(CNN) プエルトリコの元ボクサー、プリチャード・コロンさんが33歳で死去した。プロ唯一の敗戦となった試合で、人生を一変させる頭部への打撃を受けてから11年が経過していた。

コロンさんの父親は13日、フェイスブックを通じて訃報(ふほう)を伝えた。

父親は「息子のプリチャードがこの世を去ったことを、沈痛の思いでお知らせする」とつづり、「いま息子はもっと良い世界にいる」と言い添えた。

「長年の愛情と祈りに感謝する。どうかできる限り祈り続けてほしい」とも記した。

コロンさんは米フロリダ州に生まれたが、幼少期に家族とプエルトリコへ移住した。有望な若手として頭角を現すと、アマ国内5冠に輝き、パンアメリカン・ユース選手権では金メダルを獲得した。いずれも20歳になる前の実績だ。

2013年のプロ転向後も同じように成功を収めた。スーパーウェルター級のコロンさんは計17試合に出場して16勝を挙げ、うち13勝はKOだった。

15年9月には、元世界ボクシング協会(WBA)王者のビビアン・ハリス選手と対戦。第4ラウンドでKO勝ちを収めた。

しかし1カ月後、米バージニア州でテレル・ウィリアムズ選手と対戦し、これがスターに上り詰めつつあったコロンさんの運命を一変させる夜となった。

コロンさんは当時20代前半。ロイター通信によると、プロモーターは試合後の声明でコロンさんの容体に触れ、ウィリアムズ選手との10ラウンドの試合中、頭部への反則打などで負傷したことを明らかにした。

ウィリアムズ選手からパンチを受けるコロンさん/Patrick Smith/Getty Images
ウィリアムズ選手からパンチを受けるコロンさん/Patrick Smith/Getty Images

プロモーターによると、コロンさんは試合後、控室で頭部外傷の症状を示し、搬送先の病院で脳内の圧力を軽減する手術を受けたという。

インターネット上で公開された試合映像には、第7ラウンド、ウィリアムズ選手がコロンさんの後頭部にパンチを加える様子が映っている。コロンさんは動揺している様子だ。コロンさんはコーナーで簡単な検査を受け、ウィリアムズ選手は反則打へのペナルティーを科された。

コロンさんは第9ラウンドで2度のダウンを喫した。試合後のロイター通信の報道によると、9ラウンド終了後、コロンさんの陣営はこれが最終ラウンドだと判断して誤ってグローブを外し、コロンさんの失格が宣告された。

コロンさんは一命を取り留めたものの、このときの負傷が原因で引退を余儀なくされた。父親が後日オンラインで公開した写真には、車椅子姿のコロンさんがたびたび写っていた。

父親に車椅子を押してもらうコロンさん=2017年5月22日、フロリダ州ウィンターパーク/Phelan M. Ebenhack/For The Washington Post/Getty Images
父親に車椅子を押してもらうコロンさん=2017年5月22日、フロリダ州ウィンターパーク/Phelan M. Ebenhack/For The Washington Post/Getty Images

世界ボクシング評議会(WBC)は13日の声明でコロンさんを「永遠のチャンピオン」とたたえ、哀悼の意を表した。

WBCはコロンさんの悲劇を契機に「安全規則を厳格化し、後頭部への打撃(ラビットパンチ)を一切容認しない姿勢を徹底する」とともに、より厳しい医療プロトコルを導入したという。

WBCは「安らかに眠れ、親愛なるプリチャード。あなたのレガシー(遺産)と笑顔は、私たちの心の中に永遠に残り続ける」と述べている。

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