アジア大会の確定9月、愛知のシティ+53.7%・ビジネス+53.2% — 8月の前年割れから一変した推定成約ADRと翌年ベースラインの置き方

愛知県のホテル市場で、2026年9月の推定成約ADRが前年同月から一段飛びに切り上がった。シティホテル(N=31施設)の確定値は¥18,141と前年9月の¥11,803に対し+53.7%、ビジネスホテル(N=321施設)は¥11,701と前年の¥7,638に対し+53.2%である。その直前の確定8月はシティが−10.0%、ビジネスが−3.6%と前年割れだったため、1カ月で符号も振れ幅も一変した形だ。背景にあるのは9月19日に開幕した第20回アジア競技大会(愛知・名古屋)と、開幕日から始まった5連休の重なりで、県内のシティ・ビジネスともに推定OCC(OTA掲載在庫ベース)が会期中は95%超で張り付いた。本稿では確定月同士のYoYでこの跳ねを分解したうえで、大阪が万博翌年に経験した単価の戻り方を参照しながら、イベント月の実績を翌年のベースラインにどう織り込み、イベント後の単価下限をどこに置くかを整理する。

対象: 愛知県のシティホテル N=31施設・ビジネスホテル N=321施設(2026年9月時点)。本記事の価格指標は推定成約ADR(OTA等の販売データから推定される成約価格水準・税抜相当)、稼働率はOTA掲載在庫ベースの推定値。いずれも定義は記事末尾。データ時点: 2026年10月23日。

Key Takeaways

— +53.7% / +53.2%:愛知の確定9月の推定成約ADRはシティ¥18,141(N=31)、ビジネス¥11,701(N=321)。価格帯の違う2カテゴリがほぼ同じ比率で跳ねた。
— 8月は前年割れ:直前の確定8月はシティ−10.0%、ビジネス−3.6%。1〜8月の基調はシティ+5.7%、ビジネス+2.7%で、9月はその40〜50ポイント上の特異値。
— 月の後半だけが特異日:9月の推定OCCは1〜14日がシティ80.4%・ビジネス84.8%、19〜30日が95.4%・97.2%。開幕前の15日から上がり始めた。
— 大阪は2年前の水準へ:万博翌年の2026年4〜9月平均は2025年比でシティ−22.1%・ビジネス−30.6%、2024年比では+3.9%・−0.4%に戻った。
— 翌年9月の起点は¥12,500/¥7,800前後:2025年9月に1〜8月の基調を乗せた水準を置き、イベント分は別枠で管理する。10〜12月の下限は前年同月の確定値が参照点。

確定9月のYoY — 8月の前年割れから+53%台へ、シティとビジネスが同じ幅で跳ねた

まずは確定月同士の比較から押さえたい。愛知県シティホテルの推定成約ADRは2026年1〜5月こそ前年比+4.5%〜+20.5%で推移していたが、6月−2.0%、7月−1.9%、8月−10.0%と夏場は3カ月連続の前年割れに沈んでいた。ビジネスホテルも同じ形で、1〜5月が+2.0%〜+12.3%、6〜8月は−0.1%・−1.2%・−3.6%と小幅ながら前年を下回っている。8月の落ち込みは前年8月の水準が高かった反動(シティ¥13,368、ビジネス¥8,149はいずれも2025年の月次で上位の値)という面が大きく、県内の需要が崩れていたと読むべきものではない。

ただし、9月はその延長線上にない。シティが¥18,141(前年¥11,803、+53.7%)、ビジネスが¥11,701(前年¥7,638、+53.2%)と、価格帯が1.5倍ほど違う2カテゴリがほぼ同じ比率で切り上がった。2026年1〜8月の平均YoYはシティ+5.7%、ビジネス+2.7%にとどまるので、9月の跳ねはこの基調から40〜50ポイント上に乗った特異値といえる。9月の確定値を2026年1〜8月の平均(シティ¥12,585、ビジネス¥7,786)と比べても、シティは1.44倍、ビジネスは1.50倍に達している。この+53%台が全国の中でどの位置にあるかは、ビジネスホテルの推定成約ADR、2026年9月は44都道府県が前年超え・中央値+7.9% — 5連休・愛知・大阪をどう読み分けるかで47都道府県を横並びにして整理している。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(愛知県シティホテル N=30〜32施設。2026年10〜12月は現時点の販売状況に基づく推定で変動し得る)

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(愛知県ビジネスホテル N=302〜329施設。2026年10〜12月は現時点の販売状況に基づく推定で変動し得る)

年を重ねたチャートで見ると、2024年と2025年の線は月ごとの凹凸こそあれ概ね平行に並び、2025年9月の前年比はシティ+18.0%(¥10,004→¥11,803)、ビジネス+9.0%(¥7,005→¥7,638)だった。2026年の線は8月まで2025年の線のすぐ上か、やや下を走っていたが、9月で突き抜けている。10月以降の点線は現時点の販売状況に基づく推定で、シティ¥19,400(N=31)、ビジネス¥12,586(N=310)と9月に近い高さを示しているものの、会期が10月4日まで続いたことと販売途中の断面であることが重なっており、確定値との単純比較は月末の確定を待つ必要がある。

愛知県の推定成約ADR(確定月・税抜相当)— 2025年と2026年の1〜9月
宿泊月シティ 2025シティ 2026YoYビジネス 2025ビジネス 2026YoY

1月¥10,978¥13,228+20.5%¥6,924¥7,774+12.3%
2月¥10,745¥12,014+11.8%¥7,311¥7,471+2.2%
3月¥12,092¥13,850+14.5%¥7,415¥8,087+9.1%
4月¥12,665¥13,230+4.5%¥7,899¥8,087+2.4%
5月¥11,979¥13,393+11.8%¥8,035¥8,192+2.0%
6月¥11,701¥11,470−2.0%¥7,339¥7,330−0.1%
7月¥11,684¥11,466−1.9%¥7,584¥7,491−1.2%
8月¥13,368¥12,030−10.0%¥8,149¥7,852−3.6%
9月¥11,803¥18,141+53.7%¥7,638¥11,701+53.2%

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(確定月同士の推定成約ADR・税抜相当。シティ N=30〜31施設、ビジネス N=319〜329施設)

9月の日別推定OCC — 開幕前の1〜14日は80%台、19日以降は95%超で張り付いた

月次の単価が跳ねた理由を、同じ9月の推定OCC(OTA掲載在庫ベース・対象は愛知県シティ21〜23施設/客室3,504〜3,674、ビジネス171〜175施設/客室24,654〜26,210、主要予約サイト掲載ベース)で日別に追うと、月内の構造がはっきりする。9月1〜14日のシティは平均80.4%、ビジネスは84.8%で、週末の5日(土)にシティ86.6%・ビジネス88.8%の山が立つ程度の、平常月と変わらない形だった。ところが15日以降は様相が変わり、シティは15日93.8%、16日95.6%、17日96.6%と開幕を待たずに上がり始め、開幕日の19日(土)に97.5%、翌20日(日)には99.4%で月間最高に達している。ビジネスも同じ曲線を描き、16日98.5%、20日99.9%と掲載在庫がほぼ残らない状態になった。

この時期の需要には2つの層が重なっている。1つは選手団・関係者・メディアといった大会関連の滞在で、開幕前の15〜18日から推定OCCが切り上がったのはこの層の先乗りと読める。もう1つは一般の観戦・観光客で、2026年は19日(土)から23日(水・秋分の日)まで敬老の日と国民の休日を挟んだ5連休が開幕に重なっており、20〜21日の99%台はこの2層が同じ日に積み上がった結果といえる。連休最終日の23日はシティ89.7%・ビジネス91.7%まで一度緩んだが、24日以降はシティ92〜96%台・ビジネス95〜98%台で推移し、月末30日までシティ95.6%・ビジネス96.7%を保った。19〜30日の平均はシティ95.4%、ビジネス97.2%で、開幕前(1〜18日)のシティ83.8%、ビジネス87.5%からそれぞれ11.6ポイント、9.7ポイント上に乗った計算になる。開幕翌日の9月20日に施設単位でどこまで在庫が消えたかは、アジア大会の名古屋・愛知ホテル、9/20は96%が完売 — 閉会週末10/3の受け皿は知多・渥美で残室ベースに追っている。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(2026年9月・宿泊日別の推定OCC。シティ N=21〜23施設、ビジネス N=171〜175施設。宿泊日の45日前から直近までの観測に基づく)

月次の推定成約ADRが+53%台に達したのは、こうした在庫がほぼ残らない日が月の後半12日間続いたことで、月平均が後半の高単価に引き上げられたためである。1〜14日の平常な販売状況だけを切り出せば、単価の基調は1〜8月の延長線上にあったと考えるのが自然で、9月の数字は「月の半分が特異日だった月」として扱うのが実態に近い。

大阪の万博翌年 — 単価はイベント年ではなく「2年前のトレンド線」に戻った

イベント月の跳ねを翌年の計画にどう織り込むかを考えるうえで、直近で最も大きな先例が2025年4月13日〜10月13日に開かれた大阪・関西万博である。大阪府のシティホテル(N=83〜97施設)は会期と重なる2025年4〜9月の推定成約ADRが前年同月比+27.6%〜+47.6%、6カ月平均では¥12,103から¥16,144へ+33.4%と大きく切り上がった。ビジネスホテル(N=484〜504施設)はさらに幅が大きく、同じ6カ月の平均が¥8,951から¥12,846へ+43.5%である。

一方で、万博翌年にあたる2026年4〜9月の確定値を見ると、シティは6カ月平均¥12,579で2025年比−22.1%、ビジネスは¥8,917で−30.6%と、イベント年の水準はほぼそのまま剥落した。ここで重要なのは、剥落した先がどこかという点だ。2026年の水準を万博前の2024年と比べると、シティは+3.9%、ビジネスは−0.4%で、両カテゴリとも2年前の水準にほぼ戻っている。月別に見てもシティの2026年は4〜5月が2024年比+7.2%、6月−6.0%、9月+15.4%と月によってばらつくものの、ビジネスは4〜9月のすべてが2024年比−5.5%〜+6.5%のレンジに収まっていた。イベント年に積み上がった単価は翌年のベースラインにならず、単価の下限はイベント前のトレンド線まで戻る、というのが大阪の確定値が示す経路である。大阪側でこの経路を月次の基準ADRやミニマムレートにどう落とし込むかは、大阪の確定7〜9月ADR、シティ−22〜−25%・ビジネス−32〜−34% — 大型イベント翌年のベースラインをどう引き直すかで整理している。

大阪府の推定成約ADR・4〜9月平均 — 万博前年・万博年・翌年の比較
大阪府・4〜9月平均2024年2025年(万博)2026年(翌年)2025/20242026/20252026/2024

シティホテル(N=83〜97)¥12,103¥16,144¥12,579+33.4%−22.1%+3.9%
ビジネスホテル(N=484〜504)¥8,951¥12,846¥8,917+43.5%−30.6%−0.4%

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(大阪府・確定月の推定成約ADR・税抜相当を各年4〜9月で単純平均)

愛知の9月をこの枠に当てはめると、翌2027年9月の出発点は¥18,141ではなく、イベント前の2025年9月(シティ¥11,803、ビジネス¥7,638)に2026年1〜8月で観測された基調(シティ+5.7%、ビジネス+2.7%)を乗せた水準、すなわちシティ¥12,500前後、ビジネス¥7,800前後に置くのが大阪の経路に沿った見方になる。もちろん大会は半月、万博は半年と会期の長さが違い、愛知では会期が1カ月に満たない分、翌年の反動も大阪より小さく出る可能性はある。ただ、その差は「跳ねの大きさ」ではなく「跳ねた日数」の違いであって、1日あたりの単価の戻り先がイベント前のトレンド線になる点は変わらないと考えられる。

愛知のシティ・ビジネスホテルを運営するレベニューマネージャーへ — 示唆とアクションプラン

1. 9月の自館実績は「1〜14日」と「15〜30日」に分けて評価したい。市場の推定OCCは1〜14日がシティ80.4%・ビジネス84.8%、19〜30日が95.4%・97.2%と、同じ月の中に平常期と特異期が同居している。月平均のADRやYoYを1本の数字で前年と比べると、平常期の価格判断が妥当だったかが見えなくなる。自館の日別実績を前半・後半に分け、前半は1〜8月の基調(市場でシティ+5.7%、ビジネス+2.7%)と、後半は大会期の市場水準とそれぞれ突き合わせる余地がある。

2. 2027年の予算の9月ベースラインには2026年9月の実績を直接使わない。大阪では万博翌年の単価が2年前の水準(シティ2024年比+3.9%、ビジネス−0.4%)に戻った。愛知でも翌年の9月は2025年9月に基調を乗せた水準(市場でシティ¥12,500前後、ビジネス¥7,800前後)を起点にし、2026年9月の上乗せ分(市場でシティ+53.7%、ビジネス+53.2%)は「イベント枠」として別建てで管理するのが実態に近い。前年比で−30%台の数字が翌年9月に並んでも、それは単価が崩れたのではなく特異月が剥落しただけである、という共通認識を経営側と先に持っておきたい。

3. 10〜12月の単価下限は、前年の同月確定値を参照点に置く。10〜12月の現時点推定(シティ¥19,400・¥17,596・¥16,651、ビジネス¥12,586・¥11,266・¥10,691)は販売途中の断面で、月末に向けて動く。確定値として参照できるのは前年の10月(シティ¥12,996、ビジネス¥7,815)、11月(¥13,798、¥8,416)、12月(¥12,824、¥7,681)であり、大会後に販売ペースが緩んだときの引き下げ幅は、この前年確定値に1〜8月の基調を乗せた線を下限として検討したい。9月の高値から相対的に下げる発想では、下限がイベント水準に引きずられて深くなりすぎる。

4. 連休とイベントの重なりは翌年の暦で再現されない。2026年の跳ねには、開幕日の19日(土)から23日(水)までの5連休が重なった要素が含まれる。2027年9月の暦は同じ形にならないため、曜日配列の違いだけでも連休部分の上乗せは消える。翌年の9月を見積もる際は、イベントの有無と連休の有無を別々の要因として扱う必要がある。

時間軸別のアクションプラン — 今週・2週間以内・来月の打ち手

愛知のシティ・ビジネスホテル向けアクションプラン(時間軸別)
時間軸打ち手判断トリガー(本稿の数値)狙い

今日〜今週9月実績を前半(1〜14日)と後半(15〜30日)に分けて集計し直す自館の前半ADRのYoYが市場の1〜8月基調(シティ+5.7%、ビジネス+2.7%)から大きく外れている場合平常期の価格判断とイベント期の判断を切り分ける
今日〜今週10〜11月の残在庫について、下限価格の参照点を「前年同月確定値」に置き換える自館の10月設定が、前年10月の市場確定値(シティ¥12,996、ビジネス¥7,815)を基準にした線より下に置かれている場合9月の高値基準で下げ幅を決めてしまう事態を避ける
2週間以内11〜12月のレートカレンダーを、前年11月(シティ¥13,798、ビジネス¥8,416)・12月(¥12,824、¥7,681)の確定値と突き合わせて見直す現時点推定(シティ¥17,596・¥16,651、ビジネス¥11,266・¥10,691)と前年確定値の差が、自館の予約ペースに裏付けられていない場合大会後の需要水準に合った価格帯へ段階的に着地させる
2週間以内経営側に「2027年9月は前年比マイナスが前提」の共有資料を作る大阪の万博翌年(シティ−22.1%、ビジネス−30.6%、ただし2024年比では+3.9%・−0.4%)を先例として示す翌年のYoY悪化を単価崩れと誤認しない体制をつくる
来月に向けて2027年予算の9月ベースラインを「2025年9月×基調」で設定し、イベント枠を別レイヤーにする市場の試算(シティ¥12,500前後、ビジネス¥7,800前後)と自館の2025年9月実績の関係を基準にする特異月を翌年の恒常的な期待値にしない
来月に向けて大会期(9月15〜30日)の客層構成と予約経路を記録として残す市場の推定OCCが開幕前の15日から切り上がった事実(シティ93.8%、ビジネス96.3%)を自館の予約リードタイムと照合する次の大型イベント(2026年10月のアジアパラ競技大会を含む)での仕込み時期の目安にする

出典:ホテルバンク編集部作成(判断トリガーは本稿で提示した市場の数値に基づく。自館の実績との照合が前提)

まとめ — イベント月を読むための3つの物差し

愛知の2026年9月は、シティ¥18,141(+53.7%)、ビジネス¥11,701(+53.2%)と、カテゴリの価格帯を問わず同じ比率で切り上がった月だった。この数字を扱うときの物差しは3つに整理できる。第一に、月を分割して見ること。推定OCCは1〜14日が80%台、19〜30日が95%超と、月内に平常期と特異期が同居しており、月平均は後半の特異値に引き上げられている。第二に、翌年のベースラインはイベント前年に基調を乗せた線に置くこと。大阪の万博翌年の確定値はイベント年比で−22.1%〜−30.6%、2年前比ではほぼ横ばいという経路を示しており、イベント年の単価は翌年の期待値にならなかった。第三に、イベント後の単価下限は前年同月の確定値を参照点にすること。10〜12月の現時点推定は販売途中の断面であり、前年の確定値(シティ¥12,996〜¥13,798、ビジネス¥7,681〜¥8,416)に基調を乗せた線を下限の物差しに置けば、9月の高値に引きずられた深い値下げを避けられる。大会は10月4日に閉幕した。ここから先の数カ月は、特異月の記憶を翌年の計画にどう翻訳するかが問われる局面だろう。

データについて

本記事で用いた指標の定義と対象
項目内容

推定OCCの定義OTA掲載在庫ベース稼働率 = 100 − 100 × OTA掲載残室数 ÷ 総客室数。対象は総客室の30%以上をOTAに掲載する施設で構成した固定コホート(各宿泊日で同じ施設集合。本文に記載した施設数がその数)。OTA上で販売される在庫の消化状況に基づく推定値であり、実客室稼働率とは定義が異なる(掲載外の客室を消化済み側に数えるため高めに出る)。対象月は2026年9月、愛知県のシティホテル(21〜23施設/客室3,504〜3,674)とビジネスホテル(171〜175施設/客室24,654〜26,210)。
ブッキングカーブ宿泊日の45日前から直近までの観測に基づく。
推定成約ADRの定義OTA等の販売データ(最安プラン水準×業態別係数・複数チャネルのアンサンブル)から推定した成約価格水準(税抜相当)。過去月は確定値、現在・未来月は現時点の販売状況に基づく推定値。公表運営実績との照合で誤差中央値6.6%。YoYは確定月同士(2025年と2026年の同月、大阪は2024年を含む)でのみ算出し、2026年10〜12月の値は現時点の販売状況に基づく推定として掲載した。
対象施設数愛知県シティホテル N=30〜32施設(2026年9月は31)、ビジネスホテル N=302〜329施設(2026年9月は321)。大阪府シティホテル N=83〜97施設、ビジネスホテル N=484〜504施設。いずれも月ごとの集計対象数で、本文・表ではその範囲を併記した。
データ時点データ時点: 2026年10月23日。販売状況・在庫は日々変動するため、本記事の数値は取得時点のスナップショットである。

よくある質問

Q. 愛知の2026年9月の推定成約ADRは前年からどれだけ上がったか?

シティホテル(N=31施設)は¥18,141で前年9月の¥11,803から+53.7%、ビジネスホテル(N=321施設)は¥11,701で前年の¥7,638から+53.2%。いずれも確定月同士の比較で、税抜相当の推定成約ADR。

Q. 9月の跳ねは月を通して続いたのか?

続いていない。推定OCC(OTA掲載在庫ベース)は2026年9月1〜14日の平均がシティ80.4%・ビジネス84.8%と平常月並みで、開幕前の15日から上がり始め、19〜30日の平均はシティ95.4%・ビジネス97.2%だった。月平均の単価は後半12日間の高単価に引き上げられている。

Q. 2027年9月の予算ベースラインには何を使えばよいか?

2026年9月の実績は直接使わず、イベント前年の2025年9月の確定値に1〜8月の基調(シティ+5.7%、ビジネス+2.7%)を乗せた水準、市場ではシティ¥12,500前後・ビジネス¥7,800前後を起点にする。イベント分の上乗せは別枠で管理する。

Q. 大阪の万博翌年は単価がどう戻ったか?

大阪府の2026年4〜9月平均は、万博年の2025年比でシティ−22.1%・ビジネス−30.6%と大きく下がったが、2024年比ではシティ+3.9%・ビジネス−0.4%で、ほぼ2年前の水準に戻った。イベント年の単価は翌年のベースラインにならなかった。

Q. 大会後の10〜12月の単価下限はどこに置くべきか?

現時点推定の10〜12月の値は販売途中の断面なので、前年同月の確定値(10月シティ¥12,996・ビジネス¥7,815、11月¥13,798・¥8,416、12月¥12,824・¥7,681)に1〜8月の基調を乗せた線を下限の参照点にする。9月の高値から相対的に下げると下限が深くなりすぎる。

参考資料・出典一覧

■ データソース

メトロエンジンリサーチが収集するOTA等の販売データから推定した、愛知県・大阪府のシティホテル/ビジネスホテルの月次推定成約ADR(2024年1月〜2026年12月、税抜相当)と、愛知県の2026年9月・宿泊日別の推定OCC(OTA掲載在庫ベース、固定コホート)。大会会期はAichi Now・組織委員会の公表情報による。

■ 試算前提

YoYは確定月同士(2025年と2026年の同月)でのみ算出。1〜8月の基調は各年1〜8月の単純平均の比(シティ+5.7%、ビジネス+2.7%)。翌2027年9月の参照水準(シティ¥12,500前後、ビジネス¥7,800前後)は2025年9月の確定値にこの基調を乗せた目安で、需要予測ではない。大阪の比較は各年4〜9月の単純平均。

■ 限界・留意点

2026年10〜12月の値は販売途中の現時点推定で、確定値とは比較していない。推定OCCは掲載外の客室を消化済みに数えるため実客室稼働率より高めに出る。施設数は月ごとに変動する(愛知シティ30〜32、ビジネス302〜329)。大阪の万博と愛知のアジア競技大会は会期の長さが異なり、翌年の戻り方が同じになるとは限らない。

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