ブラウブリッツ秋田 写真:アフロスポーツ ブラウブリッツ秋田が目指す新スタジアムの整備計画を巡っては、クラブ、秋田県、秋田市の足並みが乱れている模様。秋田市の沼谷純市長が2月20日の市議会代表質問で三者協議について「県が市に対し単独で整備主体や施設保有者となることを求めている状況では参加できない」と述べ、現状の枠組みでは協議に加わらない考えを明らかにしているが、その裏でファジアーノ岡山の新スタジアム建設計画との比較にも注目が集まっている。
こうした中、秋田市議の若松尚利氏がXで言及したのが「岡山との単純比較」への違和感だ。若松氏は、一部で出ている「岡山ができるなら秋田も早く整備すべきだ」という論調について、「筋が良くない」と指摘。その根拠として挙げたのが、観客動員や商圏規模の違いである。
若松氏によれば、両クラブはいずれも陸上競技場を本拠とし、観戦環境に課題を抱えている点は共通している。しかし、平均観客数では岡山が秋田の約3倍、収容率にも大きな差があり、さらにスタジアムから50キロ圏内の人口規模は岡山が約4倍にのぼるという。つまり、同じ約200億円規模の事業費を投じるにしても、前提となる市場規模や集客ポテンシャルが大きく異なるという見立てだ。
スタジアム整備は単なる施設更新ではなく、将来的な維持管理費や周辺開発も含めた都市政策の一環となる。岡山の事例が前向きに語られる一方で、秋田においては人口動態や財政状況を踏まえた慎重な議論が不可欠だというのが若松氏の主張といえる。
新スタジアムはクラブの成長戦略であると同時に、自治体にとっては長期的な投資判断でもある。岡山との比較が議論を活性化させる材料となるのか、それとも拙速な判断を招くのか。秋田に求められているのは、他地域モデルの単純な横展開ではなく、地域特性に即した現実的な整備構想だ。
