【ニューデリー=浅野友美、北京=吉永亜希子】インド洋の島国モルディブで21日に投開票された総選挙(一院制、定数93)で、親中国のモハメド・ムイズ大統領が率いる与党・人民国民会議(PNC)が単独で3分の2超の議席を獲得し、大勝した。複数の地元メディアが22日報じた。対中接近がさらに進みそうだ。
モルディブのムイズ大統領(2023年12月1日、アラブ首長国連邦・ドバイで)=ロイター 地元メディアは、少数与党だったPNCが改選前の4倍超の65議席以上を獲得すると報じた。一方、親インドの野党モルディブ民主党は11~13議席にとどまり、改選前の3分の1を割り込む見通しだ。
ムイズ氏は、中国に接近した2013~18年のアブドラ・ヤミーン政権でインフラ(社会資本)整備の担当閣僚を務め、中国の融資を受けて首都マレと空港島を結ぶ橋や、首都周辺の高層住宅の建設を主導した。今回の選挙戦でもPNCはインフラ整備推進を掲げており、外交筋は「政権が約束する開発の利益実現を国民が期待したのではないか」と分析する。 ただし、中国の融資でインフラ整備がさらに加速した場合、債務の膨張が懸念される。モルディブは今年2月、国際通貨基金(IMF)に「大幅な政策変更がなければ、対外債務に窮するリスクを今後も抱えるだろう」と警告を受けた。
インドの影響力はさらに低下しそうだ。昨年の大統領選でムイズ氏が掲げた公約に従い、海洋監視などのためにモルディブに駐留していたインド軍の撤退が進んでいる。インド洋の安全保障の観点からインドはモルディブを重視しており、主要紙タイムズ・オブ・インディアは「モルディブがさらにインドから離れる」と危機感を示した。 一方、中国外務省報道官は22日の記者会見で「モルディブの人々の選択を尊重し、各領域における交流や協力を拡大させる努力をする」と述べ、ムイズ政権との関係強化の方針を示した。
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