世界の動物園で人気を集めている中国のジャイアントパンダ。陝西省の秦嶺山脈の奥深くには四川省のジャイアントパンダと異なる亜種が生息している。写真は秦嶺ジャイアントパンダの「七仔」。
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世界の動物園で人気を集めている中国のジャイアントパンダ。多くの人は四川省に生息する丸々とした白黒のジャイアントパンダを思い浮かべるが、中国紙は陝西省の秦嶺山脈の奥深くにはジャイアントパンダの独立した亜種「秦嶺ジャイアントパンダ」が生息している、と伝えた。
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東方新報によると、四川省のジャイアントパンダが比較的細長い頭部と突き出た鼻先を持ち、クマらしい顔立ちをしているのに対し、秦嶺ジャイアントパンダは頭部が丸く、鼻先が短く、ふっくらとした顔立ちが特徴だ。その柔らかな表情から、より猫を思わせるともいわれ、「国宝の中の美人」と呼ばれることもある。
動物分類学上、ジャイアントパンダは四川亜種と秦嶺亜種の二つの亜種に分けられる。遺伝子研究によると、両者は地理的な隔たりによって約1万年前に分化し、その後、野生下ではほとんど遺伝的な交流がないまま、それぞれ独自に進化してきた。秦嶺ジャイアントパンダはより古い遺伝的特徴を残しており、ジャイアントパンダの中でも貴重な系統とされている。
二つの亜種を科学的に区別する主な手掛かりとなるのが頭骨や歯、毛色の違いだ。研究による測定では秦嶺ジャイアントパンダは頭骨が比較的小さく、臼歯が大きいのに対し、四川省のジャイアントパンダは頭骨が比較的大きく、臼歯が小さい。外見にも違いがある。秦嶺ジャイアントパンダは小さく丸みを帯びた耳を持つ。

毛色にも特徴がある。四川省のジャイアントパンダは胸部の黒い毛がはっきりしており、腹部は白い。秦嶺ジャイアントパンダでは胸部が暗褐色を帯びることが多く、腹部の毛にも黄褐色が見られる。これは汚れによるものではなく、亜種が持つ遺伝的な特徴だという。
こうした秦嶺ジャイアントパンダの特徴は「七仔(チーザイ)」、「珠珠(ジュージュー)」、「党生(ダンション)」などの個体にも見て取れる。七仔は現在飼育されている個体として世界で唯一の褐色の秦嶺ジャイアントパンダだ。2009年に仏坪自然保護区の野生環境で保護された。丸い顔と短い鼻先という秦嶺亜種の典型的な特徴を持つほか、珍しい褐色の毛色でも知られ、世界的に注目を集めている。
同じジャイアントパンダでありながら、なぜ異なる特徴を持つようになった背景には秦嶺山脈という地理的な障壁がある。高い山々によって個体群同士の移動や交流が妨げられ、長い年月をかけて、秦嶺ジャイアントパンダは丸い頭や短い鼻先、大きな臼歯などの特徴を持つようになったと考えられている、という。(編集/日向)
