現在Microsoftは、「Windows」「macOS」「iOS」「Android」およびウェブ向けに2種類の「Copilot」アプリを提供している。通常のCopilotアプリは消費者や個人ユーザー向け、「Microsoft 365 Copilot」アプリは組織やプロフェッショナルアカウント向けに設計されている。

 このように2つのCopilotが存在し、特に両アプリを行き来するユーザーにとって紛らわしい。どちらのアプリをどのような目的で使うべきなのか迷うからだ。そこでMicrosoftがこの2つのアプリを1つに統合し、その課題を解決しようとしている。

 9月中旬から順次展開される予定の新しい統合Copilotアプリは、別々の類似アプリ体験を融合する同社の試みだ。この目的のもと、新しい単一アプリは職場、学校、個人の各アカウントでサインイン可能となる。自宅や職場でメール、カレンダー、クラウドベースのサービスに接続できるようになる。

新統合版Copilotアプリ

 Microsoft 365サブスクリプション加入者は、無償版Copilotのユーザーよりも引き続き高い利用制限枠を享受できる。またサブスクリプション加入者は、「Word」「Excel」「Outlook」などのMicrosoft 365アプリやファイルにCopilotから直接アクセスすることも可能だ。無料/有料ユーザーとも質問、リクエスト送信、画像生成、ファイルアップロード、テキストや音声による対話など現行の標準的なCopilot機能は全て利用できる。

 それ以外の点で新しい統合Copilotアプリで何ができるかは、現在のユーザーの使用状況により異なる。

 個人アカウントで通常のデスクトップ版やウェブ版のCopilotアプリを使用している場合は、新しいAIバージョンに自動で移行する。ほとんどのチャット履歴や主要コンテンツは引き継がれる。Microsoftは移行手順を案内するという。一方、モバイル版Copilotアプリを使用している場合は、最新版をダウンロードする必要がある。

 Microsoft 365アカウントではなく個人アカウントでMicrosoft 365 Copilotアプリを使用している場合、表示やナビに一部変更が生じるが、追加費用なしで「Copilot Chat」を利用できる。Windowsでは、タスクバー上のMicrosoft 365 Copilotアプリのアイコンが更新される場合がある。モバイルアプリの更新は自動か手動の操作が必要になる場合がある。

 個人アカウントでCopilotとMicrosoft 365 Copilotアプリの両方を使用している場合、チャット履歴とコンテンツが新しい統合アプリに移行される。また、Windowsやモバイル端末で職場や学校用としてMicrosoft 365 Copilotを使用している場合、Copilotのアイコンと名称は変更されるが、それ以外の全体的な使用感はほぼ同一となる。

 現在の利用形態を問わずデスクトップとモバイルのユーザーに移行作業が案内される。ウェブのユーザーはオンライン上の更新版Copilotに自動でリダイレクトされる予定だ。Microsoftは正式展開開始前に、これらの変更点を顧客に周知するという。

 実質的に同等機能の異なる2つのアプリの併用は、不便である以上に不要だ。新しい統合アプリでは、Copilot内に用意されるアカウント切り替え機能を使い、個人用と仕事用を自由に切り替えられる。機密ファイルや情報を扱うプロフェッショナル向けとして、Microsoftは、仕事用環境と個人用環境を厳格に分離し、両者間でデータが相互に流出することがないと約束している。

廃止される3つの機能

 2つのCopilotアプリが1つになる一方で、Microsoftは以下の3つの機能を廃止する。

グループチャット:グループチャット内で作成されたメッセージ、会話、画像は8月18日以降アクセスできなくなる。これらを保存したい場合は、同日までに別の文書やファイルにコピーしておく必要がある。
ポッドキャスト:8月18日以降はポッドキャストの新規作成および作成済みポッドキャストへのアクセスができなくなる。保存したい場合は、ライブラリから個別にダウンロードしておく必要がある。
「Deep Research」モード:8月18日以降は選択肢から除外される。過去に作成したDeep Researchのレポート自体には引き続きアクセス可能だが、新規レポートの作成は行えなくなる。なお「Microsoft 365 Premium」のサブスクリプション加入者に限り、「Researcher」ツールを使用して詳細なレポートの作成を継続できる。

 今回の取り組みは、Copilotにとって前向きな一歩だろう。MicrosoftのAIに対してどのような評価を下すにせよ、多彩な製品展開やバリエーションの中でCopilotが扱いづらくなっていたのは事実だ。同じ目的を果たすアプリであれば、2つに分けるのではなく1つにまとめる方が合理的だ。重大な問題が生じることなく移行がスムーズに進むことを期待したい。新しくなった統合アプリを実際に試すのが楽しみだ。

提供:Lance Whitney/ZDNET
提供:Lance Whitney/ZDNET

この記事は海外Ziff Davis発の記事を4Xが日本向けに編集したものです。

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