スーツケースに入れられた修ちゃんの遺体が見つかった草むら付近(昨年6月撮影、神戸市西区で)
神戸市西区で昨年6月、保育園児穂坂
修(なお)
ちゃん(6)が虐待を受けて死亡した事件は、8か月間に及んだ鑑定留置を経て、叔父の穂坂大地被告(32)ら家族4人が傷害致死罪などで起訴された。修ちゃんが死に至るまでの激しい暴行を受けた理由は明らかになっていないが、この間の捜査で、大地被告が家庭内での不満や怒りの矛先を修ちゃんに向けた可能性が浮上。行政による一時保護の見送りにも大地被告が深く関わっていることが見えてきた。
■家族の対応に立腹 「6月は地獄の月にする」。捜査関係者が家族から聞いた話によると、大地被告は事件前、修ちゃんへの怒りを募らせて、そう口走ったという。 事件が起きた6月を前に、穂坂家で何があったのか。大地被告は5月中旬にあった自身の誕生日での家族の対応に立腹。「誕生日を台無しにされた」との激しい不満を抱いた。その怒りが、6月上旬が誕生日の修ちゃんに向き、虐待がエスカレートしていったとみられる。 大地被告と修ちゃんの母親、双子の叔母の4人は共謀し、6月19日、自宅で修ちゃんの背中を鉄パイプで何度も殴打したり、背中の上に乗って両足で多数回踏みつけたりして外傷性ショックで死亡させたとされる。 積極的に暴行を加えたのは大地被告だったという。■行政には「窓口役」 大地被告は激しい言葉や暴力で家族を支配する一方、行政に対しては、修ちゃんへの虐待が発覚しないような対応も見せていた。 神戸市が事件前の対応を検証する第三者委員会に提出した資料によると、一時保護の相談に訪れた児童相談所職員に対し、大地被告は「(修ちゃんが)以前から家族に暴力を振るうなど将来が不安だ」と思いやるそぶりを見せ、「保育園に行かないのは、本人が『いじめられている』と話しているから。今は落ち着いているので一時保護は必要ない」と修ちゃんを思っての判断であることを強調した。さらに、児相職員が母親や修ちゃんと直接話したいと求めても、「今は難しい」と聞き入れなかった。 市は、母との面会を求めてもかなわない状況の中で、家族の意思を伝える「窓口役」となっていた大地被告の言葉を信じ、最終的に一時保護の見送りを決めた。 神奈川県立保健福祉大の新保幸男教授(児童福祉学)は「母親とのやりとりがまともにできない中、大地被告が修ちゃんを守ってくれるかもしれないと期待を寄せた可能性があるが、面会機会を避けている大地被告の言葉を信じ込むことは適切でなかった」とする。 捜査関係者によると、亡くなる直前の修ちゃんは高熱を発し、食事も取れないほどに衰弱していたという。 家庭内で最も弱い立場にありながら、暴力にさらされ、苦しみの中で息絶えた修ちゃん。事件の全容はいまだ見えてこないまま、舞台は法廷に移される。
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