通信インフラ事業と地域振興事業を手掛ける株式会社ALL CONNECT(代表取締役社長:岩井宏太、本社:福井県福井市)は、国立大学法人福井大学大学院工学研究科 経営・技術革新工学研究室と連携し、「プロスポーツクラブが地域にもたらす価値の可視化」をテーマに産学連携講義(全3回)を実施しました。

2026年5月から7月にかけて実施した本講義には、学生約120名が参加。オールコネクトがオーナー企業を務めるプロバスケットボールクラブ「福井ブローウィンズ」を題材に、プロスポーツクラブが地域にもたらす影響について、学生自ら仮説を立て、調査方法を検討・実践しました。最終講義では、事前レポートから選ばれた約10グループがそれぞれの調査結果を発表。オールコネクトの地域振興事業担当者らも参加し、実際に事業に携わる立場から講評・フィードバックを行いました。

■本講義の狙い|スポーツがもたらす地域価値の可視化と人材育成

本講義は、福井ブローウィンズを題材に、学生が実社会のテーマについて考え、学びを深める産学連携の取り組みです。本講義では、以下の3つを主な狙いとしています。

■ 地域振興効果の可視化
福井ブローウィンズがもたらす経済波及効果だけでなく、活動によって生まれる人々の行動や意識、人とのつながりなど、数字だけでは捉えにくい地域への変化や価値の可視化に取り組みます。

■ 実践的な人材育成
学生が実社会のテーマに対して、自ら仮説を立て、調査・分析、成果発表までを経験することで、将来の起業や就職活動などにも生かせる実践的な学びを深めます。

■ 10年続く産学連携モデル
単年度で終わらず、長期にわたり地域に関する知見を蓄積しながら、企業・行政・大学が共創するプラットフォームを目指します。

【全3回講義の流れ】

第1回|5月 仮説立案
福井ブローウィンズが地域にもたらす変化についてグループでディスカッション。定性的な影響をそれぞれの視点から仮説を立案。

第2回|6月 調査手法設計
第1回で立てた仮説を検証するため、調査方法を検討・設計。

第3回|7月 調査結果の発表・共有
学生が自ら行った調査の結果や考察をまとめ、事前レポートから選ばれた約10グループが成果を発表。

昨年度の共同研究成果報告会:https://all-connect.co.jp/sangaku-renkei/case/3533/

■講義の様子|学生自ら地域への影響を考え、仮説立案

第1回・第2回の講義では、学生が「福井ブローウィンズが地域にどのような変化をもたらしているのか」をテーマに、グループごとにディスカッションを実施。さまざまな立場や視点から地域への影響を考え、それぞれのグループで仮説立て、その仮説を検証するための調査へとつなげました。

人々の行動や意識の変化といった定性的で数値では捉えにくい地域の変化や価値をデータで可視化するため、学生自ら調査方法を検討・実践しました。

学生からは、次のような仮説が挙がりました。

■ カップル
「試合観戦という新しいデートの選択肢が増え、感情を共有できる機会が生まれた」

■ 県外在住の福井県出身者
「ニュースなどで福井ブローウィンズの活動を見る機会が増え、福井へ帰る回数やUターン就職を考えるきっかけになった」

■ 高齢者
「孫と一緒に試合へ出掛ける機会が増え、世代間交流につながった」

■ 県外の福井出身大学生
「地元・福井の盛り上がりを感じ、福井で働くことを考えるようになった」

こうした仮説をもとに、地域の小学校などでアンケートを行ったりと、学生たちは自ら調査手法を設計。データを集め、その成果を第3回の最終講義で発表しました。

■最終講義|約10グループが調査成果を発表

7月17日に実施した第3回の最終講義では、事前レポートから選ばれた約10グループが、それぞれ設定した仮説をもとに行った調査の結果を発表しました。学生たちは、調査から得られたデータを分析し、福井ブローウィンズの存在が人々の行動や意識、地域との関わりなどにどのような変化をもたらしているのか、それぞれの視点から考察しました。

あるグループは、県内在住の若者およそ70人を対象にアンケート調査を実施しました。調査では、福井ブローウィンズを知っている人が8割を超える一方、休日の過ごし方として試合観戦を選択する人は6.5%という結果に。チームの認知が広がっている一方で、実際の観戦行動には十分につながっていないという点に着目しました。

その結果を踏まえ、試合観戦だけでなく地域でのさまざまな体験へとつなげる参加型の仕組みを提案。若者が観戦に足を運ぶきっかけをつくるとともに、新たな来場者の獲得や地域内での回遊・消費につなげるアイデアを発表しました。

各グループの発表後には、ALL CONNECTの地域振興事業担当者らが、実際に事業に携わる立場から講評・フィードバックを行いました。

講評では、調査内容だけでなく、仮説や調査結果から見えてきた価値を「相手に伝え、理解してもらうこと」の重要性についても言及。事業を推進していくためには、その価値や目指す姿を分かりやすく伝え、共感してくれる仲間や協力者を増やしていくことが欠かせません。今回、学生が仮説を立て、調査によって根拠を集め、その結果をプレゼンテーションするまでの一連のプロセスを経験したことについて、今後にもつながる実践的な学びとしてフィードバックしました。

また、学生から提案されたアイデアの中には、実際に検討・推進している施策と重なるものもあり、担当者から驚きの声も。学生が調査を通じて見つけた課題には、実際感じているものもあり、学生ならではの柔軟な視点やアイデアからは新たな気づきを得る機会にもなりました。

■関係者コメント

福井大学 基盤部門

地域創生推進本部 教授

今年度の「アントレプレナーシップ論」では、約150名の学生が33チームに分かれ、福井ブローウィンズを題材とした実践的なPBLに取り組みました。学生自ら仮説を立て、観戦やアンケート、インタビュー等を通じてデータを収集・分析し、地域におけるプロスポーツの新たな価値や可能性を提案できたことは、大きな成果です。今後は、学生が得た多様な仮説やデータを研究室でも引き継ぎ、経営工学の視点からさらに定量的な分析・検証を進めます。授業で生まれたアイデアを研究へ、そして実際の事業や地域の変化へとつなげていきたいと考えています。

株式会社ALL CONNECT

第二事業本部 本部長

今回、学生たちに向き合ってもらったのは、スポーツの価値を調べることだけではなく、目に見えにくい価値を見つけ、他者に伝えることです。事業は、良い構想や収益性だけでは前に進みません。その事業が社会や人に何をもたらすのかを言葉にし、銀行や出資者をはじめとする関係者の理解と協力を得る。その力こそ、これからの起業家に必要だと考えています。私自身も現役の事業家として、こうした力を持つ人を福井から増やし、事業の力で福井を、そして日本を必ずより良くしていきます。

■法人概要

株式会社ALL CONNECT

代表取締役

岩井 宏太

所在地

福井県福井市栂野町第15号1番地2

設立

2005年4月21日

URL

https://all-connect.co.jp/

国立大学法人 福井大学

所在地

文京キャンパス:福井県福井市文京3丁目9番1号福井大学大学院工学研究科 経営・技術革新工学研究室(教授 竹本拓治)

URL

https://www.u-fukui.ac.jp/

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