自民党は15日、安定的な皇位継承のための皇族数確保について、政府の有識者会議が示した2案を「妥当」とする論点整理を確認した。主要政党の基本的な立場が示され、各党は5月の大型連休前後にも協議に入る見通しだ。「各党の認識に決定的な隔たりはない」との指摘もあり、今国会中に意見集約を図れるかどうかが焦点となる。

「安定的な皇位継承の確保に関する懇談会」の会合であいさつする自民党の麻生副総裁(中央)(15日、党本部で)

「安定的な皇位継承の確保に関する懇談会」の会合であいさつする自民党の麻生副総裁(中央)(15日、党本部で)

 「既に各党から方針が示されている。自民党としても早期に示す必要がある」

 自民の麻生副総裁は15日、会長を務める「安定的な皇位継承の確保に関する懇談会」でこう述べ、党見解の取りまとめを急ぐ考えを示した。

 この日の会合では、有識者会議が2021年の報告書で示した〈1〉皇族女子を結婚後も皇室に残す〈2〉旧皇族の男系男子を養子縁組で皇籍に復帰させる――の2案をいずれも「妥当」と整理し、月内にも党見解を取りまとめる方針を確認した。

 自民内では、保守系を中心に「女性皇族が結婚後も皇室に残れば、母方が天皇の血を引く『女系天皇』の誕生につながりかねない」との懸念が根強い。養子縁組についても「現状の皇位継承の流れに影響を及ぼす」との声が上がっている。

 報告書には、皇族女子の配偶者や子は皇族とせず、養子は皇位継承資格を持たない案が提示されている。党見解では保守系議員らの声に配慮し、これらの案を反映させる見通しだ。

 主要政党は自民を除き、皇族数確保に関する具体的な考え方を示している。公明や日本維新の会、国民民主各党は自民と同様、報告書2案に賛成の立場だ。

 公明は皇族女子の結婚後の身分保持について、「国民の理解も得られ、皇室の歴史とも整合的」と評価した。養子縁組に関しても、少子化が進展する中で「可能とすべき」と訴え、戦後に皇籍を離脱した11宮家の男系男子との養子縁組が「認められるべき」とした。

 維新は報告書の2案を「現実的」とし、旧皇族との養子縁組は「歴史と現実を踏まえれば、特に高く評価できる」とした。国民は2案について、早急に制度の具体化を進めるよう主張している。

 一方、立憲民主党は3月にまとめた論点整理で、養子縁組に関しては現実的な対象者がいるかを確認した上で「制度設計に移らなければならない」とした。皇族女子の身分保持を巡っては、配偶者や子に皇族身分を付与する案も「検討が必要」との考えを示した。夫婦間の平等を定めた憲法の規定に抵触する可能性があることなどを理由に挙げている。

 ただ、各党の主張は報告書案を前提としたものが目立ち、「決定的な違いはない」(政府関係者)との見方がある。自民幹部は「皇族数の確保が喫緊の課題であることは与野党の共通認識だ。今国会中の法整備も不可能ではない」との考えを示す。

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