2026年07月21日 13時45分
メモ

台湾に拠点を置くTSMCの元社員が、台湾政府により国家基幹技術として指定された技術を中国へ持ち出そうとしたとして起訴されました。検察は「国家基幹技術に指定された技術に関連する初の国家安全法違反事件」と述べています。
Taiwan indicts ex-TSMC manager for allegedly stealing chip secrets for China — first case of its kind links managers to Chinese semiconductor materials analysis company | Tom’s Hardware
https://www.tomshardware.com/tech-industry/taiwan-inducts-ex-tsmc-manager-for-allegedly-stealing-chip-secrets-for-china
Taiwan indicts ex-TSMC employee over alleged theft of trade secrets for intended use in China | Reuters
https://www.reuters.com/world/asia-pacific/taiwan-indicts-ex-tsmc-employee-over-alleged-theft-trade-secrets-use-china-2026-07-20/
台湾の検察によると、チェンという名前のTSMC元社員が社内の機密文書21件を不正にコピーしたとのこと。これらの文書には台湾が国家中核技術に指定している技術も含まれており、中国で利用する意図があったとされています。ただ、文書の不正コピーはTSMCの社内監視システムにより検知され、同社は独自の調査を通じてすべての文書を回収したとのこと。
また、チェン被告は2023年から2024年にかけて香港国籍のディンという人物と共謀し、中国に半導体材料分析会社であるCSMACを設立した疑いが持たれています。チェン被告は事業のために複数の提案書を作成しており、その中には台湾の半導体業界から人材を引き抜いてCSMACへ参加させることを目的とした「Blue Ocean Plan」という計画も含まれていました。

検察はディンを中心とする別の中国スパイ事件を捜査する過程でチェン被告を発見しました。捜査当局は、ディンが中国共産党中央軍事委員会政治工作部・南寧拠点の指示を受け、台湾に繰り返し入境して工作員を勧誘し、台湾の重要技術に関する情報を収集していたと主張しています。ディンは2026年の初めに死亡しており、起訴はされませんでした。
検察は「漏えいは未遂に終わったものの、この事件は台湾の国家安全法に基づく初の事例であることから極めて重要な意義を持つ」と述べました。検察はチェン被告に対して最高7年の拘禁刑を求めています。
2022年に施行された台湾の国家安全法では、国家中核技術に指定された技術に関する営業秘密をコピー、使用、または開示することが犯罪とされています。この指定には、14nmより先進的な半導体製造プロセスが含まれます。同法に基づく初の起訴は2025年8月で、TSMCの現職および元従業員3人が、2nmプロセスに関するデータを漏えいしようとした疑いで逮捕されました。この事件ではその後、東京エレクトロンの台湾法人も、情報窃取を防止できなかったとして起訴されています。
TSMC社員が2nm半導体の機密情報を漏らした疑いで逮捕される、東京エレクトロンも捜査を受けているとの報道 – GIGAZINE

またTSMCは、2025年にIntelへ転職した元研究開発幹部のロ・ウェイジェン氏を相手取り民事訴訟を進めており、台湾当局も同氏の退職を巡って国家安全保障上の調査を並行して実施しています。
TSMCがIntelに転職した元幹部を機密漏えいの疑いで告訴 – GIGAZINE

