夢二の絵がちりばめられた天井(岡山市中区で)夢二の絵がちりばめられた天井(岡山市中区で)

天井飾る美人画■ドア開閉時に「宵待草」 本庄村(現・瀬戸内市)出身で、「大正浪漫」を代表する画家で詩人の竹久夢二(1884~1934年)が今年、生誕140周年を迎えた。岡山電気軌道(岡山市中区)は記念事業として、夢二の作品でラッピングしていた車両をリニューアル。作品をちりばめた内装と夢二が作詞した曲を流すことで、乗客をアートの世界へといざなう。(岡さくら、竹上史朗)出発式に完成した車両の前で「宵待草」を演奏する大迫さん(岡山市中区で)出発式に完成した車両の前で「宵待草」を演奏する大迫さん(岡山市中区で) 生誕130周年記念として2014年に運行を始めたラッピング車両は、県出身の工業デザイナー・水戸岡鋭治さんがデザインを手がけた。今回も水戸岡さんが担当し、黒を基調とした車体と車内の天井には、美人画を中心とした計約40点を豪華に縁取って配置。窓にはツバキやイチゴといった植物のデザイン八つが、ステンドグラスのようにあしらわれている。
 ドア開閉時のメロディーには、夢二が作詞した曲「
宵待草(よいまちぐさ)
」(作曲・多忠亮)を使用。バイオリニストの大迫淳英さんが演奏しており、つややかな音色が車内に響く。
 8日に行われた出発式で、両備グループの小嶋光信代表は「大正浪漫そのもので、電車の中でも外でも夢二アートが楽しめます」とあいさつ。水戸岡さんは「古い車両の再生とあわせて夢二の物語を岡山の人たちに再認識してもらいたい」と語った。 ラッピング車両は東山線を1日4往復している。全国巡回展 岡山9月から 生誕140周年記念として、夢二郷土美術館(岡山市中区)は東京や大阪など全国6か所を巡回する展覧会を企画している。同館が2022年冬に新たに所蔵した油彩画「アマリリス」も公開される。 1919年頃の作品で、鉢植えのアマリリスの奥に当時の恋人・お葉をモデルにした女性が着物姿で描かれている。憂いのある目と大きな手は「夢二式美人」といわれ、同館はこの作品を「夢二のモナリザ」と名付けた。 展覧会に出品されたのち、東京のホテルの応接間に飾られ、44年にホテルが閉館となって以降は所在不明となっていた。2022年に発見され、美術館が買い取ったという。 このほか、初公開のスケッチを含む約170点が展示される。6月から東京都庭園美術館でスタートし、岡山では9月から夢二郷土美術館などで開催される。

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