IT大手ヤフー(現・LINEヤフー)のデジタル広告配信事業を巡り、公正取引委員会は22日、独占禁止法違反の疑われる行為があったとして、米グーグルに行政処分を出した。公取委によるグーグルの行政処分は初めて。公取委はグーグルが7年以上もヤフーの取引を制限し、市場の公正さをゆがめた疑いがあったと判断した。
米IT大手グーグルへの行政処分について説明する公取委の中島上席(22日午後、東京都千代田区で)=永井秀典撮影 問題となったデジタル広告は「検索連動型広告」。インターネットで検索した語句に関連した広告をサイト上に表示する仕組みで、検索者の興味関心に応じた宣伝効果が期待できる。
発表によると、グーグルは2010年にヤフーと締結した契約に基づき、同広告などに関する技術を提供していたが、14年11月に契約を変更。遅くとも15年9月から22年10月の間、スマートフォンやタブレット向けの広告配信に必要な技術提供を取りやめ、ヤフーがウェブサイト運営会社にそれらの広告を配信するのを妨げた疑いがあった。 ヤフーは契約を締結した10年以降、同広告や検索エンジンの技術をグーグルに依存していた。グーグルが技術提供を取りやめた約7年間は、ウェブサイト運営会社との取引が困難になっていた。 公取委は、グーグルの行為が独禁法で禁じる私的独占や競争者に対する取引妨害などに当たる可能性があるとして、22年初夏に調査を開始。グーグルは同年11月にヤフーへの技術提供を再開していた。 ただ、公取委は市場での競争環境を確実に維持するには再発防止の徹底が必要だと判断し、この日、行政処分を出した。 処分は独禁法の確約手続きに基づく措置。18年12月に導入された同手続きでは、事業者が自主的に改善計画を提出し、公取委が実効性があるとして計画を認定する。行政処分である改善計画の認定を受けた事業者は独禁法違反となるのを免れ、排除措置命令や課徴金納付命令も受けない。同手続きの適用は19件目。 グーグルの改善計画には「ヤフーへの技術提供を制限しない」ことなどが盛り込まれ、公取委は今後3年間、グーグルの報告に基づき、計画の実施状況を監視する。計画を順守しなければ、公取委は調査を再開できる。 グーグルは「当該行為は違反とは認定されていない。計画を確実に履行し、今後も価値のある検索サービスを提供していく」とコメント。LINEヤフーは取材に「本件に関するコメントは控える」とした。
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