見る、食べる、巡る。湖国の“八”を集めました!

2026年8月3日
滋賀県

令和8年8月8日は、滋賀県の“八”めぐり 八景・八珍・八相縁起・八幡・八日市 見る、食べる、巡る。湖国の“八”を集めました!

 

 令和8年8月8日は、数字の「八」が重なる日。

 滋賀県には、この「八」をきっかけに見つめ直したい風景、食、工芸、地名、交通、信仰、商いがあります。三つの「八」が並ぶこの日、近江商人の心得「三方よし」の地・滋賀県で、湖国の魅力を“はっけよい”と見つけに行きませんか。

 「八」は「やっつ」に加え、「多くの、たくさん」という意味も持つとされています。

古くから受け継がれてきた八景、琵琶湖の恵みを味わう八珍、信楽焼たぬきに込められた八相縁起。さらに、近江八幡や八日市のように地名に残る「八」、近江鉄道八日市線や国道8号のように移動の中で出会う「8」まで。

 八の並びをきっかけに、滋賀県の魅力を少し違う角度から紹介します。

 

 

– 目次 –

 

■ 滋賀県にある、時代の異なる三つの八景

     近江八景/琵琶湖八景/湖北八景 【コラム】ディープな八景 竜王八景

■ 食べる“八” 琵琶湖八珍

     滋賀の食卓に欠かせない琵琶湖の恵み

■ 縁起の“八” 信楽焼たぬきの八相縁起

     信楽焼たぬきに込められた、八つの願い

■ 巡る“八” 近江八幡・八幡堀・八日市

     八幡の名に息づく信仰と商いの水辺/八の日に市が立った、商いの記憶を残すまち「八日市」

     八日市から近江八幡へ、ローカル線でたどる“八”の旅

     八日市の空に受け継がれる、巨大な凧の文化「東近江大凧」/無形民俗文化財に選択

■ 通る“八” 国道8号

     暮らしと物流を支える、湖国の大動脈「国道8号」/湖東の移動を変える国道8号バイパス計画

■ 祈りの“八” 比良八講・八王子山

     湖と山に向き合う、祈りの文化 【コラム】比良八講 荒れじまい

■ 商いの“八” 八風街道と近江商人

     近江と伊勢を結んだ、商いの道 【コラム】かつて“酷道”と呼ばれた現代の八風街道

■ 令和8年8月8日の“八”めぐり

     滋賀県を“八”で横断する

 

 

滋賀県にある、時代の異なる三つの八景         

 

●近江八景 ‐ 和歌と浮世絵に描かれた、滋賀県の古典的風景

 近江八景は、中国湖南省の湘江(しょうこう)と瀟水(しょうすい)、それらが流れ込む洞庭湖に見られる八つの風景を描いた「瀟湘八景(しょうしょうはっけい)」が、京や近江の文人墨客(ぶんじんぼっかく)の目に止まったことに由来するとされています。江戸時代の初め、近衛信尹(このえのぶただ)が膳所城(ぜぜじょう)から見た風景を「瀟湘八景」になぞらえて「近江八景」として選定し、和歌を詠みました。その後、江戸時代の浮世絵師・歌川広重によって広く知られるようになりました。

 

 

●琵琶湖八景 – 琵琶湖全体へと視野を広げた、湖国の八景

 琵琶湖八景は、昭和25年に琵琶湖全域と伊吹山、比良山地などを含む山々が日本初の国定公園である琵琶湖国定公園に指定されたことを機に選定されました。近江八景が南湖の一部に集中しているのに対し、琵琶湖八景は、琵琶湖全体と周辺の山々へ視野を広げて選ばれています。

 

 

●湖北八景 – 湖北らしさを基準に、地域の人々が選んだ八つの風景

 湖北八景は、長浜青年会議所、長浜市、米原市、観光協会など湖北地域の人々により、「湖北の魅力」「湖北らしさ」を基準に2017年に選定されました。人と人をつなぎ、文化と文化をつなぐ、地域の活力が輝くスポットとして位置づけられています。

 

 

【コラム】ディープな八景 竜王八景 

 代表的な三つの八景以外にも、滋賀県蒲生郡竜王町には、豊かな自然と歴史的な風情を楽しめる「竜王八景」があります。自然と歴史の宝庫である竜王町から選び抜かれた八つの景勝地です。農林公園、石部神社、新池と鏡山、牟礼公園(むれいこうえん)、鳴谷の清流と石床、国宝・苗村神社(なむらじんじゃ)、鏡神社と御幸山、雪野山と妹背の里。山、神社、公園、清流、国宝建造物が並んでいます。

 

 

食べる“八” 琵琶湖八珍

 

●滋賀の食卓に欠かせない琵琶湖の恵み「琵琶湖八珍」

 琵琶湖には、固有種も含め、多様な魚介類が生息しています。なかでも美味しく琵琶湖らしい魚介8種(ビワマス、コアユ、ハス、ホンモロコ、ニゴロブナ、スジエビ、ゴリ、イサザ)が、湖魚ブランド「琵琶湖八珍」です。琵琶湖八珍は、琵琶湖の特徴的な魚介類8種です。2013年末、滋賀県立安土城考古博物館が来場者への湖魚料理人気アンケートをもとに、供給量なども考慮して選定されました。

 

 

 ちなみに、琵琶湖八珍の頭文字を並べると「ビワ・コ・ハ・ホン・ニ・ス・ゴ・イ」となり、「びわ湖はほんにすごい!」と覚えることができます。

 

 

縁起の“八” 信楽焼たぬきの八相縁起

 

●信楽焼たぬきに込められた、八つの願い「八相縁起(はっそうえんぎ)」

 信楽焼たぬきは、愛嬌のある姿で親しまれる、滋賀県を代表する工芸品の一つです。その姿を形づくる八つの特徴には、それぞれ縁起のよい意味が込められています。笠は「普段から備え、思いがけない災難を避けること」、大きな目は「周囲を見渡し、気を配って正しく判断すること」、笑顔は「お互いに愛想よく接すること」、大きなお腹は「冷静さと大胆さを持ち合わせること」、通い帳は「信用を第一にすること」、金袋は「金運に恵まれること」、徳利は「人徳を身につけること」、太いしっぽは「何事もしっかりとした終わりを迎えること」。これら八つの姿や特徴に託された縁起を「八相縁起」と呼びます。

 信楽焼は日本六古窯(にほんろっこよう)の一つに数えられる焼き物です。信楽焼たぬきの八相縁起は、滋賀県の工芸、縁起物、そして商いの心が重なった“八”です。

 

大阪・関西万博で実施された信楽焼たぬきの絵付け体験

 

甲賀市の街並み

 

 なお、11月“8”日は、「信楽たぬきの日」です。

 

 

巡る“八” 近江八幡・八幡堀・八日市

 

●八幡の名に息づく信仰と商いの水辺「近江八幡」

 近江八幡の「八幡」という名は、日牟禮八幡宮(ひむれはちまんぐう)をはじめとする八幡信仰と深く結びついています。まちを歩けば、八幡堀、旧城下町、近江商人の町並み、水郷の風景が重なり、信仰、商い、水辺の暮らしがつながって見えてきます。

 なかでも八幡堀は、豊臣秀次による八幡山城下町の形成とともに整備され、町の発展や近江商人の活躍を支えた水路です。白壁土蔵の商家が並ぶ水辺の風景は、近江八幡らしい歴史と情緒を今に伝えています。

 近江八幡は、琵琶湖八景の一つである「『春色』安土八幡の水郷」ともつながる場所です。

 

 

安土・八幡の水郷

 

●八の日に市が立った、商いの記憶を残すまち「八日市」

 「八日市」という地名は、かつて「八」の日に市が開かれたことに由来するとされています。八の日に人が集まり、物が行き交い、市が立つ。その名には、交通や交易、人のにぎわいの記憶が込められています。地名の中に「八」と「市」がともに含まれていることは、令和8年8月8日の“八めぐり”において、分かりやすく、滋賀らしい発見です。

 かつての八日市市は、2005年2月11日に永源寺町、五個荘町、愛東町、湖東町と合併して東近江市となりました。翌年の2006年1月1日に能登川町、蒲生町と合併し現在の東近江市の形になっています。しかし今もなお、八日市という呼称は、近江鉄道の駅や地域の商業、文化と結びついています。

 

●八日市から近江八幡へ、ローカル線でたどる“八”の旅

 八日市駅は、近江鉄道本線と八日市線が接続する駅です。八日市線に乗れば、八日市から近江八幡方面へと向かうことができ、駅名にも行き先にも「八」の文字が見えてきます。

 

秋桜と近江鉄道(しがのフォトコン!!2021)

 

● 八日市の空に受け継がれる、巨大な凧の文化「東近江大凧」 

 東近江大凧は、八日市地域に伝わる大凧文化です。大きな凧を空へ揚げる迫力だけでなく、図柄と言葉を組み合わせて願いや意味を表す「判じもん」も特徴の一つ。凧に描かれた絵柄を読み解く楽しさがあり、見る人もその意味を考えながら参加できる文化です。

 八日市という地名から、空へ揚がる大凧へ。東近江大凧は、滋賀県の“八”を、まちの歴史から空の風景へと広げます。

 

100畳敷東近江大凧~11年ぶりに東近江の空へ~

 

●無形民俗文化財に選択

 「近江八日市の大凧揚げ習俗」は国の選択無形民俗文化財です。100畳敷の大凧飛揚は、地域に受け継がれてきた大凧文化を象徴する行事として行われました。

 

 

通る“八” 国道8号

 

●暮らしと物流を支える、湖国の大動脈「国道8号」

 滋賀県内を通る国道8号は、湖東・湖北エリアをはじめ、県内の移動や物流を支える幹線道路の一つです。観光地や名所のように目立つ存在ではありませんが、地域の暮らし、人の移動、ものの流れを支える“8”として、滋賀県の日常に深く関わっています。

 

●湖東の移動を変える国道8号バイパス計画

 国道8号では、湖東・湖北エリアの交通混雑の緩和や物流の円滑化に向けたバイパス整備が進んでいます。国道8号米原バイパスは、令和7年9月23日に米原市入江から彦根市佐和山町までの区間が開通し、全線開通しました。

 さらに令和8年度には、一般国道8号彦根東近江バイパス(1期)が新規事業化されました。湖東・湖北エリアの交通混雑緩和、物流、産業、観光アクセスの向上という観点からも注目されます。

 

 

祈りの“八” 比良八講・八王子山

 

●湖と山に向き合う、祈りの文化「比良八講」「八王子山」

 比良八講(ひらはっこう)は、毎年3月26日、琵琶湖西岸の近江舞子で行われる行事です。比良山系と琵琶湖にかかわる祈りの文化として、湖西の風景と深く結びついています。

 一方、八王子山は、大津・坂本エリアの信仰と結びついた“八”です。日吉大社とともに訪ねれば、山、神社、信仰、そして琵琶湖をのぞむ地形が重なり、湖国の祈りの風景が立ち上がります。

 滋賀県の“八”は、風景や地名だけでなく、琵琶湖と山に向き合ってきた人々の祈りの中にも受け継がれています。

 

【コラム】比良八講 荒れじまい

 春先、比良山から琵琶湖へ吹きおろす強風は『比良おろし』や『比良八荒』と呼ばれ、湖国では「比良八講 荒れじまい」として春の訪れを告げる言葉になっています。毎年3月26日の比良八講は、琵琶湖への感謝や湖上安全を祈る法要。そこには、比良の修行僧に恋した娘が湖に沈んだという悲恋の伝説も伝わります。

 

 

商いの“八” 八風街道と近江商人

 

●近江と伊勢を結んだ、商いの道「八風街道(はっぷうかいどう)」

 八風街道は、近江と伊勢を結んだ歴史ある街道です。鈴鹿山脈の八風峠を越え、近江から伊勢方面へと人や物が行き交ったこの道は、地域を越えて商いを広げていく近江の人々にとって、重要な交通路の一つでした。

 中世には、東近江地域を拠点とした保内商人らが、八風街道や千草街道などの山越えの道を通じて伊勢方面と行き来し、塩や海産物、布などを扱ったとされています。琵琶湖を中心とする水運だけでなく、山を越える街道もまた、近江の商いを支えた道でした。

 

【コラム】かつて“酷道”と呼ばれた現代の八風街道

 現在の国道421号は、近江と伊勢を結んだ八風街道の流れをくむ道路として、現在も「八風街道」と呼ばれています。かつて県境の石榑峠(いしぐれとうげ)付近には、幅の広い車の進入を防ぐためのコンクリートブロックが道路の両脇に置かれ、“意地悪ゲート”として知られるほどの難所でした。2011年に石榑トンネルが開通して狭い峠道は旧道となり、冬季通行止めも解消されました。

令和8年8月8日の“八”めぐり

 

●滋賀県を“八”で横断する

 県内に点在する「八」をたどると、琵琶湖を中心に広がる風景、湖の恵みを生かした食文化、信楽焼に込められた縁起、近江八幡や八日市に残る地名の記憶、地域をつなぐ鉄道や道路、湖と山に向き合う祈り、そして近江商人の商いの道までが見えてきます。

“八”という数字の語呂合わせは滋賀県の自然、歴史、暮らし、文化を横断する意外な入口です。

 

 令和8年8月8日をきっかけに、いつもの滋賀県を少し違う角度から見つめる“八”めぐり。

湖国に息づく多彩な魅力を、さまざまな「八」から味わってみてください。

 

 

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