日本銀行が1月23 、24日に開いた金融政策決定会合では、発足直後だったトランプ米政権の政策に対する楽観的な見方が政策委員内では大勢で、昨年7月以来の利上げを決めた根拠の一つになっていたことが分かった。25日に議事要旨を公表した。

  1月20日のトランプ米大統領の就任演説の直後に開かれた会合で、米新政権発足という大きなイベントを無事に通過し、市場が落ち着いている状況は、「政策金利の変更を検討する上で適切な環境である」と複数の政策委員が指摘。新政権の政策を踏まえても、米国経済は先行きも成長が続くとの見方は不変だとの見解を示した。

Bank of Japan Headquarters

日本銀行本店

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  1月の利上げ以降も良好な賃金・物価関連のデータなどが続き、市場では利上げペースを前倒しする動きも見られたが、その後のトランプ米政権の関税措置などを踏まえて日銀は今月19日の会合で金融政策の維持を決定。植田和男総裁は記者会見で「海外発の不確実性が急速に高まっている」と警戒感を示しており、認識の変化がうかがえる。

  一方で1月会合では、米国のインフレ再燃と世界的な貿易摩擦の激化が同時に起こり、スタグフレーション型シナリオとなる可能性もあると1人の委員が主張。日本経済について「単に緩和度合いを強くしておけば乗り切れるという状況ではない」と述べた。

政策運営

  会合では政策金利を0.25ポイント引き上げ、17年ぶりの0.5%程度とすることを賛成多数で決めた。新たに示した経済・物価見通しが実現していけば、利上げで緩和度合いを調整していく方針を維持した。植田総裁は会見で、今後の利上げは予断を持たずに毎回の会合で判断していく考えを表明した。

  先行きの金融政策運営については、日銀の経済・物価見通しが実現していけば、それに応じて引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことが適当との見方で一致した。1人の委員は、物価上振れリスクが膨らんでおり、金融緩和の度合いを適時・段階的に調整していくことが適当だと指摘した。

  過度な緩和継続期待の醸成による円安の進行や、金融の過熱を避ける観点から、金融緩和の度合いを調整することも必要だとある委員は指摘。1人の委員は、利上げペースやその到達点を示すターミナルレートを示唆することに「極めて慎重であるべきだ」と述べた。

(詳細を追加して更新しました。)

Share.