台湾の投資家は、米国債に連動する地元の上場投資信託(ETF)から急速に資金を引き揚げている。以前はアジア最大の買い手だったが、潮目が変わった。

  台湾籍で最大の米債券ETF「元大米国政府20年期(以上)債券基金」には昨年、大量の資金が流入したが、今年1-4月期は計469億台湾ドル(約2200億円)の流出だった。「国泰20年期(以上)米国公債指数基金」など他の債券ETFでも同様の傾向が見られる。

  以前の需要は、保険商品関連の運用手段より高いリターンを求める個人投資家が支えていた。だが、安全資産と見なされていた米ドルと米国債の激しい相場変動を受け、この分野への投資意欲が後退した。

  一方、こうした大規模な資金流出は、台湾ドルが30年ぶりの大幅上昇を記録した時期と重なった。台湾当局が米国との貿易交渉を前進させるため台湾ドル高を容認するとの観測が広がっている。米ドル安を受け、輸出企業が米ドル建ての利益を急いで本国に送金したことも、台湾ドル高に拍車をかけた。

  ドイツ銀行の為替調査グローバル責任者ジョージ・サラベロス氏はリポートで、ETF売却収入は「台湾に還流したとみられ、台湾ドルが記録的な上昇となったタイミングと一致した」とした上で、これは「アジア通貨で購入された米ドル建て資産が還流する兆し」を示すものだと分析した。

原題:Taiwan Investors Retreat From US Bond ETFs After Buying Streak(抜粋)