奈良県桜井市 音羽山観音寺後藤住職の花だより - 鳥の声響く山寺の夏 生き物たちは生き生きと

サクラはこの日の朝も釣り鐘堂に

 早々に梅雨明けが発表された、7月上旬の奈良県桜井市にある音羽山観音寺。標高600mのこの場所では、本格的な夏を迎えても、まだ日陰では涼しさも感じられます。

 「ウグイスがまだ鳴いているわね。8月初めごろまでは鳴くかしら」

 気持ちよさそうに鳴く鳥の声が響き渡っています。

 「今朝は、聞いたことがないような鳥の声がしていたわ。にぎやかよ」

 後藤住職は、鳥のことはそんなに詳しくないそうですが、鳥を好きな人にとっても、ここは興味深い場所なのではないでしょうか。

 「ハス、今年は咲かないと思うわ」

 住職の庭にあるハスの鉢。昨年はとてもきれいに咲きましたが……。

 「葉は出ているけど、蕾が出てないのよ。今年は植え替えをしなかったからね」

 年によって、また植え替えるかどうかで違うのですね。ハスの鉢を見ていると、ハスの葉にそっとカエルが座っていました。

 「猫が遊びに来るのよね」

 後で聞くと、今年もいくつか蕾がつき、順番に花を咲かせたそうです。

 庭の植物を見ていると、バッタやマルバナバチなどの虫たちの姿もあちらこちらにあります。

 「今年はミヤコワスレも虫に食べられたのよ。好きだから、あっちらこちらにいっぱい植えたのに、全部丸坊主よ」

 一度食べられると、次に出てくる時も小さい花しか咲かないそうです。

 「ショックだったとみえるわ」

 花もショックでしょうが、住職もショックだったでしょうね。

 無量庵の前に、先月きれいな黄色の花を咲かせていたヒペリカムは、赤い実をつけています。

 「花は一日草だから、すぐ散っちゃうのよ。実も初めはもっと真っ赤だったのよ」

 無量庵の中には、ホタルブクロと一緒に、実が生けられていました。

 この日、寺についた記者に住職が出してくれたのは、赤と緑の冷たい飲み物。赤い方はしそジュースでしょうが、緑の方は……。

 「ドクダミ茶よ」

 先月、話に聞いていたドクダミの生葉を使ったお茶です。

 「さっき持っていたでしょ。朝とった葉を5枚ほどちぎって、水と一緒にミキサーにかけるのよ。きれいな色でしょ」

 確かに緑茶のような鮮やかな緑色です。味は……。記者の頭には「良薬口に苦し」という言葉が浮かびました。苦いというほどではありませんが、体によさそうな気になる味ですね。

音羽山観音寺
山の中にある尼寺。奈良県桜井市南音羽。
JR・近鉄桜井駅下車、桜井市コミュニティバス談山神社行、下居下車、約2km。
火曜日閉門。17日の御縁日が火曜日の時は開門、翌日閉門
※8月18日〜9月1日は夏休みにつき閉門

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