海上自衛隊の哨戒ヘリコプター「SH60K」2機が訓練中に太平洋で墜落した事故で、2機のフライトデータレコーダー(FDR)の初期段階の解析では、機内の音声記録に機体の異常を報告するやり取りがなかったことが、防衛省への取材でわかった。同省は2機が異常接近して衝突したとみており、操縦や安全管理の状況を調べている。
海上自衛隊の「SH60K」(海自ホームページから) FDRは機体の動きを記録する装置で、哨戒ヘリでは墜落して海中に沈んだ場合、水圧を検知し、機体から分離して浮き上がる。海自は事故後、2機のFDRを回収し、分析している。
木原防衛相は22日の記者会見で、「現時点で飛行中に機体に異常があったと示すデータは確認されていない」とした。原因については「分析中だが、それ以外の理由ということ。様々なことがありうる」と語った。
海自トップの酒井良・海上幕僚長も21日、「安全対策をしっかり取っていれば恐らく事故は起こらない」と説明した。海自は2021年に起きた哨戒ヘリの接触事故で、▽見張りの徹底▽飛行時に高度差を確保▽近接限度距離に配慮――などの再発防止策を示した。今後の調査では、こうした安全管理が適切に行われていたかが焦点となりそうだ。 墜落した2機は20日深夜、伊豆諸島・鳥島の東方約280キロで敵役の海自潜水艦を探知・追尾していた。現場では海自の幹部が部隊の技量を確認する「査閲」が行われていた。
海上自衛隊のヘリ2機が消息を絶ち、現場海域を捜索する海自護衛艦「すずなみ」(21日午前、伊豆諸島の鳥島東沖で、読売機から) 当時は、墜落した2機を含め計3機が活動しており、海自の事故調査委員会はもう1機の搭乗員らからも聴取する。 2機には計8人が搭乗しており、1人が死亡、7人が行方不明となっている。現場の水深は約5500メートルで、機体の主要部は海底に沈んでいるとみられる。海自は海洋観測艦も投入し、位置の特定を進める。
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