朝食プレミアム+9.1%・2食付+29.1% — 香川県ホテルの食事付き商品はいくら取れているか(2026年9月)

香川県のビジネスホテルで、朝食付プランと素泊まりプランの差は+9.1%(差額 約¥1,400・対象28施設)、2食付と朝食付の差は+29.1%(同9施設)だった(2026年9月宿泊分)。シティホテルでは朝食付と素泊まりの差が+17.6%(同9施設)と、ビジネスホテルの約2倍の開きがある。いずれも同一ホテルの中で、食事条件だけが異なる商品同士を突き合わせた差分であり、施設間の価格差やグレード差は入っていない。食事付き商品の値づけは「原価+α」で据え置かれやすい領域だが、市場が実際に受け入れている差分がいくらなのかを知らないまま据え置くのは、静かな取りこぼしになる。本記事では香川県の食事プレミアム構造を業態別・月次で分解し、あわせて推定成約ADRの季節形状と曜日別の推定稼働を重ねて、9月以降の商品設計に落とせる形で整理する。

対象: 香川県のビジネスホテル・シティホテル。食事プレミアムは同一ホテル内ペア比較 N=5〜50施設(各数値に併記)、推定成約ADRはビジネスホテル N=90施設・シティホテル N=10〜11施設、推定稼働はビジネスホテル N=42施設。本記事の価格指標は推定成約ADR(OTA等の販売データから推定される成約価格水準・税抜相当)、稼働率はOTA掲載在庫ベースの推定値。いずれも定義は記事末尾。データ時点: 2026年9月10日。

Key Takeaways

— +9.1%(対象28施設) — 香川県のビジネスホテルで、同一ホテル内の朝食付と素泊まりの差。全国47都道府県では28位、中央値10.0%をわずかに下回る平均的な水準。
— +29.1%(対象9施設) — 2食付と朝食付の差。夕食は朝食の3倍前後の単価を取れているが、県内で商品化している施設はまだ少ない。
— +64.5%(対象5施設) — シティホテルの2食付と朝食付の差は、集計対象35都道府県のなかで1位。対象施設数が小さい点は割り引いて読む必要がある。
— 前年同期比+1.7% — ビジネスホテルの推定成約ADRは2026年1〜8月平均¥7,300(N=90施設)。価格の土台は動いておらず、伸びしろは商品構成側にある。
— 木曜91.0%・日曜76.0% — 2026年8月の推定OCC(対象42施設)。需要の山は週末ではなく週央にあり、朝食の提供体制と噛み合っているかの確認点になる。

同一ホテル内で見ると、食事の差分はここまではっきり出る

食事プレミアムを測るときに最もやってはいけないのが、「朝食付を売っている施設の平均」と「素泊まりを売っている施設の平均」を並べることだ。前者には食事に強い施設が、後者には価格訴求型の施設が偏って入るため、両者の差は食事の価値ではなく施設構成の差になってしまう。ここで用いたのは、同じホテルの中で素泊まりと朝食付(あるいは2食付)を両方販売している施設だけを取り出し、その施設ごとの差を集計する方法である。施設が変わらないので、立地・築年・客室グレードといった条件は自動的に揃う。なお旅館は食事込みが標準商品で「素泊まりとの対比」が成立しないため、集計対象から外している。

2026年9月宿泊分の結果は下図のとおりで、業態によって差分の大きさが明確に分かれた。ビジネスホテルの朝食プレミアムは+9.1%(対象28施設)、シティホテルは+17.6%(対象9施設)。率だけでなく差額で見ると、ビジネスホテルが約¥1,400、シティホテルが約¥3,700と、絶対額では2.6倍の開きがある。朝食という商品の中身(ビュッフェの品数、レストラン運営か簡易提供か)が価格差に反映されている格好だ。全国の都道府県を業態別に並べた朝食プレミアムの分布は、朝食プレミアム全国47都道府県で整理している。

さらに大きいのが夕食側である。ビジネスホテルでも2食付と朝食付の差は+29.1%(対象9施設・差額 約¥4,400)、素泊まりとの比較では+36.8%(同9施設)に達する。シティホテルでは2食付と朝食付の差が+64.5%(対象5施設)と跳ね上がり、業態を問わず夕食は朝食の3倍前後の単価を取れていることがわかる。全体(旅館を除く全業態)で見ても、2食付と素泊まりの差は+44.1%(対象27施設)、夕食付と素泊まりの差は+50.5%(同8施設)だった。ビジネスホテルの夕食上乗せ幅を都道府県別に比べた結果は、ビジネスホテル2食プランの都道府県別ペア比較で詳しく分析している。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

※ 各数値は同一ホテル内で食事条件だけが異なる商品を突き合わせた差分であり、価格の水準(ADR)を示すものではない。水準については後段の推定成約ADRを参照。対象施設数が5未満の組み合わせは掲載していない。

朝食プレミアムは5か月ほぼ横ばい、シティは縮小方向

この差分は季節で動くのか。2026年5月から9月までの5か月分を並べると、業態ごとに違う挙動が見えてくる。ビジネスホテルの朝食プレミアムは8.1〜10.5%のレンジで推移し、差額ベースでは¥1,300〜¥1,600の狭い帯に収まっている。需要が強い月も弱い月も朝食の差分がほとんど動かないということは、多くの施設が朝食料金を固定値として設定し、素泊まり価格だけを需要に応じて動かしていることを示唆する。

一方シティホテルは、5月の+24.2%から9月の+17.6%へと縮小した。差額でも約¥5,200から約¥3,700へと縮んでいる。素泊まり側の価格が動く中で朝食料金の絶対額が据え置かれれば、率は自動的に薄まる。9月の水準は5月比で6.6ポイント低い。

表1 香川県の朝食プレミアム月次推移(2026年5月〜9月宿泊分・朝食付 vs 素泊まり・同一ホテル内ペア比較・旅館を除く)

宿泊月
ビジネス 朝食プレミアム
差額
シティ 朝食プレミアム
差額
全体

2026年5月+10.5%(N=27)¥1,590+24.2%(N=8)¥5,171+11.2%(N=46)
2026年6月+9.2%(N=28)¥1,321+21.8%(N=9)¥4,168+7.1%(N=50)
2026年7月+9.6%(N=28)¥1,458+19.2%(N=9)¥4,101+5.6%(N=50)
2026年8月+8.1%(N=28)¥1,424+17.5%(N=9)¥4,273+7.2%(N=50)
2026年9月+9.1%(N=28)¥1,395+17.6%(N=9)¥3,678+7.3%(N=50)

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(朝食付 vs 素泊まり・同一ホテル内ペア比較・旅館を除く)

市区町村まで落とすと、県庁所在地はやや強い。高松市のビジネスホテルの朝食プレミアムは+12.7%(対象18施設)と県全体(+9.1%)を3.6ポイント上回り、シティホテルは+19.8%(対象5施設)、全体では+14.8%(対象23施設)だった。ビジネス需要が厚く、朝食を「翌朝の時間を買う」用途で選ぶ層が多いエリアほど、差分を取りやすい構図がうかがえる。

全国のなかで香川はどこにいるか — 朝食は平均並み、シティの夕食は全国トップ

同じ集計方法を全国の都道府県に当てはめると、香川県の位置づけがはっきりする。2026年9月宿泊分・対象5施設以上の都道府県だけを並べた結果が下表である。ビジネスホテルの朝食差分+9.1%は47都道府県中28位で、全国中央値10.0%をわずかに下回る。突出しているわけでも取りこぼしているわけでもなく、平均的な帯に収まっている。

一方でシティホテルの2食付差分+64.5%は、集計対象となった35都道府県のなかで1位だった。全国中央値39.4%に対して25.1ポイント高い。ただし該当したのは県内5施設で、数施設の商品構成が全体の率を大きく動かす規模である点は割り引いて読む必要がある。それでも「香川のシティホテルでは夕食を含めた商品が相対的に高く売れている」という方向性自体は、県内の別の集計(2食付と素泊まりの差+83.6%)とも整合する。

表2 香川県の食事プレミアムと全国順位(2026年9月宿泊分・同一ホテル内ペア比較・対象5施設以上の都道府県のみ)

業態比較の組み合わせ
香川県差額対象施設数
全国順位全国中央値中央値との差

ビジネスホテル朝食付 vs 素泊まり+9.1%¥1,39528施設28位/4710.0%−0.9ptビジネスホテル2食付 vs 朝食付+29.1%¥4,3959施設20位/4727.3%+1.8ptシティホテル朝食付 vs 素泊まり+17.6%¥3,6789施設14位/4415.5%+2.1ptシティホテル2食付 vs 朝食付+64.5%¥14,9915施設1位/3539.4%+25.1pt

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

※ 順位の母数が組み合わせごとに異なるのは、対象施設数が5未満の都道府県を除外しているため。2食付を商品化している施設は朝食付より少なく、集計できる都道府県数もその分減る。

四国4県で横に並べると、県ごとの設計の違いがより具体的に見える。ビジネスホテルの朝食差分は高知県が+14.7%(対象35施設)と抜けており、香川・徳島・愛媛は7〜9%台で固まっている。逆に2食付では徳島県+45.7%・高知県+49.5%が香川県+29.1%を上回り、夕食側の上乗せ幅では香川はむしろ控えめな部類に入る。県内で夕食付の商品化余地があると読める根拠のひとつがここにある。

表3 四国4県の食事プレミアム比較(2026年9月宿泊分・同一ホテル内ペア比較・括弧内は対象施設数)


ビジネス
朝食付 vs 素泊まりビジネス
2食付 vs 朝食付
シティ
朝食付 vs 素泊まりシティ
2食付 vs 朝食付

香川県+9.1%(28施設)+29.1%(9施設)+17.6%(9施設)+64.5%(5施設)徳島県+8.2%(25施設)+45.7%(6施設)+8.3%(8施設)+24.2%(7施設)愛媛県+7.6%(38施設)+27.5%(13施設)+14.9%(18施設)+40.7%(9施設)高知県+14.7%(35施設)+49.5%(13施設)+12.9%(6施設)対象5施設未満

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

※ 対象施設数が5未満の組み合わせは掲載していない。県ごとに対象施設の規模・立地構成が異なるため、率の差がそのまま商品力の差を意味するわけではない。

価格水準そのものは前年並み — 推定成約ADRの季節形状

食事の差分をどう動かすかを考えるには、土台となる価格水準の推移も見ておきたい。香川県のビジネスホテルの推定成約ADR(確定値)は、2026年1〜8月平均で¥7,300、前年同期比+1.7%(N=90施設)。月別では1月が+25.2%と大きく伸びた一方、7月は−7.5%、8月は−3.1%と夏場は前年を下回った。シティホテルは1〜8月平均が¥8,500で前年同期比−1.3%(N=10施設)、8月は前年の水準を大きく下回った(−23.3%・前年N=10施設)。県内の市町ごとの単価の階層については、香川16市町の単価階層マップ2026が掘り下げている。

年間の形として押さえておきたいのは、ビジネスホテルの確定値が3月・5月・8月に山を作り、6月に谷(2026年6月 ¥6,500)を持つという点だ。2026年6月は前年同月比−0.9%とほぼ横ばいで、この谷は単年の変動ではなく季節形状として繰り返されている。9月以降は現時点の販売状況に基づく推定値となるが、9月 ¥9,500、10月 ¥9,600、11月 ¥9,600(いずれもN=84〜90施設)と、確定値より高い水準で推移する見通しが立っている。この数値は今後の販売状況によって変動し、確定値との単純比較は月末の確定を待つ必要がある。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

朝食オペレーションは曜日で負荷が変わる — 8月の推定OCC

食事付き商品を強化するかどうかは、価格だけでなく提供体制の話でもある。そこで香川県のビジネスホテルについて、直近の経過月である2026年8月の推定OCC(OTA掲載在庫ベース・対象42施設/客室2,995室、主要予約サイト掲載ベース)を曜日別に集計した。月平均は82.9%、最も高いのが木曜の91.0%、最も低いのが日曜の76.0%で、その差は15.0ポイントに達する。

火曜85.3%・水曜86.5%・木曜91.0%という週央の厚みは、平日出張需要の形そのものだ。土曜は84.8%と週央より低く、8月というレジャー最需要期でも週央がピークになっている。朝食会場の席数・スタッフシフトを「週末厚め」で組んでいる施設があれば、実際の泊数分布とズレている可能性がある。なお日別で最も高かったのは8月13日の97.7%で、盆の帰省需要が最も強く効いた日だった。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

自館の数字に当てはめる — 素泊まり単価×差分率の早見表

ここまでの差分は県全体の観測値なので、自館の設定に落とすには素泊まり単価と掛け合わせる必要がある。下表は縦軸に自館の素泊まり単価、横軸に観測された差分率をとり、対応する朝食付の設定単価と差額を並べたものである。県のビジネスホテルの素泊まり平均は¥15,414(2026年9月宿泊分・対象28施設)なので、その行が県の標準的な水準に近い。

表4 素泊まり単価×朝食差分率でみた朝食付単価の早見表(縦:自館の素泊まり単価/横:差分率/セル:朝食付単価と差額)

素泊まり単価
+5.0%
控えめ
+9.1%
香川ビジネス
+12.7%
高松市
+17.6%
香川シティ
+22.9%
全国最高

¥12,000¥12,600
+¥600¥13,092
+¥1,092¥13,524
+¥1,524¥14,112
+¥2,112¥14,748
+¥2,748¥14,000¥14,700
+¥700¥15,274
+¥1,274¥15,778
+¥1,778¥16,464
+¥2,464¥17,206
+¥3,206¥15,414
県平均¥16,185
+¥771¥16,817
+¥1,403¥17,372
+¥1,958¥18,127
+¥2,713¥18,944
+¥3,530¥17,000¥17,850
+¥850¥18,547
+¥1,547¥19,159
+¥2,159¥19,992
+¥2,992¥20,893
+¥3,893¥20,000¥21,000
+¥1,000¥21,820
+¥1,820¥22,540
+¥2,540¥23,520
+¥3,520¥24,580
+¥4,580

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

※ 横軸の率は同一ホテル内ペア比較で観測された値(+22.9%は2026年9月宿泊分のビジネスホテルで最も高かった奈良県・対象14施設)。自館の適正水準を示すものではなく、設定差を市場の観測レンジのどこに置くかを確認するための参考表である。

読み方は単純で、自館の「朝食付単価 − 素泊まり単価」が表のどの列に当たるかを確認するだけでよい。素泊まり¥15,414の館が朝食付を+¥1,403(+9.1%)で出していれば県の中央的な設定、+¥771(+5.0%)なら県平均より約¥630/泊少なく取っていることになる。稼働82.9%(2026年8月・対象42施設)で月30日を単純に掛ければ、100室の館でこの差は月あたり百万円台後半の規模になる。

2食付を検討する場合は、この朝食付単価にさらに+29.1%(ビジネスホテル・対象9施設)を乗せた水準が県内の観測レンジになる。素泊まり¥15,414・朝食付¥16,817の館であれば2食付は¥21,700前後で、朝食付との差額は約¥4,900。この差額が夕食1食あたりの追加原価と提供人件費を上回るかどうかが、商品化の判断軸になる。

香川県のビジネス・シティホテルを運営するレベニューマネージャーへ — 示唆とアクションプラン

(1) 自館の朝食料金は「市場が取れている差分」の内側か外側か。 香川県のビジネスホテルで観測される朝食の差分は+9.1%・約¥1,400(対象28施設)、高松市に限れば+12.7%(対象18施設)。自館の素泊まりと朝食付の設定差がこれを大きく下回っているなら、市場が受け入れている水準まで届いていない可能性がある。逆に大きく上回っている場合は、朝食の内容が差分に見合っているかを利用率で確認したい。

(2) 朝食料金の「固定運用」が率を薄めていないか。 ビジネスホテルの差分は5か月で約¥1,300〜¥1,600と狭い帯に収まり、シティホテルは+24.2%(5月)から+17.6%(9月)へ縮小した。素泊まり価格だけを動かして朝食料金を据え置けば、繁忙期ほど朝食の相対価値は薄まる。朝食を定額オプションとして固定するのか、価格帯に連動させるのかは、意識して選ぶべき設計判断になる。

(3) 伸びしろが大きいのは朝食より夕食側。 ビジネスホテルでも2食付と朝食付の差は+29.1%・約¥4,400(対象9施設)、シティホテルでは+64.5%(対象5施設)。ただし該当施設数は9施設・5施設と限られており、県内で夕食付を商品化している施設はまだ少ない。提供体制が組める施設にとっては、競合が薄い領域での単価上乗せ余地として検討する価値がある。

(4) 価格の土台は前年並み、稼働は週央厚め。 ビジネスホテルの推定成約ADRは1〜8月平均で前年同期比+1.7%と横ばい圏、2026年8月の推定稼働は木曜91.0%・日曜76.0%。素泊まり単価だけで前年超えを狙うより、稼働が厚い週央に食事付き商品の構成比を上げるほうが、同じ在庫からの取り分を増やしやすい局面といえる。

表5 香川県のビジネス・シティホテル向けアクションプラン(判断トリガーと狙い)

時間軸
打ち手
判断トリガー
狙い

今日〜今週自館の素泊まりと朝食付の設定差を、全販売経路で一覧化する設定差が県のビジネスホテル水準(+9.1%・約¥1,400)を下回ったままなら取りこぼしている差分の把握
今日〜今週朝食利用率を曜日別に棚卸しし、席数・シフトの前提と突き合わせる週末厚めのシフトなのに、市場は2026年8月実績で木曜91.0%・日曜76.0%の形である場合提供体制と需要の形のすり合わせ
2週間以内朝食料金を定額固定のままにするか、価格帯連動にするかを決める繁忙月と閑散月で自館の朝食差分の率が大きく開いている場合需要期に相対価値が薄まるのを防ぐ
2週間以内高松市エリアの館では、朝食付の訴求文言と写真を出張利用の文脈で見直す高松市の水準(+12.7%)に対し自館の差分が届いていない場合エリア特性に沿った差分の回収
来月に向けて夕食付・2食付の商品化可否を、提供体制と原価から検討する2食付と朝食付の差(ビジネス+29.1%)が自館の追加原価を上回ると見込める場合競合が薄い領域での単価上乗せ
来月に向けて10〜11月の価格カレンダーを、6月の谷・8月の山という季節形状を前提に組み直す自館の10〜11月設定が市場の現時点推定(10月 ¥9,640/11月 ¥9,570)から乖離している場合季節形状に沿った改定タイミングの確保

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

※ 効果を保証するものではなく、自館の商品構成・提供体制に応じた検討材料として提示している。

まとめ — 香川の食事プレミアムを測る3つの物差し

第1の物差しは「+9.1%と+17.6%」。 香川県で同一ホテル内の朝食差分は、ビジネスホテルで+9.1%(対象28施設)、シティホテルで+17.6%(対象9施設)。自館の設定差をこの2つの数字に当てて、内側か外側かを判定するのが出発点になる。

第2の物差しは「夕食は朝食の3倍前後」。 ビジネスホテルの2食付は朝食付比+29.1%(対象9施設)、シティホテルは+64.5%(対象5施設)。該当施設数はまだ少なく、提供体制を組める施設にとっては競合の薄い領域である。

第3の物差しは「価格は横ばい、稼働は週央」。 ビジネスホテルの推定成約ADRは1〜8月平均で前年同期比+1.7%と横ばい圏、2026年8月の推定稼働は木曜91.0%・日曜76.0%。素泊まり単価の引き上げ一本ではなく、需要が厚い曜日に食事付き商品の構成比を動かす設計が、次の一手として現実的だ。

集計方法と出典

■ データソース

主要な宿泊予約サイトで公開されている販売プラン・掲載在庫を当社が日次で収集し、集計したもの。食事プレミアムは同一ホテル内で素泊まりと食事付プランの両方が販売されている施設のみを抽出した同一ホテル内ペア比較(大人2名1室の照会価格ベース)、推定成約ADRは同じ販売データから推定した成約価格水準、推定OCCはOTA掲載在庫の消化状況からの推定値。対象期間は食事プレミアムが2026年5月〜9月宿泊分、推定成約ADRが2025年1月〜2026年12月、推定OCCが2026年8月宿泊分。データ取得時点は2026年9月10日。全国比較(表2・表3)は同一の集計方法を47都道府県に適用した2026年9月宿泊分。

■ 試算前提

食事プレミアムは施設を固定した差分指標であり、価格の水準(ADR)ではない。旅館は食事込みが標準商品のため集計対象外。対象施設数(N)が5未満の組み合わせは掲載せず、全国順位の母数も組み合わせごとに異なる。前年同月比は確定値同士のみで算出し、現時点推定値と前年確定値の単純比較は行っていない。表4の早見表は、観測された差分率を任意の素泊まり単価に機械的に乗じた参考値であり、自館の適正水準を示すものではない。表4本文中の月次換算(100室・2026年8月の推定稼働82.9%・30日)は規模感を示すための単純計算である。

■ 限界・留意点

推定OCCはOTA掲載在庫ベースの推定値で、実客室稼働率とは定義が異なる(掲載外の客室を消化済み側に数えるため高めに出る)。推定成約ADRは公表運営実績との照合で誤差中央値6.6%。シティホテルの対象施設数は9〜11施設、2食付関連は5〜9施設と小さく、数施設の商品改定で率が大きく動きうる。2026年9月以降の推定成約ADRは現時点の販売状況に基づく推定値であり、確定値ではない。全国順位は対象5施設以上の都道府県に限った相対順位であって、除外された都道府県を含めた順位ではない。

・推定OCCの定義:OTA掲載在庫ベース稼働率 = 100 − 100 × OTA掲載残室数 ÷ 総客室数。対象は総客室の30%以上をOTAに掲載する施設で構成した固定コホート(各宿泊日で同じ施設集合)。OTA上で販売される在庫の消化状況に基づく推定値であり、実客室稼働率とは定義が異なる(掲載外の客室を消化済み側に数えるため高めに出る)。本記事の対象月は2026年8月、対象は香川県のビジネスホテル42施設/客室2,995室(主要予約サイト掲載ベース)。
・観測窓:推定OCC・ブッキングカーブは宿泊日の45日前から直近までの観測に基づく。本記事では宿泊日直近時点の観測値を用いている。
・推定成約ADRの定義:OTA等の販売データ(最安プラン水準×業態別係数・複数チャネルのアンサンブル)から推定した成約価格水準(税抜相当)。過去月は確定値、現在・未来月は現時点の販売状況に基づく推定値。公表運営実績との照合で誤差中央値6.6%。対象は香川県のビジネスホテル N=90施設(2026年9月時点)、シティホテル N=10施設(2026年1〜8月確定値)〜11施設(2026年9月時点)。前年同月比は確定値同士のみで算出しており、現時点推定値と前年確定値の単純比較は行っていない。
・食事プレミアムの定義:同一ホテル内で素泊まりプランと食事付プラン(朝食付/夕食付/2食付)の両方を販売している施設のみを対象に、施設ごとの差を集計した差分指標。施設が固定されるため立地・グレード差の影響を受けない一方、価格の水準(ADR)を示す指標ではない。旅館は食事込みが標準商品のため集計対象外。対象施設数(N)は組み合わせごとに異なり、本記事では N=5〜50施設(各数値に併記)。N が5未満の組み合わせは掲載していない。
・対象Nの内訳:食事プレミアム(2026年9月宿泊分)=全体50施設・ビジネスホテル28施設・シティホテル9施設(朝食付 vs 素泊まり)、2食付関連は5〜27施設。高松市は全体23施設・ビジネスホテル18施設・シティホテル5施設。
・データ時点:2026年9月10日。販売状況・在庫は日々変動するため、本記事の数値は取得時点のスナップショットである。

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