
小児医療の最前線であるPICU(小児集中治療室)は、常に命の境界線と隣り合わせです。しかし、一分一秒を争う緊迫した現場であっても、そこには確かに、こどもたちと彼らを見守るご家族の、かけがえのない「時間」が流れています。
病と闘い続けるこどもたちにとって、泣いたり笑ったりすること、そのすべてが大切な瞬間です。
一人でも多くの小さな命を救うために、医師や看護師は24時間体制で、連携して治療にあたっています。厳しい治療を受けているこどもたちの傍で、小さな変化を見守りたい、不安に揺らいでいるご家族に声をかけたい、でも今は安全な医療を提供するために多くの医療機器や薬剤の確認を優先しなければならない…。そんな中で「もっとこどもたちやご家族の心に寄り添いたい」という葛藤を、私たちは何度も抱えてきました。
私たちは今回、医療機器のスマート化によって「医療機器の確認に費やす時間」を「こどもやご家族に寄り添う時間」に変えるためにクラウドファンディングに挑戦します。一分一秒でも長く、こどもたちやそのご家族に向き合い、寄り添いたい。PICUの職員をはじめ、神奈川県立こども医療センターの職員全員の願いです。
皆さまのご支援はきっと、懸命に闘病生活を送るこどもたちやそのご家族へのエールにもなります。あたたかいご支援、ご協力をお願いいたします。



病院長 石川 浩史より皆さまへ

神奈川県立こども医療センターは、1970年に設立された小児専門病院です。小児がんや先天性心疾患など、高度な医療を必要とするお子さんを中心に、年間約9,000人が入院し、延べ約16万人が外来で検査や治療を受けています(令和6年度実績)。
当院の小児集中医療部門(PICU病棟)は、重い病気や大きな手術を乗り越え、ご家族と共に再び自宅に帰ることを目指すお子さんを支える、まさに「命の砦」です。PICU病棟では多くの医療機器が使われますが、何より大切なのは、目の前にいるこども自身に向き合い、わずかな変化を見逃さずに対応することです。
医療機器の操作に費やす時間をできる限り減らし、こどもとご家族を支える時間を増やしたい―― それが本プロジェクトに込めた、私たち職員共通の願いです。皆さまのあたたかいご支援を心よりお願いいたします。


神奈川県立こども医療センターは、小児の心疾患や先天性異常などの手術や、難治性疾患等に対する高度専門医療を提供している病院で、小児がん拠点病院にも指定されています。
小児病院のほか、肢体不自由児施設および重症心身障害児施設を併設した小児専門総合病院として、こどもたちとご家族に寄り添うこども病院を目指してまいりました。
通院や慣れない検査、長引く入院生活に、不安や心細さを感じるこどもたちやご家族も多いことと思います。そんな方々に少しでも前向きな気持ちになっていただけるような場所となれるよう、日々努めています。
近年ではNICU(新生児病棟)で毎週開催される「Nピアノ」の取り組みで当センターをご存知の方もいらっしゃるかもしれません。医療や設備だけでは、不安を解消することはできないものです。少しでも日常の喜び、季節の移ろいを院内で感じていただけるように、医師、看護師、医療技術職、ソーシャルワーカーなど、職員一同、命の先の「人生」に寄り添う医療を心がけています。
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館内の装飾は総勢200名を超えるボランティアの方々にご協力いただきながら、季節ごとの装飾にも力を入れています。お正月には絵馬、七夕には短冊など、季節を感じる仕掛けが1年を通して施されています。ボランティア「オレンジクラブ」の皆様には、入院中のこどもたちへの読み聞かせや、患児のきょうだいのおあずかり、庭園のお手入れなど幅広くお力添えいただいています。

こどもたちの検査に付き添ったり、歩行訓練を手伝うなど、治療に関わる活動を補助するホスピタル・ファシリティドッグ®※1が常勤で勤務しています。看護師として臨床経験のあるハンドラーとともに活動を行うことにより、当センターで治療を続けるこどもたちのストレスや不安を解消し、治療への勇気を持ってもらうとともに、患者さんのきょうだいやご家族にも癒しと楽しみを与えています。
コロナ禍で外部演奏者が病棟に入れない中、「赤ちゃんに音楽を聴かせたい」という想いで始まった「Nピアノ」。金曜日午後のミニコンサートでは、新生児科の医師やスタッフ、研修医らだけでなく、ご家族に演奏いただくことも。


当センターのPICU(小児集中治療室)は、年間患者約400人に対応する小児医療・命の砦です。PICUに運び込まれるこどもの中では、心臓血管外科手術が必要なこどもも多く、その数は年間200名近くに及びます。
先天性疾患の出産直後の手術や全身管理が必要な新生児・乳児のケア、多臓器不全などで集中的な治療が必要な小児患者に対して、24時間体制で医師・看護師が連携して治療にあたっています。

小児患者の場合は、薬剤用量の安全域は成人医療と比較して非常に狭く、マイクログラム単位での緻密な調整が必要です。また使用す る薬剤も複数組み合わせながら、極めて細かい速度で持続的に投与することが求められて いるために、1人につき10種類以上の薬剤投与が必要で、PICUでは20種類以上の薬剤が繋がれている患者さんも珍しくありません。
小児医療の最前線であるPICUは、常に命の境界線と隣り合わせの緊迫した現場ですが、そこにも確かに、こどもたちと彼らを見守るご家族の、かけがえのない「人生」が流れています。
長引く入院生活、辛い投薬や手術を乗り越える力になるのは、時に高度な医療技術だけでなく、泣いたり笑ったり、成長を感じる喜ばしい瞬間であったり、不安や悲しみを吐露できる居場所であったりすることを、私たちは日々実感しています。
エピソード:PICUの現場から
「触れて、声をかけて」――家族の不安に寄り添う一言(看護師A)
鎮静中で点滴など多くの管が装着されている場面では、家族は「触ってもいいのか」と戸惑われることは少なくありません。そんなご家族に対して、「触ってあげてほしいです。声も聞こえていますから、ぜひ声をかけてあげてください。会話がなくても、同じ時間を共有することが大切だと思います」とお伝えすると、お母さんは「私もそう思っていました。そう言ってくれてありがとう」と安心した笑顔を見せてくださいました。
不安の中でも、こどものわずかな変化に喜びや安心を感じる姿を目にし、こどもと家族が互いに思い合い、支え合っていることを強く実感しました。
回復の合間に見えた「その子らしさ」を見逃さない(看護師B)
PICUには、生命の危機的状況にあるこどもたちが多く入室します。困難な状況を乗り越え、徐々に医療機器が外れ、開眼や体動がみられるようになるなど、回復していく姿を間近で見守れることは大きな喜びです。また、回復の過程でそのこどもらしい表情や反応といった個性が少しずつ表れてくる様子に触れられることは、こどもの成長と回復に寄り添えるPICUならではのやりがいだと感じています。
病状や鎮静剤の影響でこども自身の意思表示が難しい状況であっても、家族からその子らしさを教えていただき、一緒に声かけやポジショニングを行うことで、こどものわずかな反応や変化を共有できることがあります。そのような関わりを通して、家族とともにこどもの頑張りを支えられることに大きな喜びを感じています。


小児医療の難しい点は、免疫機能が未熟なため、進行が早く、急変しやすいことです。特にPICUにおいては日々、一分一秒を争う対応を迫られています。
そんな中でも、こどもたちの機微を一つでも多く見守ったり、病状に戸惑うご家族の気持ちに寄り添う時間をもっと増やしたいのに、目の前の医療機器の確認を優先しなければならず、こどもやご家族に十分寄り添いきれていないと感じることも少なくありません。
どうすれば1分でも長く、こどもやご家族に寄り添う時間をつくれるのか。私たちは、確認作業によって大きく時間を割いている部分にその道があると考え、この度「スマートポンプ」の購入を目指すことにいたしました。
スマートポンプとは従来の輸液ポンプとは異なり、医師や看護師が電子カルテに入力した薬剤投与量が、自動で反映されるようになるものです。
現在は、こども1人あたり十数台にも及ぶ輸液ポンプ1台ずつの流速確認やカルテとの照合、調整の全てが手作業によって行われています。1人の看護師が確認作業に費やす時間は、1時間のうち30~40分を要しています。スマートポンプの導入によって、夜間や緊急時でも一貫した安全投与が可能となるのはもちろん、その確認時間が大幅に削減され、目の前のこどもやご家族に寄り添うことができるようになります。

写真左奥に連なる機材が輸液ポンプです。一台ずつ異なる薬剤が繋がれており、その数は10〜20台に及びます。現在はこれら一台一台に対して、一時間に一回の投与量計算・設定変更などを行う必要がありますが、スマートポンプになると、カルテに入力した情報が自動で輸液ポンプに反映され、設定変更の手間が大幅に削減されます。



スマートポンプは高額な医療機器で、神奈川県立こども医療センターのPICU10床に必要な台数を確保するには、総額6,000万円が必要です。中でも、特にスマートポンプを要するのは、心臓外科手術を行う小児患者です。一人に20台以上もの輸液が繋がれることもあるこどもたちを中心に、スマートポンプを届けるとしても、最低2,000万円を要します。
昨今の物価高の中、全国的に病院経営の厳しさは増しており、当センターも例外ではありません。他にも必要な医療機器の更新や購入があとを絶たない中、私たちだけで購入をすることは難しく、皆さまに広くご支援をいただきたいと考えました。
命と心に寄り添う医療は、決して病院の中の人間だけで解決できるものではなく、現に私たちはボランティアさんやホスピタル・ファシリティドッグ®など、さまざまな方の力をお借りしています。
治療に励むこどもたちとそのご家族を、よりたくさんの方からのあたたかいエールで包み込めたなら。病院の外にも応援してくださる方がいると知れることは、こどもたちやご家族、また私たちにとって、大きな力になると考えたことも、クラウドファンディングに挑戦する理由の一つです。
小 児外科医として出生前から成人化に至るこどもの医療に取り組んでまいりましたが、その中で小児外科の師に教わり、また自分でも強く感じてきたことがあります。
こどもは家庭の中で育まれ、成長しつつ病気と向き合い、そして大人になって次の世代の家庭を作ってゆきます。こどもの病気によって家庭や家族が崩壊しないように支え、こどもの順調な成長を医療面から見守り、そしてこどもが社会に巣立ってゆくのを後押しする、これら全てがこどもの医療を担う者の役割であると考えています。(故黒田達夫前総長より/こども医療センター地域医療連携室だよりVOL.51から一部抜粋)
昨年2025年10月に永眠された故黒田達夫前総長の言葉と志同じく、これからも私たちPICUの職員をはじめ、神奈川県立こども医療センター一同は、一人でも多くの小さな命を救うと共に、こどもたちやご家族の心にも寄り添うために、懸命に取り組んでまいります。どうぞあたたかいご支援、ご協力をお願いいたします。
プロジェクト概要
【スケジュール】
2026年3月~5月:クラウドファンディング実施
2026年7月:READYFORよりご支援金の振込
2026年12月:入札・契約(予定)
※2027年1月の電子カルテ更新時期までの導入を目指します
【資金使途】

第一目標金額:2,000万円
・PICU病棟へのスマートポンプの導入費用(3床分)
第二目標金額:6,000万円
・PICU病棟へのスマートポンプの導入費用(10床分)
※本プロジェクトはAll in形式となり、ご支援総額が期日までに第一目標金額に満たない場合でも、実行者は期日までにいただいた金額を受け取り、PICU3床分の導入を実施いたします。第二目標金額に関しては、集まった金額によって導入台数を縮小する可能性がございますが、全額スマートポンプの導入費用に当てさせていただきます。



救急・集中治療科/部長 林 拓也
神奈川県立こども医療センターのPICUは、神奈川県全域の重症な小児患者の治療にあたっています。
先天的に心臓に病気を持っているお子様や生後早期に手術が必要なお子様は、手術後には多くの点滴が必要で、まだ体も小さく投与する薬剤も微量なため、絶えず点滴ポンプの流量を変更しなければなりません。そのため、看護師は、電子カルテでのポンプの流量変更や毎時間きちんと必要な薬液が注入されていることを、細心の注意を払って確認しています。スマートポンプを導入することで、薬剤投与の確実性が保証されるほか、確認作業を軽減することができるため、患者様の治療をより安全かつ正確に行うことができます。
今回のプロジェクトを通して、大きな手術で不安に思っていらっしゃるご家族に寄り添う時間を増やし、心臓病のお子様、そのご家族の方へ少しでも幸せを届けられたらと考えています。ご協力よろしくお願いいたします。

看護局/副看護局長 岩佐 美可
PICUの看護師は、痛みや苦しみを言葉で伝えられないこどもたちの小さな変化や表情などに気づき、命を守るために24時間体制で質の高い看護を提供しなければなりません。
高度な医療を安全に提供しながら患者・ご家族に寄り添う看護を両立するためには、薬剤投与の安全・正確性を支える医療機器の整備が急務です。スマートポンプを導入することで、小児集中治療を支える以下の看護の価値を生み出すことができると考えています。
・医療DXによる精度・効率化:より安全な投薬管理や看護の質の保障が可能になります。
・ “寄り添う看護”の時間創出:確認作業を減らし、「人にしかできない寄り添う看護」により多くの時間を注ぐことができます。
どうか皆さまのあたたかいご支援で、こどもたちとご家族により安全で安心できる医療と看護へのお力添えをお願いいたします。



本プロジェクトへのご寄附は、寄附金控除の対象となります。(当センターが所属する地方独立行政法人神奈川県立病院機構は、所得税法施行令第217条第1号の2、法人税法施行令第77条第1号の2及び租税特別措置法施行令第40条の3第1号の3に掲げる特定公益増進法人の認定を受けています。)
寄附金領収証は、READYFOR株式会社から神奈川県立こども医療センターに入金がある2026年7月の日付になります。また、2026年9月末までに寄附者さまへ送付します。
所得控除の対象となります。
横浜市在住の場合、税額控除の対象となります。その他の市町村在住の場合は、各自治体へお問い合わせください。
神奈川県在住の場合、税額控除の対象となります。その他の都道府県在住の場合は、各自治体へお問い合わせください。

▽ご寄附の前に、利用規約を必ずご一読ください。
▽ご寄附確定後の返金やキャンセルは、ご対応致しかねますので、何卒ご了承ください。
▽ページに使用しているお写真は全て掲載許諾を得ています。
▽寄附金領収書のお名前は、ギフトお届け先にご登録いただいたお名前となります。ご寄附後にアカウント情報を変更した場合でも、ご寄附時に入力したお届け先の宛名と住所は変更されません(個別にご連絡いただかない限り、原則としてご寄附時に入力いただいた宛名と住所に寄附金領収書をお送りさせていただきます)のでご注意ください。
▽ご寄附完了時に「応援コメント」としていただいたメッセージは、本プロジェクトのPRのために利用させていただく場合がございます。あらかじめご承知おきください。
▽ご寄附に関するご質問はこちらをご覧ください。
▽本プロジェクトのギフトのうち、【お名前掲載】に関するギフトの条件詳細については、こちらのページの「●命名権、メッセージの掲載その他これに類するリターン」をご確認ください。
▽注釈
※1:ホスピタル・ファシリティドッグ®は、認定NPO法人シャイン・オン・キッズの登録商標です。
