しっかりしたハンマーを持参した人も!「電動工具禁止」のルールをしっかりと順守
2026年7月31日の夜、大阪で最も湿度の高い場所は「ベアーズ」だったに違いない…。「関西オルタナの聖地」として知られる創業40年の名物ライブハウス「難波ベアーズ」(大阪市浪速区)が7月31日23時をもって閉店した。
1986年から続く「難波ベアーズ」最後の1日。19時を前にフロアはパンパンに
地下へ続くおなじみの階段に並ぶ来場者たち
「記念品(壁、床の絨毯、ドア、備品、など)持ち帰りイヴェント。はさみ、ノミなど持参してください」と事前に告知されたラストイベント「NAMBA BEARS LAST GATHERING」には、幅広い年代の音楽ファンや、ゆかりのアーティストたち、約400名が訪れた。
7月31日(金)難波ベアーズ
19:00〜 ¥1000
NAMBA BEARS
LAST GATHERING
出演:水道メガネ殺人事件特別スモールバージョン、他
記念品(壁、床の絨毯、ドア、備品、など)持ち帰りイヴェント。
はさみ、ノミなど持参してください。
振る舞い酒あり、アテ無料、予約不要 pic.twitter.com/vieT7VKnlb
— 難波ベアーズ (@namba_bears1) June 25, 2026
ライブスタート予定の19時までに早々に入場規制となり、中には入場待ちをしてもフロアに入れず、カンパだけ払って帰った人や差し入れのみの人、遠方から訪れたにもかかわらず滞在数分というような人も。
最後の出演者は「水道メガネ殺人事件特別スモールバージョン」他
閉店までのカウントダウンの日々は、チケット争奪戦となるライブが続いたが、最終日は予約不要。そんなこともあり、キャパ最大約200のフロアはパンパンで、退場する人がいれば入場できる、というスタイルで観客も少しずつ回転していった。
エントランスでも「今までおつかれさま!ありがとう」など、さまざまな会話が交わされていた
ベアーズ最終日のチケット
フロアに入るとすごい混雑ぶりで、身動きがとれないほど。しかし「朝の御堂筋線いけるならいける!」と表現し、次々人がフロアに入っていく。隣の人の汗でベタベタとなる距離感で、「水道メガネ殺人事件特別スモールバージョン」など、ベアーズ最後のパフォーマンスを、来場者たちは固唾をのんで見守っていた。
ベアーズファンが最終日のフロアを埋め、ライブスタート前から熱気がすごい
しかし、フロアに詰めかけた前のめりな観客らに対し、オーナー店長の山本精一は「上にも今200人くらい人がいるみたいで…みなさん帰っていいですよ。いやもう、帰ってください。ここは、客を突き放すライブハウスなんでね」と最後までベアーズらしいスタンスを貫いた。
ステージで次々に披露された歌、演奏、マジックなど
ライブ中も時々まわってくる振る舞い酒、そしてギュウギュウで立っている観客らの体調を心配して水が配られた
最後の最後は猫のかぶりものをした山本精一
ステージが見れない来場者たちは、広く開放された通路や楽屋などにも、あふれていた。あまりの人の密度に、すべての壁が湿気でベタベタという状況の中でも、ふるまい酒を楽しんだり、昔話に花を咲かせたり、記念撮影したり…とテカテカの笑顔で楽しむ人たちの姿はさすが!
通路で振る舞い酒を楽しむ人たち
通路で振る舞い酒を楽しむ人たち
楽屋に人多すぎる!
◆ 「甲子園の砂」のように、「ベアーズの床」を持ち帰る…あなたの戦利品は?
ライブ終了後は、ハンマーの音が鳴り響き、壁を叩いたり、床をはいだり…事前に告知があった通り、みな床や、壁紙など、「ベアーズのかけら」を持ち帰ろうとしていた。
通気口のプラスチック材をゲット
それぞれが、それぞれのやり方で、ベアーズの思い出を残そうとしている、その行為自体がパフォーマンスと化していて、まさに「スカムの聖地」ベアーズならではの光景だった。
真剣にハンマーで壁を削る人
ここで、最終日に集まったみなさんがゲットした「ベアーズ思い出コレクション」を紹介しよう。
ステージの床。はいでいくと100円玉や、ピックなど続々発掘されていた
楽屋のドナルドの時計(怪奇現象付き)
楽屋の時計
「DRUMANDARA」
「ドラマンダラ」
「チカン防止」ポスター
チカン防止ポスター
「チハラトークin難波ベアーズ」
「チハラトークin難波ベアーズ」ポスター
「関係者以外立ち入り禁止」(手書き)
関係者以外立ち入り禁止
「切腹死世代(ハラキリデッドジェネレーション)」ステッカー
「切腹死世代」ステッカー
◆ 「第2ベアーズ」移転開業に向け、賞金50万円がかけられた!
なお、閉店の理由は、老朽化によりビルの解体が決定したことによるもの。あくまでも「当地での営業を終了」としており、今後の移転再開に、来場者たちも期待を寄せている。
ベアーズを愛する老若男女がライブ終了後も思い出づくり
ベアーズに通いはじめて約12年のヘンリーさんは、「『第二ベアーズ』のステージでノイズやりたい!それをいまから楽しみにしている」と、閉店を惜しみつつも、とても前向きに語っていた。
入場待ちをしていたヘンリーさん(ベアーズ歴12年)、ルドルフさん(ベアーズ歴30年)
ほかの出演経験のある来場者に話を聞くと、「ベアーズでないと、ライブできないんです!他ではPAも断られたけど、叱られながらも、PAの栗本さんにすごく協力してもらった恩があるんです」と語り、ベアーズを頼りにしていた人たちは数限りない。
さまざまなアーティストのステッカーがはられたエントランス。少年ナイフなど、ここから世界へ羽ばたいたアーティストも多数
なお、さっそく本日8月1日からは、移転開業に向けた新たな動きが…。新たなベアーズの物件探しに50万円の賞金がかけられた。これは本気に違いない。念願の移転再開が実現するよう、情報のある人は、ベアーズまでご連絡を。
取材・文・写真/Lmaga.jp編集部
ベアーズ愛の表現方法はいろいろ…壁をはがして、メッセージを作る人も登場!
