
2025年11月14日、米連邦準備理事会(FRB)ビルで撮影。REUTERS/Elizabeth Frantz/File Photo
[ワシントン 10日 ロイター] – 米連邦準備理事会(FRB)は9─10日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)でフェデラルファンド(FF)金利誘導目標を0.25%ポイント引き下げ、3.50─3.75%とすると決定した。利下げは9月と10月に続き、3会合連続。ただ、インフレは依然としてやや高止まりしているとし、労働市場と物価情勢を見極めるため利下げを一時停止する可能性を示唆した。パウエルFRB議長はFOMC後の記者会見で「政策金利を(合計で)今年9月以降0.75%ポイント、昨年9月以降では1.75%ポイント引き下げた結果、政策金利は推定される中立金利のレンジ内にあり、今後の景気動向を見極めていく体制は整っている」と述べた。
パウエル氏は「金融政策はあらかじめ決められた道筋にあるわけではなく、会合ごとに判断を下していく」と改めて言及。同時に「新たな金利・経済見通しに基づくと、次の動きが利上げになる可能性は低い」とし、「利上げが誰にとっても基本シナリオだとは思わない」と語った。
物価情勢を巡っては、トランプ大統領による輸入関税の引き上げが大きな要因となり、インフレ率がFRBが目標とする2%を上回っていると指摘。インフレ率が目標を上回っている理由の大半は関税によるもので、その影響は「一時的な価格上昇にとどまる」との見方を示した。
FRBはFOMC声明で、「FF金利の目標誘導レンジに対する追加調整の程度と時期を検討するに当たり、委員会は今後もたらされるデータ、変化する見通し、リスクのバランスを慎重に評価する」と表明。FRBは過去にこうした文言を政策変更の一時停止を示唆する際に使用している。
声明は、経済活動は「緩やかなペースで拡大している」と指摘。労働市場については、「雇用の伸びは今年鈍化し、失業率は9月までやや上昇した」とし、失業率は「低水準」とするこれまでの表現が削除された。
また「インフレ率は今年初めから上昇し、依然やや高止まりしている」とし、「経済の見通しを巡る不確実性は依然として高水準にある。委員会は2つの使命の両面に対するリスクを注視しており、雇用に対する下振れリスクがここ数カ月間で高まったと判断する」とした。
<ドットチャートは26年と27年にそれぞれ1回の利下げ示唆>
FOMCに合わせて公表された参加者の政策金利見通し(ドットチャート)によると、2026年に0.25%ポイントの利下げが1回行われる見通し。9月のFOMCで公表された前回のドットチャートから変化はなかった。27年についても0.25%ポイントの利下げが1回行われるとの見通しが示された。
また、6人の政策担当者は今回の利下げを見込んでいなかったことと、7人が来年は利下げはないとみていることが示された。
インフレ率については26年末までに約2.4%に鈍化するとの見通しが示されたほか、経済成長率はトレンドを上回る2.3%に加速し、失業率は4.4%と緩やかな水準にとどまるとの予想が示された。
B・ライリー・ウェルスのチーフ市場ストラテジスト、アート・ホーガン氏は「今回の利下げは明らかにタカ派的だった」と指摘。「ドットチャートで6人が今回の会合で利下げを見込んでいなかったことが重要だ」と述べた。
<メンバー3人が反対>
今回の政策決定は9対3。ミラン理事が0.50%ポイントの利下げを主張した。カンザスシティー地区連銀のシュミッド総裁が前回会合に続き金利据え置きを主張し、今回はシカゴ地区連銀のグールズビー総裁も据え置きを主張した。
トランプ大統領は今後数週間以内にパウエル議長の後任を指名すると予想される中、FRB内のコンセンサスを得ることがいかに困難であるかが示された。
今後の金融政策がどのように展開するかは、10月から43日間続いた政府閉鎖の影響で発表が遅れている経済指標にかかっている。
11月の雇用統計とインフレ率は来週発表され、その後第3・四半期の経済成長率の3次推計が発表される。
ブラックロックのグローバル債券担当最高投資責任者で、トランプ大統領がパウエル議長の後任として検討している候補者5人の1人であるリック・リーダー氏は「FOMCのコンセンサスが得られていないこと、伝統的な経済指標の発表が遅れていること、2026年の早い時期に新議長が就任することを考慮すると、FRBはしばらく政策を据え置く可能性が高いと考える」と述べた。
A line chart with the title ‘Where investors think the Fed is headed’
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