耐えがたい激痛で知られる尿路結石の主成分を白血球が積極的に食べて分解する様子を、人のiPS細胞(人工多能性幹細胞)を使って再現することに成功したと、名古屋市立大の岡田淳志准教授と岡田朋記・病院助教らのチームが発表した。予防薬の開発に役立つといい、国際科学誌に論文が掲載された。

 尿路結石は、腎臓でシュウ酸カルシウムなどの結晶が固まってできた直径約5ミリの結石が尿管に詰まり、背中や腰に強烈な痛みを起こす。国内では約1割の人が発症し、5年以内に半数以上の人が再発している。予防は、十分な水を飲んで結石が小さいうちに体外への排出を促す古典的な方法に頼っているのが実情だ。 チームは2007年、マウスを使った実験で尿路結石が自然に消える現象を発見。その後、体内で炎症を抑える「M2型マクロファージ」という白血球が結石の分解に関わっていることを突き止めていたが、人では確認できていなかった。 今回、チームは人のiPS細胞からM2型マクロファージを作製。結石の主成分のシュウ酸カルシウムを加えると、この物質を積極的に取り込み、分解する様子が確認できた。 人工的に作製できるiPS細胞は、創薬などで実験を繰り返せるのが長所だ。チームは今後、iPS細胞から作製したM2型マクロファージに様々な既存薬を加えて実験し、結石の分解をより促進するものを探す研究を進めるとしている。 木下秀文・関西医科大教授(腎泌尿器外科)の話「尿路結石の予防法は古くからほとんど進歩していない。マクロファージに結石を効率よく食べさせる薬などが開発されれば、尿路結石の画期的な予防法や、新たな治療法につながるだろう」

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