応接室や客間が貸し出される旧市長公舎応接室や客間が貸し出される旧市長公舎 山口県周南市は、2011年以降空き家になっている同市慶万町の旧市長公舎(国登録有形文化財)の一部を希望する個人・団体に貸し出す。22日から申し込みを受け付け、展示会や講座といったイベントを始め、大正時代の建築物の風情を生かした活用を期待している。(河村輝樹)

洋館の応接室(周南市提供)洋館の応接室(周南市提供)
 旧市長公舎は1926年(大正15年)、旧日本海軍の燃料製造工場「徳山海軍燃料
廠(しょう)
」の廠長の官舎として建てられた。木造平屋の洋館と和館計274平方メートルから成り、洋館は柱や
梁(はり)
を露出させる「ハーフティンバー」様式の和洋折衷の造りが特徴。
 45年の終戦で旧徳山市(現・周南市)に管理が移り、50年に国から払い下げられた。歴代市長の中には使用しない人もいたが、2003年の合併で発足した周南市では初代と2代目の市長が居住。その後、市長公舎は廃止されたが、この建物については、戦時中の空襲で焦土と化した市街地に残った数少ない歴史的建築物として、市は毎年3月に一般公開している。 今回貸し出すのは洋館の応接室や和館の畳敷きの客間など、往時の市長公務で使われた計約150平方メートル。応接室にはソファやテーブルが備えられ、庭が眺められる客間に電熱式の炉壇があり、茶会も開ける。 市施設マネジメント課は、レトロなたたずまいを生かし、はかまや羽織を着る成人式や七五三の記念写真、漫画やアニメなどのコスプレ愛好家の撮影会といった利用方法も提案している。 市によると、清掃などに年間120万~150万円かかることから、貸し出しによる利用料が入ることで維持費の軽減にもつながるとしている。藤井律子市長は「古里を代表する素晴らしい建築物。たくさんの人たちが親しみを感じるきっかけになるとうれしい」と期待する。 料金は、開館時間の午前9時から午後9時までの4時間ごとに1500円(光熱費含む)。最大1週間連続で借りることもできる。問い合わせは同課(0834・22・8281)へ。

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