米国とロシアがウクライナ停戦協定の締結を目指して進めている交渉では、ロシアが軍事侵攻によって占領した領土を確定する形となる見通しだと、事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

  非公開情報であることを理由に匿名で語った関係者によると、米ロ両政府の当局者は、早ければ来週に開催される見通しの首脳会談に向けて、協議対象となる領土に関する合意の構築を進めている。確定にはほど遠い段階にあるが、米国はウクライナおよび欧州の同盟国からの同意を取り付けるべく調整を進めているという。

関連記事:トランプ米大統領、プーチン氏と会う用意-ゼレンスキー氏抜きでも

  ロシアのプーチン大統領は、2014年に併合したクリミアに加え、ウクライナ東部ドンバス地方を割譲するようウクライナに要求している。そうなればウクライナのゼレンスキー大統領は、現在もウクライナ側が掌握しているルハンシク州およびドネツク州の一部地域から部隊を撤退させる決断を迫られることになる。結果としてロシアは、2022年2月の全面侵攻開始以来、軍事的手段では達成できなかった勝利を外交交渉によって手にすることになる。

  このような合意は、自ら始めた戦争の終結条件を米国と直接交渉することを長らく求めてきたプーチン氏にとって、大きな勝利を意味する。一方でゼレンスキー氏は、自国領土の喪失を受け入れるか否かという厳しい二者択一を迫られることになる。欧州では、ロシアが軍備を再構築するなか、停戦監視の役割を委ねられるのではないかとの懸念が広がっている。

  関係者によると、検討されている合意案には、ロシアがウクライナのヘルソン州およびサポリージャ州における現在の前線で攻撃を停止することが含まれる見通し。ただ、合意の条件や計画は依然として流動的であり、今後変更される可能性があるという。

Donald Trump and Vladimir Putin in 2016.

トランプ米大統領とロシアのプーチン大統領(2016年)

Photographer: Chris McGrath/Getty Images

  ロシアが現在占領している地域の一部、特にサポリージャ原子力発電所を含む領土について、放棄に応じる用意があるかどうかは不明だ。

  ホワイトハウスはコメントの要請に応じていない。ロシア大統領府のペスコフ報道官も直ちには取材に応じなかった。ウクライナ政府も、この合意案に関するコメントを控えている。

  関係者によると、今回の合意案は戦闘の停止を図り、停戦および恒久的な和平合意に向けた技術的協議への道筋をつけることを主眼としている。

原題:US and Russia Plan Truce Deal to Cement Putin’s Gains in Ukraine(抜粋)

(第4段落以降を追加して更新します)

Share.