はらぺこライターの旅人間です。水族館といえば巨大水槽や“日本一”といった言葉が注目されがちですが、香川県には派手さよりも展示の“魅せ方”にこだわった、とっても面白い水族館があります。

今回は取材で約1時間の自由時間をいただいたが、まったく足りなかった。規模は決して大きくないが、一つひとつの水槽が本当に楽しいんです。

ここは「四国水族館」。瀬戸大橋を渡りきれば、もうすぐそこ。四国の玄関口にあって立地も抜群。四国を旅するときに覚えておいて損はないでしょう。

四国水族館のみどころ

この水族館の見どころはなんといっても、水槽ごとの存在感だ。

回遊魚たちが力強く泳ぐ大水槽「綿津見の景」、鳴門海峡の渦をまるで海中からのぞいているような感覚を味わえる「渦潮の景」、シュモクザメを下から見上げられる「神無月の景」、そして展示演出が際立つ「太平洋ゾーン」など。

さらに、イルカやペンギン、アシカ、アザラシたちもいて、それぞれに個性が光る。どの水槽も見応えがあり、つい足を止めて長居してしまうほどだ。

大水槽「綿津見の景」大水槽「綿津見の景」

例えば、世界三大潮流に数えられる”鳴門のうずしお”を水中観覧船からのぞいたイメージで再現した「渦潮の景」は人気の写真スポットにもなっている。

「渦潮の景」「渦潮の景」

渦の中は意外と穏やかで、ここではどんな魚が泳いでいるのかの解説もありますよ。

そして、私が一番驚いたのは、シュモクザメを下から見上げられる「神無月の景」の水槽だ。シュモクザメは、頭部がT字型で鐘を打つ撞木(しゅもく)のような形をしていることから名付けられた魚。

下から見上げると、その独特のシルエットが水槽の光に浮かび上がり、なんとも幻想的な光景が広がっていた。ここには、ゆったり腰掛けて見上げられるイスが用意されていて、ほんのりアロマの香りも漂っている。まさに癒しの空間だ。

気がつけば、ここだけで10分以上も過ごしていた。演出がとにかく素晴らしい。

「神無月の景」「神無月の景」

ただ、シュモクザメは写真を撮るのが少し難しい。水槽内は照明がやや暗めなので、スマホだとブレやすいからだ。写真をしっかり撮りたいなら、一眼レフやミラーレスカメラを持っていくと安心です。

館内は写真に撮りたくなるようなスポットはとにかく多いです。

水族館のスタッフさんに案内してもらって、特に驚いたのがアオリイカの赤ちゃんの展示だ。こんなの、ほかの水族館ではまず見たことがない。

ほら、可愛いでしょ。

さらに、イイダコの赤ちゃんも展示されています。
小さな貝殻に身を隠しながら、そっとこちらをのぞいている姿がなんとも可愛らしい。

そして、この四国水族館で特に印象的だったのが、飼育スタッフさん手書きの解説板だ。
つい見逃してしまいそうな生きものの特徴を、温かみのあるタッチで伝えてくれている。各水槽の前に設置されていて、これがとにかく分かりやすい。

例えば「海中のお花畑の景」とあり…

その魚を一つ一つ探してしまう。

とても丁寧な絵で、見ているだけで親しみが湧いてくるのが良い。

この水族館ではマダライルカのプレイングタイムが人気だが、その前に「海豚ホール(イルカの水槽)」に立ち寄っておくのがおすすめだ。

この水槽の前にも飼育スタッフさん手書きの解説板があり、プレイングタイムに登場するイルカたちの「見分けるポイント」が描かれているからだ。

イルカたちの名前はアルファベット1文字で名付けられ、たとえば「J」は、背びれの後ろが少し欠けているのが目印だというのだ。

「そんなの分からないよ…」

と思いながらも実際に見てみると、これがちゃんと分かるんです。

事前にイルカの名前や特徴をチェックしてからショーを見ると、イルカへの愛着の湧き方もグッと変わるはずだ。

さて、今回私が見学したのは、イルカとトレーナーが楽しそうにさまざまなことに挑戦する「イルカプレイングタイム」だ。
このプログラムでは、イルカが持つ能力の一部を、遊びを交えながら分かりやすく紹介してくれる。

それにしても、この水族館では観客とイルカの間にアクリル板などの仕切りがなく、距離がとても近いのも特徴だ。

なお、これは補足情報になりますが、8月31日(日)までの期間は営業時間を延長して、夜の水族館『Nightscape こがねいろ 2025』が開催されています。

また、夕暮れ時に行われるサンセットプログラムでは、黄金色に染まる空を背景にイルカのシルエットが浮かび上がり、幻想的な光景が話題になっている。気になる方は、公式サイトもチェックしてみてほしい。

ペンギンもいます。

しかも、中央にはアクリル板のビュースポットも設けられているんですよ。

中に入って覗いてみると、見えたのはペンギンのお尻だけだったが、こののほほんとした空気感がなんとも癒されますね。

アザラシは表情がとっても可愛らしい。

アシカもスイスイと泳ぐ姿を披露してくれる。

ちなみに、この四国水族館では6月15日(日)、カリフォルニアアシカの赤ちゃんが誕生した。生まれた当初は母親から授乳がうまくできず、人工保育で育てられることになったが、現在はバックヤードで順調に成長しています。

一般公開の予定は決まっていませんが、今回は取材で特別に見せてもらうことができた。この夏休み期間のどこかで、公開される可能性が高そうです。詳しくは、公式サイトをこまめにチェックしてみてください。

音がするとスタッフの後ろにシャッと隠れたり、とっても可愛らしかった。

日本には数多くの水族館があり、それぞれに個性と見どころがある。四国水族館に関して言えば、冒頭で触れた通り“魅せ方”が素晴らしく、素晴らしい特徴だと私は感じました。身近な魚や海の生きものを、ありのままに、そして愛情たっぷりに展示している。

訪れると、なんだか心がぽっと温まる。そんな気分にさせてくれる水族館でした。

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取材協力:四国水族館

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