ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2026.08.17 13:12

通常、交渉ではデッドラインが決まっている側が不利になりがちだ。11月の中間選挙で米国民の政治的審判を控えているトランプ氏のほうが焦っているということだ。一方、すでに長期化した制裁にある程度の耐性ができているイランは、燃料・電力の配給や外貨統制などを通じて生き残りを図る経済体制に転換し、長期戦に備えている。

ただし、制裁の恐ろしい点は、耐えられる水準であっても臨界点を超えた瞬間から苦痛の度合いが急速に高まることだ。オバマ政権当時の2015年、イランが核合意(JCPOA)に応じた背景にも、リヤルの価値暴落などで経済が急速に崩壊したことが大きな影響を及ぼした。中道・実用路線のハサン・ロウハニ大統領が当選したのも、結局はこれにより民心が対米強硬派指導部に背を向けた結果だった。

これに関連し、スコット・ベッセント米財務長官は早ければ今週にも追加制裁を科すと予告し、これは海上封鎖と相まってイランに大きな苦痛を与える「ワンツーパンチ」になると明らかにした。

ロイター通信は、このため米国がセカンダリー・ボイコット(2次制裁、制裁対象と取引する第三国の個人・団体も制裁)を活用し、中国の銀行も標的にする可能性があると予想した。米財務省は中国系大手銀行2行に対し、イラン資金の移動に関与したことが立証されれば2次制裁の対象になり得ると警告してきたが、実際に制裁対象に指定する可能性があるということだ。これは中国の他の金融機関にも警告効果を与える可能性がある。また、イランの海上輸送原油の80%以上を購入する中国の独立系「ティーポット(teapot)」製油所に対する2次制裁も、選択肢として取り沙汰されている。

ただし、トランプ氏と習近平中国国家主席の首脳会談が9月末に予想されているうえ、中国が再びレアアース(希土類)など重要鉱物の輸出制限といった報復措置に乗り出す懸念があるとロイターは説明した。

一方、対イラン軍事作戦を総括するブラッド・クーパー米中央軍司令官は15日(現地時間)、中東に配備されている空母エイブラハム・リンカーンを訪れた。長期派兵の余波で乗組員が投身自殺を図ったとの主張が出るなど、将兵のメンタルヘルスが脅かされているとの指摘が続いたことを受け、直接訪問したものとみられる。リンカーンには約5000人が乗艦している。クーパー司令官はリンカーンに乗艦し、「歴史は今回のリンカーンの派兵を現代海軍史上、最も過酷で重大な作戦配備の一つとして記録するだろう」と強調した。

民主党はリンカーン乗組員のメンタルヘルス問題をめぐり攻勢を続けている。食料不足や飲料水の汚染、衛生施設の故障、メンタルヘルス悪化の疑惑を調査するよう国防総省(戦争省)に求めた。

特にトランプ氏が14日、アンドルーズ統合基地で記者団と会い、リンカーンの配備が長すぎるのではないかという趣旨の質問に「まだ全然長くない(Not nearly long enough)」と答えたことへの批判も続いた。陸軍将校としてアフガニスタンに従軍した経験があるウェス・ムーア・メリーランド州知事は「われわれ全員が憤るべき発言」と指摘した。

イランは持ちこたえ、トランプ氏は焦る…今はもう「苦痛への耐久力」の戦い(1)

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