公開日時 2025年05月18日 05:00
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米国の格付け
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琉球新報朝刊
【ニューヨーク共同】米格付け会社ムーディーズ・レーティングスは16日、米国の信用格付けを最上位の「トリプルA」から「ダブルA1」に1段階引き下げた。政府債務の拡大や金利上昇による国債の利払い費増加を理由に挙げた。米財政の悪化に対し資本市場が警鐘を鳴らした形だ。これで格付け主要3社がそろって米国に最上位の格付けを付与しない状況となった。
格下げを受け米国の長期金利は一時急騰。所得税減税の恒久化などを掲げるトランプ政権にとって逆風となる可能性がある。
一方、米財務省が16日発表した3月末時点の国別の米国債保有額で、中国は日本、英国に次ぐ3位に後退した。中国は2019年に日本に抜かれるまで最大の米国債保有国だった。市場では、トランプ関税への報復で中国が米国債を売却するとの観測があり、米中の緊張緩和が続かなければ「米国離れ」が進む可能性もある。
ムーディーズは歴代の米政権と米議会が「大規模な財政赤字と利払い費の増加傾向を転換させる措置について合意できていない」と指摘。現在検討されている財政に関する案では「財政赤字などを大幅に削減する結果を得られるとは考えていない」とし、政府債務と利払いの負担はさらに増える見込みだと説明した。
ただ将来の格付けの見通しは米国の信用力を背景に「ネガティブ」から「安定的」に変更した。
米国の格付けを巡っては、11年に米スタンダード・アンド・プアーズ(現S&Pグローバル・レーティング)が、23年にはフィッチ・レーティングスが、それぞれ最上位から1段階引き下げた。
ムーディーズは日本の格付けについては上から5番目で、米国より3段階低い「A1」とし、見通しを「安定的」としている。