
慶東ナビエンの空気熱ヒートポンプ「PEM750」の英国リバプール設置現場=慶東ナビエン提供(c)news1
【09月14日 KOREA WAVE】欧州で記録的な猛暑により冷房需要が高まるなか、暖房や給湯に加えて冷房にも対応できる可逆式の空気熱ヒートポンプが注目を集めている。韓国企業も欧州市場の攻略を強化している。
ヒートポンプ普及の背景には、ガス・石油ボイラーに代わる建物暖房の電化設備として、各国政府が補助金や税制優遇、低利融資などで初期設置費用を抑えていることがある。脱炭素に加え、ロシア産を含む輸入天然ガスや化石燃料への依存を減らすエネルギー安全保障上の狙いもある。
空気熱ヒートポンプは外気を熱源とするため、屋外ユニットや吸排気設備が必要となる。空気から得た熱を暖房用や給湯用の水に伝え、可逆運転に対応した製品では、夏場に室内の熱を外へ排出して冷房にも利用できる。
エアコンの室外機と同様に、ヒートポンプも外観や騒音、振動、隣接住宅との距離などの規制を受ける。英国のシンクタンク、ネスタが260の地方自治体における2015~2026年の許認可事例を分析したところ、不許可の理由は騒音が43%で最多だった。設計情報の不足と外観上の問題もそれぞれ36%だったが、申請全体の80%以上は承認された。
欧州連合(EU)は2026年7月に発表した電化行動計画で、ヒートポンプなど電気を利用したクリーン技術の普及を促進するとした。太陽光発電や蓄電設備、電力網の拡充に加え、電気とガスの価格差の緩和、電力網料金や税制の改革も進める方針だ。
欧州ヒートポンプ協会(EHPA)によると、2025年の欧州21カ国でのヒートポンプ販売台数は約290万台で、前年比13%増加した。累計普及台数は2930万台に達した。2023~2024年に金利上昇や補助金縮小、景気減速などで停滞した市場は、再び回復局面に入ったとみられている。
韓国企業も事業を拡大している。慶東ナビエンは英国リバプールにヒートポンプ「PEM750」を設置し、欧州市場の攻略に乗り出した。サムスン電子は光州事業場第2キャンパスに2132平方メートル規模の「EHSヒートポンプボイラー」生産ラインを構築し、8月19日から試験生産を開始。LG電子も欧州の冷暖房空調市場を狙い、ヒートポンプ事業を拡大している。
業界関係者は、欧州市場での競争力は室外機の外観ではなく、ガスボイラーを安定して代替できる性能や、現地での設置、認証、アフターサービスの能力に左右されると指摘。韓国企業も製品効率だけでなく、国ごとの補助金要件や施工基準、サービス網を整える必要があるとの見方を示した。
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