長崎県美術館(長崎市出島町)で「ながさきピース文化祭2025 皇室の名品と長崎―皇居三の丸尚蔵館収蔵品展」が9月14日から開催されます。
第40回国民文化祭、第25回全国障害者芸術・文化祭「ながさきピース文化祭2025」にあわせて開催する本展は、皇室ゆかりの美術工芸品などを収蔵・展示する皇居三の丸尚蔵館の収蔵品を中心に構成されます。
とりわけ本展では、明治時代以降の長崎ゆかりの美術を収集、展示してきた長崎県美術館の活動に鑑み、約6,200件に及ぶ皇居三の丸尚蔵館の収蔵品の中から、すぐれた風景画家として名をのこした長崎市出身の洋画家、山本森之助の作品や、荒木寛畝の養子となって近代の日本画壇を牽引した大村市出身の荒木十畝の作品など、近代以降の長崎ゆかりの美術の一側面を物語るような名品の数々が並びます。
また展示会場の後半には特別展示として、鎌倉時代の二度にわたる元寇を題材とし、海外交流史の上でもきわめて重要な作品として知られる国宝《蒙古襲来絵詞》が公開されます。長崎県では壱岐市、対馬市等において古戦場周辺の発掘調査が継続して実施されているほか、1980年に初めて水中調査が実施されて以来継続的に調査が重ねられている松浦市では、2024年10月にも3隻目となる元軍沈没船が確認されるなど大きな注目を集めています。本展では参考資料として松浦市教育委員会が所蔵する出土遺物《てつはう》も展示されます。
本展は今日まで大切に受け継がれてきた皇室ゆかりの名品の数々を通して皇室文化の精華にふれるとともに、地域の文化を見つめなおす契機となるでしょう。
ながさきピース文化祭2025
皇室の名品と長崎―皇居三の丸尚蔵館収蔵品展
会場:長崎県美術館 常設展示室 第1・2室
(長崎市出島町2番1号)
会期:2025年9月14日(日)~10月19日(日)
開館時間:10:00~20:00(最終入場は閉館30分前)
休館日:9月22日(月)、10月14日(火)
観覧料:一般 420円/大学生・70歳以上 310円/高校生以下 無料
※各種障害者手帳等の提示者および介護者1名は無料
問い合わせ:TEL 095-833-2110
アクセス:路面電車「出島」電停 徒歩3分「メディカルセンター」電停 徒歩2分
JR長崎駅から徒歩15分/長崎自動車道・長崎ICから車で約5分
公式SNS:X(旧Twitter) Instagram Facebook YouTube
展覧会詳細は、長崎県美術館公式サイトまで。
本展のみどころ
1.国宝《蒙古襲来絵詞》をはじめとする珠玉の作品群
日本の海外交流史においてきわめて重要な視覚資料として名高い国宝《蒙古襲来絵詞》(※前巻)をはじめとする名品の数々が展示されます。本展では《蒙古襲来絵詞》のなかでも最も著名である、てつはうを投じ矢を射るモンゴル軍と日本兵の交戦を主題とした場面を展示します。松浦市教育委員会が所蔵する出土遺物「てつはう」とあわせて鑑賞することができます。
国宝《蒙古襲来絵詞》前巻(部分)、鎌倉時代(13世紀)、紙本着色、国(皇居三の丸尚蔵館収蔵)
《てつはう》(鷹島海底遺跡出土遺物)、元時代(13世紀)、松浦市教育委員会
2.坂本龍馬の手紙から精細な工芸品まで、豊かなバラエティ
皇居三の丸尚蔵館が収蔵する作品は絵画、彫刻、工芸、書跡、写真などじつに多彩な分野に及びます。本展においても、若き坂本龍馬が姉に宛てた手紙から、皇室に献上するため技巧の精を尽くして制作された工芸品に至るまで、様々なジャンルの作品をお楽しみいただけます。
重要文化財《萬国絵図屏風》、安土桃山~江戸時代(17世紀)、紙本着色、国(皇居三の丸尚蔵館収蔵)
坂本龍馬《書状(乙大姉宛)》江戸時代・文久3年(1863)、紙本墨書、国(皇居三の丸尚蔵館収蔵)
高橋由一《織田信長ひそかに密勅を五老臣に示すの図》明治26年(1893)、油彩・カンヴァス、国(皇居三の丸尚蔵館収蔵)
江崎栄造《玳瑁冠棚》大正13年(1924)、玳瑁・金銀象嵌、国(皇居三の丸尚蔵館収蔵)
3.名品で味わう、近代以降の「長崎ゆかりの美術」
長崎県美術館は開館以来、「長崎の美術」シリーズを中心に、近代以降の長崎ゆかりの美術の顕彰につとめてきました。こうした長崎県美術館の活動に鑑み、本展では長崎の近代美術の一側面を物語るような名品の数々が並びます。
初期官展を代表する風景画家として知られた山本森之助が献上品として制作した優品や、大村市出身の日本画家・荒木十畝とその師である荒木寛畝の共演など、長崎県美術館で開催する本展ならではのラインナップとなっています。
山本森之助《夾竹桃》大正3年(1914)、油彩・カンヴァス、国(皇居三の丸尚蔵館収蔵)
荒木寛畝《桜に山鳥図額》明治17年(1884)、絹本着色、国(皇居三の丸尚蔵館収蔵)
本展では、2021年に国宝指定を受け、歴史の教科書などでもおなじみの《蒙古襲来絵詞》をはじめ、坂本龍馬が姉に宛てた人間味あふれる書状や異国情緒漂う《萬国絵図屏風》など、長崎を舞台とする歴史ロマンをイメージさせる名宝がズラリ。また、荒木寛畝や山本森之助など長崎ゆかりの近代画家たちが手掛けた名画の数々も見逃せません。芸術の秋に、ぜひ、皇室に受け継がれてきた美の精華をじっくりと堪能してみてはいかがでしょうか。これだけの名品が揃って、入場料がワンコイン以下と財布に優しいのも嬉しいところです。(美術展ナビ)
