2026年8月25日 午前7時30分
【論説】北陸新幹線の沿線10都府県でつくる同盟会(会長・石田嵩人福井県知事)が8月上旬に東京都内で建設促進大会を開き、敦賀-新大阪間の小浜・京都ルート桂川案による早期全線開業を政府・与党に求める決議を採択した。
自民党と日本維新の会による与党整備委員会がルート再検証の末、7月に現行計画だった小浜・京都ルートの桂川案で同意してから初めての大会。京都府・市が建設財源の地元負担軽減、地下水への影響の懸念払拭などを求める中、今後は国が財源見通しなどの「着工5条件」を確認する段階に入る。大会で京都府知事は代理出席となり、2027年度内の認可・着工を目指す福井県側との温度差も感じられた。京都府・市の理解は5条件クリアに不可欠であり、福井県の政治、行政、経済各界が連携し、地道に具体策を積み重ねる必要がある。
まず焦点となるのは、京都府・市が求める建設財源に対する地方負担軽減をどう進めるか。与党は桂川案の決定に合わせ、地方負担の「極小化」に向けて貸付料(JRが国側に支払う施設リース料)の拡充や国と地方の負担割合の変更などを具体的に提示した。実現には国土交通省、財務省、総務省の関係省庁が一体となった対応が求められ、与党整備委内で桂川案決定に尽力した県内選出の稲田朋美衆院議員(自民)、滝波宏文参院議員(同)には引き続き汗をかいてもらいたい。維新との連携も図りながら、年末に向けて編成される27年度政府予算で認可・着工に必要な予算を勝ち取らなくてはならない。
石田知事は大会で「国家プロジェクトを前に進める原動力は沿線の熱意」と言葉に力を込めた。政府・与党に対する中央要請を続けることも大切だが、それだけでは沿線の熱意醸成はできない。同盟会会長としてのアイデアと行動を示してもらいたい。
現状は京都側の建設に対する懸念がクローズアップされがちだが、与党整備委の意見聴取に対し、関西経済連合会は「いかに北陸とスムーズにつながるかが重要」と小浜・京都ルートの意義を訴えた。東海道新幹線に北陸新幹線という新たな高速交通軸が加われば、都市間交流は活性化し、現在の桂川駅周辺に新駅を設けるまちづくりは多様なビジネスチャンスを生み出す。北陸も含め、経済界からの期待の声を顕在化させる取り組みは重要だろう。
ルート開業で小浜と京都は19分でつながる見通し。レジャーだけでなく、自然豊かな若狭との2拠点生活も可能になる効果も強力に発信し、経済界に限らず広く京都府民の潜在的な期待感を掘り起こす運動にオール福井で取り組んでいきたい。
