熊本県五木村の木下丈二村長が、川辺川で国が計画を進める流水型ダムの建設容認を表明した21日、村民集会の参加者からは賛否の声が上がった。村の人口が1000人を下回る中、ダム受け入れを契機に「密接する関係事業の早期実現を確実なものにする」という判断に理解を示す意見が相次いだが、一部で村長の手続きの進め方に疑問の声も聞かれた。(内村大作、小波津晴香)
村民集会で意見を述べる参加者 五木東小体育館であった集会には約140人が集まった。木下村長がダムを前提とした村づくりを進める考えを示した。振興策や環境影響評価を巡る国や県とのやり取りも説明し、村民の意見表明も含め、集会は2時間に及んだ。
男性(69)は「反対と言っていても人がいなくなる。ようやく判断してもらい心強い」と意見を述べた。流水型ダムは環境と両立し、県南部の振興にはダムによる防災が必要と考えるようになったという。 水没予定地から移転し、ダム建設に反対する男性は「村全体で話し合い、意見を聞いた上で結論を出すべきだ」と訴えた。木下村長は「村長が責任を持って方向性を示すべきことだ」と説明した。
村は長年、ダム問題に
翻弄(ほんろう)
されてきた。集会後、建設業男性(76)は取材に「命を守るためには仕方がない。もう県に翻弄されないでほしい」と注文を付けた。村の観光案内に取り組む男性(78)は「本心は反対だが、反対しても進むだろう。国、県の振興策が村の活性化につながってほしい」と願った。
一方で、農業男性(67)は「村民が置き去りになっている。村長は判断にいたった経緯を丁寧に説明するべきだ」と話した。 村議会からは疑問の声が上がった。岡本精二議長は「振興に関する国、県の対応を精査している途中だった。事前のすりあわせもなく、なぜ結論を急ぐのか」と述べた。ダム対策調査特別委員長の早田吉臣議員は「国、県が示す振興策の財源や期限もはっきりせず、担保もない。今判断する必要があったのか」と疑問を呈した。今後、特別委を開いて対応を協議するという。
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