様々な事情で中学を卒業していない人らが学ぶ宮崎県内初の公立夜間中学「宮崎市立ひなた中学校」が22日、宮崎市旭1の市教育情報研修センター内に開校し、10~70歳代の男女17人が入学、編入した。渡会洋一校長は「多様性を尊重し、安心して学び、過ごせる居場所としての学校にしたい」と話している。(伊藤和)宮崎市教育情報研修センターで行われた開校式・入学式宮崎市教育情報研修センターで行われた開校式・入学式 夜間中学は元々、戦後の混乱期に生活苦で小中学校に通えなかった人ら向けに設置されたが、近年は不登校などで十分学べないまま中学を卒業した人や、母国や日本で義務教育を受けられなかった外国籍の人が学ぶ場としての役割も期待されている。2016年に成立した教育機会確保法は年齢や国籍を問わず、希望者に義務教育相当の学習機会を提供するよう定めており、近年、全国各地で夜間中学の設置が進んでいる。

 宮崎市では市が設置主体となって開設を決定。平日の午後5時25分~9時に授業を行い、全課程を修了すれば中学卒業の資格が得られる。授業料は無料で、教科書も無償配布される。 17人の年代は10歳代4人、20歳代2人、30歳代1人、40歳代6人、60歳代1人、70歳代3人で、学年は1年が16人、3年が1人。在住地は宮崎市15人、綾町と西都市各1人。国籍は日本が14人、日本以外が3人。 入学した男性(60)は中学時代、登校するものの授業についていけず、自ら勉強する姿勢も十分ではなかったと感じていたという。そのことを後悔しており、還暦になったいま「学び足りない部分が多すぎる」と入学を決めた。「近年、戦争などで勉強したくてもできない人たちが多いと思う。そんな中で勉強させてもらえる環境があるなら一生懸命頑張りたい」と意気込む。 フィリピン出身の女性(47)は貧しかったため、小学校を卒業してから働いていたという。25年前に日本人の夫と結婚して来日し、子ども3人に恵まれた。日本語はスムーズに話せず、悔しい思いをしてきた。「日本語が下手で心配だけど頑張る。学校の全てが楽しみ」と笑顔をみせる。 22日は夕方から開校式・入学式があり、清山知憲市長が「学び直すための第一歩を踏み出された皆さんに敬意を表する。親睦を深めてほしい」とあいさつ。入学生を代表して、フィリピン出身の女性ら2人が互いに言葉をつなぎながら、「お互いの夢や思い、人生や文化を大切にし、個性や違いを認め合い、楽しく学び合えるような学校をつくっていく」と決意を述べた。

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