【安木レポート】フランス後退の空白を埋めるロシア、赤道ギニアからナイジェリアへ伸びる軍事的影響力
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安木 新一郎
函館大学商学部教授/択捉島水産会理事
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2026.8.13(木)
ロシア 中東・アフリカ
プーチン大統領の料理人として名を馳せたブリゴジン氏(写真:ロイター/アフロ)
2023年6月、プーチン大統領の「料理人(シェフ)」と呼ばれていたプリゴジンは、私兵集団ワグネルを率いてウクライナの前線から戻り、後方のロストフ・ナ・ドヌーを占領。モスクワへ進撃したものの途中で行軍を取りやめた。その2カ月後、プリゴジンは飛行機事故で死亡した。
プーチン大統領は毒殺を恐れているので、信頼できないものは食べない。日本に来た時も日本側の用意した料理には手をつけなかった。一方、プリゴジンが給仕した料理は食べており、狩猟仲間の元国防相ショイグや、元ボディーガードで国家親衛隊トップだったゾロトフらと並び、もっとも信頼できる友人であり配下だった。
プリゴジンとワグネルにプーチン大統領が与えていた資金と特権は莫大なものだったとされる。そのため、ワグネルはアフリカで勢力を拡大。主に現地の軍事独裁政権の傭兵となり、その国の資源を獲得し、軍事拠点を建設していった。
3年前のプリゴジンの反乱以降、ワグネル傘下の兵は国家親衛隊に組み入れられたとされるが、アフリカでの活動は止まるどころか拡大している。
そんなアフリカにおける旧ワグネルの活動に神経をとがらせているのが米国だ。米CRS(Congressional Research Service)によると、プリゴジンの反乱以前から、リビア、スーダン、マリなどにワグネルはいたが、反乱後にはこれらの国に加え、ニジェール、ブルキナファソ、トーゴ、マダガスカルそして赤道ギニアで活動しているという。
ロシアはインド洋(マダガスカルやモザンビーク)・紅海(スーダン)に海軍の拠点を得ようとしており、また、ナイジェリアを包囲するように勢力を拡大してきた。アフリカ最大の人口をもち、豊富な石油資源を有するナイジェリアについては、トランプ大統領が米軍の派遣を公言するなど、重要でかつ不安定な国だ。
ロシアは、石油をはじめとする一次産品に依存した経済体制のアフリカ諸国、いわば「小さなロシア」をロシア陣営に引き込むことに成功しつつある。以下、主に赤道ギニアを例にとって、ロシアのアフリカ進出について詳しく見てみたい。
