独自認証アプリの試験運用進むも、AI広告の収益化モデルに矛盾の影

小久保 重信

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2026.7.30(木)

子どものSNS利用制限導入を発表したフォンデアライエン欧州委員長(中央、欧州委員会のサイトより)

 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は7月中旬、子どもの心身に与える悪影響を防ぐため、加盟国全域でSNSの利用制限を導入する方針を示した。

 子どもの安全確保を巡り、利用方法を年齢層ごとに変える制度案を今秋にも提示する。

 フォンデアライエン欧州委員長は、「運転免許を取得する前に車の鍵を渡さない、あるいは法的に認められるまでアルコールを購入させないのと同じように、子どもたちが合法的にSNSにアクセスできる年齢を設定する必要がある」と語った。

 この方針は、オンライン上の危険から子どもを守るという世界的な潮流に沿ったものだ。

 2025年に16歳未満の利用を原則禁止したオーストラリアに続き、米国や英国、EU加盟国でも規制に関する議論が活発化している(英フィナンシャル・タイムズ、FT)。

「調和されたルール」で自主規制の限界を突破

 EU域内では、フランスが15歳未満の禁止法案を可決するなど、個別の子どもSNS規制を導入・検討する動きが先行してきた。

 しかし、国ごとに基準が異なれば、サービス事業者やユーザーに混乱が生じる。欧州委員会は、こうした個別規制を調整し、EU全域で共通する「調和されたルール」の構築を目指す。

 これまでの対策は、各家庭の教育やプラットフォーム側の自主規制に依存していた。だが、現行の登録制限は年齢を偽るという、容易なすり抜けが可能であり、ルールの形骸化が課題となっていた。

技術による年齢確認とプライバシーの両立

 今回のEUの制度案における最大の特徴は、法規制と先進的な技術を融合させるアプローチにある。

 欧州委員会は、ユーザーがプラットフォームに個人情報を開示することなく、年齢確認が行えるアプリの試験運用を進めている。

 従来の年齢確認では、身分証明書の画像送信などが必要となり、個人情報流出の懸念があった。独自のデジタル認証アプリの導入により、プライバシーの保護と確実なアクセス制限の両立を狙う。

 さらに、13歳から18歳の未成年者を対象に、年齢に応じてアクセス制限を段階的に解除する仕組みの導入を事業者に義務付ける。

 これにより、子どもの発達段階に配慮した安全なインターネット環境の構築を促す計画だ。

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