田中角栄元首相の半生を描いた音楽劇「THE SPEECH」が5月13日、さいたま市浦和区の埼玉会館で上演される。角栄の演説に焦点を当てた作品となっている。同市の観光大使でオペラ歌手の吉武大地さん(45)が座長を務める「劇団★ポラリス」の役者たちなどが、演説に歌と浪曲を組み合わせ、激動の昭和政治を生きた角栄の生きざまを演じる。(児玉森生)
角栄を演じる玉川さん(中央)(劇団★ポラリス提供) 「道路作りにはガソリン税だ。ガソリン税が必要なんだ」「法律っていうのは、たやすくは作れないんだよ。君の考えは無謀だよ、無謀」
3月下旬、東京・池袋の劇場地下のリハーサル室。衣装のスーツに身を包んだ役者たちが、劇中の歌を繰り返し練習していた。緊張した雰囲気の中、稽古は3時間以上続いた。 劇では、角栄の幼少期から総理になるまでを描いた。角栄役は、客演で浪曲師・玉川太福さんと吉武さんら劇団員が代わる代わる演じる。本人の肉声が流れる場面もある。 企画と脚本を手がけたのは劇団主宰の堀越信二さん(50)。コンビニ店で角栄を紹介する書籍を見つけ関心を持ち、動画で実際の演説を視聴した。独特の節回しと間の取り方に「まるで音楽だ」と衝撃を受けた。調べると、角栄が浪曲を得意としていたことも知った。そして「歌うように語る」(堀越さん)演説を通して角栄の人生を描く音楽劇の制作を決めた。
稽古する役者たち。座長の吉武さん(右から3人目)らが声を響かせる(東京都で) 原作は、演説をまとめた「田中角栄 心をつかむ3分間スピーチ」(小林吉弥著、ビジネス社)。2022年から都内や角栄にゆかりのある新潟県で上演してきた。これまで上演会場には、劇で登場する秘書のモデルとなった、元総理大臣秘書官の小長啓一さんや、角栄の説得で政界入りした山東昭子参院議員ら本人を知る関係者も訪れたという。 埼玉県内での公演は今回が初めて。吉武さんは「角栄が大切にした義理人情が感じられる舞台になった。若い人に見に来てほしい」と語り、堀越さんは「角栄の核の部分に迫る作品を目指した。社会情勢が当時と全く異なる今にこそ見てほしい」と話している。
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