都内であった上映で舞台あいさつに立つ(左から)毛利さん、武藤さん、木綿子さん(C)2023テレビ朝日・フレックス都内であった上映で舞台あいさつに立つ(左から)毛利さん、武藤さん、木綿子さん(C)2023テレビ朝日・フレックス
 全身の筋肉が徐々に衰える難病・筋
萎縮(いしゅく)
性側索硬化症(ALS)の男性患者の挑戦を追ったドキュメンタリー映画「NO LIMIT, YOUR LIFE」が31日、福岡市早良区の西南学院大で上映される。監督を務めた同大卒の毛利哲也さん(48)は「『人は何のために生きるのか』。この映画を通じて考えてほしい」と来場を呼びかける。(鶴田明子)

 毛利さんは福岡県宗像市出身で、1998年に同大経済学部を卒業。山口県のテレビ局で記者兼カメラマンとして働き、現在は東京の映像制作会社に勤めている。社会人1年目に父親を病気で突然亡くしたことが、その後の医療分野への取材につながった。 ALSは、体を動かす神経に異常が生じて全身の筋肉が徐々に衰える進行性の難病で、根本的な治療法は見つかっていない。毛利さんがALSの取材を始めたのは、2013年。40歳代の女性患者との出会いがきっかけだった。 延命治療を選ばなかった女性は、取材から1年後に他界。最期まで自分らしく生き抜いた姿に心を打たれた一方で、治療法がない現状にもどかしさを感じた。女性の霊前で「治療法が見つかるまで伝え続ける」と誓い、その後もライフワークとしてALSの取材を続けてきた。
 その中で17年、27歳の時にALSと診断を受けた武藤
将胤(まさたね)
さん(37)と、妻・
木綿子(ゆうこ)
さん(40)と知り合った。武藤さんも既に手足の動きが不自由になり、できないことが増えていく中でも、視線で操作可能なシステムを企業と開発して、DJとして音楽イベントを開くなど、諦めずに道を切り開いてきた。
 こうした武藤さんの姿に感化されて6年にわたり密着。撮りためた映像は450時間以上にもなった。編集した映像は、ドキュメンタリー番組としてテレビ放映されたが、未公開映像も世に届けようと、映画化を決めた。 映画は昨年に完成。作品では、自身のアパレルブランドを設立し、ALS患者でも着脱しやすい衣類の開発に取り組むなど挑戦を続ける姿や、木綿子さんが陰で支える様子などを99分にまとめた。配給会社の担当者も西南学院大の卒業生だったつてで、法学部の田村元彦准教授の講義内で上映することが決まった。 毛利さんは今も武藤さんの取材を続けている。「武藤さんの姿は、諦めなければ願いはかなうということを教えてくれる。彼の生きざまが若い人の羅針盤となれば」と語る。
 31日、同大の西南コミュニティーセンター1階ホール。午後5時20分から毛利さんによる講義があり、学外の人も聴講可能。上映は同7時からで、予約不要。学生と教職員は無料で鑑賞できる。一般1000円。問い合わせは、田村准教授のメール(
mtamura@seinan-gu.ac.jp
)へ。