小林製薬(大阪市)が「
紅麹(べにこうじ)
」成分入りサプリメントを巡る健康被害を公表してから22日で1か月となった。健康被害が起こる仕組みの詳細がわからない中、神戸大病院(神戸市)が関連病院を含めた計5病院で、サプリを摂取した患者のデータを解析した結果、9人中5人で腎臓の機能低下が認められた。

小林製薬「紅麹」問題、社外取締役への報告は社長報告から43日後…コーポレートガバナンスに課題

3月29日に開いた記者会見で質問に答える小林製薬の小林章浩社長(左から2人目)3月29日に開いた記者会見で質問に答える小林製薬の小林章浩社長(左から2人目) 同病院腎臓内科の藤井秀毅准教授は「どんな治療が効果があったかなど症例を蓄積することには大きな意義がある」と考え、データを集め始めた。

 18日時点で同社の紅麹成分入りサプリを摂取し体調不良などを訴えた50歳代~70歳代の患者計9人のデータをまとめたところ、腎臓にある尿細管の機能が低下し、血液中の電解質が異常になるなどする「ファンコーニ症候群」が5人で確認された。うち3人は組織検査の結果、尿細管の周囲の組織が炎症を起こす「尿細管間質障害」と診断された。 その中でも神戸大病院とはりま姫路総合医療センターを受診した、いずれも60歳代の女性2人は、昨年7~12月に同社が出荷し回収対象となったサプリと製造番号が一致する製品を摂取していた。他の7人は製造番号が不明か不一致だった。 神戸大病院を受診した女性は2年ほど同社のサプリを飲んでおり、かかりつけの診療所で受けた定期検査で偶然、腎機能の悪化が判明。3月下旬に同病院を受診し入院した。サプリ摂取を中止すると腎機能が改善し、血液中のカリウムなど電解質の数値が正常傾向に近づき、約1週間で退院できた。 藤井准教授は「まずはサプリ摂取を中断することが重要だ。電解質の著しい異常で脚がつるなどの症状が出ることがある。また過去に摂取経験があれば、一度、近くの診療所などで尿や血液の検査を受けてほしい」と呼びかける。 日本腎臓学会が1日に発表した緊急調査の中間報告でも、全国から寄せられた47人の症例中、46人でファンコーニ症候群が疑われている。一方、健康被害があった患者の約75%はサプリ摂取中止だけで回復した。 厚生労働省によると、18日時点で、健康被害で入院治療したのは240人にのぼる。

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