生活の再建に欠かせない「罹災証明書」の発行手続きが始まっている(写真:ロイター/アフロ)

地震で自宅の壁に大きな亀裂が入った。豪雨で床上まで水に浸かった。台風で屋根が吹き飛ばされた——。自然災害に遭った人が、その後の生活を立て直そうとするとき、重要になるのが「罹災証明書」です。この7月28日に発生した最大震度7の熊本地震でも、自治体が罹災証明書の発行を進めています。では、この証明書は何を証明し、どのような効力を持っているのでしょうか。「罹災証明書」をやさしく解説します。

罹災証明書の手続き始まる

 今回の熊本地震では発生から3日が過ぎたころから、被災地の自治体で罹災証明書の発行手続きが始まりました。このうち、震度7を記録した宇城市では、午前9時の受付開始と同時に大勢の住民が市役所に来庁。時事通信などの報道によると、被災者らは「(損壊した住宅に)修理して住み続けたいが、罹災証明書がないと何もできない」「ほっとした。まだ再建までは考えられないが、ひとまず初めの一歩だ」などと語りました。

 平穏な暮らしに戻るためには、まだ相当な時間がかかりそうですが、それでもこの手続きが「次へ一歩」となったのです。

図表:フロントラインプレス作成

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 罹災証明書とは、災害によって住宅が受けた被害の程度を、市町村長が公的に証明する書類です。根拠となるのは災害対策基本法第90条の2。被災者から申請があった場合、市区町村長は住宅の被害状況を調査し、遅滞なく証明書を交付しなければならないとされています。

 罹災証明書のポイントは、家財や自動車、店舗の商品などを含めた被害全体を証明するものではない、ということです。基本的な対象は、人が日常生活を送っていた「住家」。自治体によっては、倉庫、店舗、塀、自動車などの被害について「被災証明書」や「罹災届出証明書」と呼ばれる別の書類を発行することがあります。名称や対象、手続きは自治体によって異なりますが、「罹災」証明書と「被災」証明書は同じものではありません。

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