだけ1失点が大切かは、わかっていても90分の長い時間の中で抜けてしまうときもある。点を取った後にふっと抜けてしまって失点してしまうところもあったので、自分の役割はそういうところにあったと思う。結果が出て良かったかな」

楠瀬直木監督は、この日の宇津木選手のパフォーマンスに満足していません。試合勘を取り戻せば、もっとできる選手だと思っています。しかし、オーラを感じさせる存在感が、チームを救うチカラとなりました。

「トレーニングのときからコーチングを非常に的確にやってくれてる。『瑠美さんが後ろにいれば』という前の人の安心感とかね、そういうところは十分にやってくれたと思っています」

神谷千菜選手(右)

自分たちのプレーを出せずに終わったサンフレッチェ広島レジーナ

赤井秀一監督は謙虚に試合を振り返りました。

「アドバンテージあるゲームでしたけれど早い時間に失点してしまって、結果的にそこを跳ね返せなかった。まだまだ自分たちのチカラが足りないと感じました」

ただ、悔しさは隠せません。記者会見室に入ったときから、目には光るものがありました。

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上野真実選手は落ち着いた口調でした。

「相手の圧に負けてしまったというか、自分たちの弱さが出たと思っています」

ほとんどの選手が「自分たちの弱さ」を語りました。試合を終えても、その言葉を発することが、応援してくれたファン・サポーターへの責任を果たすことだと考えているように見えました。

最後まで全力で応援したサンフレッチェ広島レジーナのファン・サポーター

タイトルが似合うチームへ

魂のこもったプレーを続けた村松選手は優勝の意味を語ります。

「昨シーズンに初めてWEリーグのタイトルを獲った。優勝を経験していない選手たちと一緒に優勝できたことが本当にチームとして自信になりました。『ベレーザは絶対にタイトルが一番似合うチームでなきゃいけない』と歴代の先輩たちからずっと言われてきたこと」

日テレ・東京ヴェルディベレーザは2シーズン連続のタイトル獲得に王手をかけました。

(取材:2026年4月18日 石井和裕)