木簡の名刺いかが 「万葉仮名」や「女手」使い - 奈良市美術館ワークショップ

「木簡で名刺作り」のワークショップが行われた=8月31日、奈良市二条大路南1の市美術館

 奈良市二条大路南1丁目の市美術館で8月31日、奈良時代の万葉仮名や、「女手(おんなで)」と呼ばれる平安時代に女性が用いたとされる平仮名を使って、木簡による「名刺作り」のワークショップがあり、子どもからお年寄りまで、多くの人が参加した。

 同館で同日まで開催された「シルクロードの暮し-絨毯(じゅうたん)、茶道そして建築」の関連イベント。中国が起源の漢字は古代、日本にその文化が伝わり、万葉仮名、さらに万葉仮名を草書風に書き崩して簡略化させた平仮名へと、独自の進化を遂げてきた。

 木簡で名刺を作るイベントでは、奈良教育大学の橋本昭典教授(57)=中国思想=と北山聡佳准教授(40)=かな書道=がそうした歴史を解説。参加者は古代、墨で文字を書くために使われた短冊状の板(木簡)に、丁寧に文字を書き込んでいった。

 最近では習字の際にも墨汁を使うのが一般的だが、この日は硯(すずり)を使って墨づくりから。使う文字は「万葉仮名」か「女手」のいずれかで、配られた「手本」の文字を参考に、紙で練習してから木簡にチャレンジしていた。

 橋本教授によると、中国では古くは三国時代から木簡による名刺が使われていたといい、多くは墓から見つかっているというが、日本国内では木簡の名刺は見つかっていないという。

 ワークショップは午後から2度行われ、大阪市の会社員小林健治さん(28)は「偶然立ち寄って面白そうだと思い参加しましたが、文字の歴史とか聞けてなかなか楽しい経験になりました」。奈良市の中学1年生浅野聡さん(13)も「歴史の話が面白く、分かりやすかった」などの感想が聞かれ、好評だった。

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