中国の国家安全省は18日、外国の情報機関が規制対象のレアアース(希土類)を盗み出そうとしたと非難した。中国は米国との貿易協議を踏まえてレアアースの輸出申請の審査に応じる姿勢を示しているが、密輸の抑止に引き続き取り組む意向を改めて示した。

  同省は特定の国名を挙げなかったが、外国の組織がレアアースを密輸しようと画策していたと指摘。中国政府はこれら資源を戦略資産と位置づけており、米国との関税交渉では交渉材料としても活用してきた。

  国家安全省は微信(ウィーチャット)に投稿した声明で、「近年、外国の情報機関と関係者が国内の違法分子と共謀し、郵送手段でレアアース関連物資を盗み出そうとしており、国家安全に重大な危険をもたらしている」との見解を示した。

  中国はレアアースやレアアース磁石の生産で世界的な優位性を持つ。米国では電気自動車(EV)などの製造に必要なレアアースの多くを中国に依存しており、フォード・モーターは中国による規制強化の影響で一部工場で減産を余儀なくされた。欧州連合(EU)も中国からの供給に依存しており、双方の間で緊張も深めている。

  国家安全省は、ある外国がレアアースを備蓄目的で不正に入手しようとしたのを阻止したと説明。「中国製ではない」と委託業者が偽って荷物を申告したり、製品の内容や成分を虚偽表示したりするなど、密輸の手口を明らかにした上で、市民に不審な活動について報告するよう呼びかけた。

  中国と米国は先月、通商協議の一環として一部の過激な関税措置を凍結することで合意しており、中国側は輸出許可の審査を進めると表明。米国側も、先端の人工知能(AI)半導体などの技術輸出規制を緩和する方針を示した。こうした歩み寄りにより、トランプ大統領と中国の習近平国家主席による首脳会談の実現にも期待が高まっている。

原題:China Spy Agency Accuses Foreign Agents of Stealing Rare Earths(抜粋)

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